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「平成20年 8 月末豪雨」を振り返って

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岡崎市消防団連合会 会長 淺井 澄夫

はじめに

岡崎市は、愛知県の中央部に位置し、矢 作川、乙川をはじめとした大小 1 級河川が 数多く流れる人口37万人を超える西三河の 中心都市です。

岡崎市は、平成15年 4 月には中核都市に 移行し、平成18年 1 月額田町と合併、管内面 積は387km2と県下 3 番目の面積となり、「人、

水、緑が輝く、活気に満ちた、美しい都市岡崎」

を目指し弛まぬ努力を続けています。

こうした地域性に富んだ岡崎市の消防団 は21の団があり、1,517名の定員を有した 多団制を敷いており、地域コミュティの中 核として、即時対応力を生かした消防団活 動を展開しています。

今回の「平成20年 8 月末豪雨」は、私た ちのスローガンである「人、水、…」の「水」

が突然、猛烈な牙を向けて岡崎市に襲いか かったゲリラ豪雨でした。今回の災害にお いて 4 日間、延べ人員2,074人の水害と闘っ た日々を紹介いたします。

当日の気象状況

平成20年 8 月28日(木)から31日(日)

にかけて、東海地方の東海上には太平洋高 気圧、南海上には低気圧があり、高気圧か ら暖かい風が海上の水蒸気を含んで湿気を 帯び、東海地方に流れ込むとともに、停滞 前線の活動が急激に活発化し、大気が不安 定になり短時間で積乱雲の群れを発生さ せ、岡崎市では29日午前 1 時から 2 時の時 間降雨量が146.5ミリの国内観測史上 7 番 目、 8 月としては国内過去最大を更新した 記録的な降雨となって、29日未明に相次い で被害が発生しました。

29日午前 1 時から午前 2 時までの市内各 地、 1 時間の降雨量は表 1 に示したとおり の結果です。

岡崎市の被害状況

被害は岡崎市全域に広がり、29日午前 2 時10分、市内全域の14万 6 千世帯に避難勧 告が出され、11時30分、災害救助法が適用

岡崎市福岡町地内 上空から見た全景

(愛知県防災航空隊撮影)

岡崎市井内町地内

され、表 2 に示したような被害状況の結果 となりました。

特に市内中心部を流れる矢作川水系の伊 賀川では、29日豪雨により溢水し 1 名は水 没した家に取り残され、さらに流域に居住 する 1 名は、家屋の 1 階が濁流により崩落、

河川に流され31日午前八時、約30km離れ た離島の南知多町日間賀島において発見さ れ、 2 名の尊い命が犠牲となりました。

消防団の活動状況

市内各地では、床上、床下の浸水家屋が 激増し、 1 級河川である乙川堤防の一部が 決壊さらに大小の数多くの河川が氾濫によ り、道路は冠水し、豪雨被害が続出しまし た。

市内の各消防団員は、車庫警備室に駆け 付ける途中、自家用車が水没、また自らの 家が被災しながらも不眠不休の活動により 被害の防止、復旧活動のために献身的な活

岡崎市伊賀町地内 伊賀川 土のう工法 岡崎市大和町地内

表 1  降雨の状況(29日 1 時〜 2 時  1 時間雨量)

動を続けました。

1 避難広報活動

28日11時33分、西三河南部大雨洪水警報 雷注意報が発令、岡崎市の宮崎町をはじめ とした額田地区は15時30分、土砂災害危険 度レベル 4 に達し、避難勧告が発令された ことに伴い、避難広報活動を実施し地域住 民を避難所に誘導しました。

2 人命救助活動及び水防工法活動 29日 2 時10分、市内全域に避難勧告発令 に伴い、市内各地で消防吏員等と連携活動 を実施し、堤防の決壊危険個所等での土の う積工法を実施しました。

また冠水した地域での人命救助活動、伊 賀川に流された可能性がある人の捜索活動 を31日までの 3 日間、消防吏員、警察機関 等と連携活動を実施しました。

なお、消防団の出動台数、出動人員は表 3 のとおりです。

おわりに

岡崎市では平成12年 9 月に発生した東海 豪雨を教訓に河川整備をはじめとした災害 に強い町づくりを目指すとともに、私達消

防団も各種災害に対応できるよう心血を注 ぎ、能力の向上に努めてきました。

しかしながら、今回の「 8 月末豪雨」は まったく想定外の降雨であり、市街地を あっという間にのみ込んだ豪雨のすさまじ さは、防災に携わるものだけでなく、全て の人を震撼させるものでした。短時間で市 民の生活を脅かす豪雨にどう対処すればい いのか。対策の見直しが現在図られていま す。

今回の災害で痛感させられたのは市民へ の避難勧告等緊急情報の伝達手段でありま す。同報無線、家庭への防災ラジオの配布、

河川流域へのサイレンの設置、自力避難で きない要援護者の名簿作り等問題はたくさ んあります。

これらの方策を 1 つ 1 つ考察し、反映し ていくことが、失われた尊い生命に報いる ことだと痛感しております。

今後この経験を糧にして、多様化してい く災害に一致団結して情熱と責任感を燃や し、対処していくことが私達消防団に課せ られた使命だと考えています。最後に協力 して頂いた多数の各関係機関に対し、深く 感謝を申し上げ、紹介を終わらせて頂きま す。

表 2  被災時の状況

表 3  消防団出動台数及び人員(延べ)

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