1 事 業 計 画
平成29年度は,九州地域におけるシステム情報技術,ナノテクノロジーなど先端科学技術の研究開発等を 行うことにより,産業の振興と経済社会の発展に資することを目的として,次の公益目的事業を行う。
(1) 研究開発事業
① 定常型研究・事業
中長期的かつ戦略的に重要なテーマで行う研究開発事業及び実証実験事業
IT分野については,平成28年度までのシステムアーキテクチャ研究室,情報セキュリティ研究室,生活 支援情報技術研究室の3研究室体制を廃し,平成29年度からは「オープンイノベーション・ラボ」の1組織 体制とする。これまでの研究開発中心から,社会,産業界への「橋渡し」を重視した実証実験中心の活動 を行う。
なお,ナノテクノロジー,有機光デバイス等の分野についてもオープンイノベーションに向けて取組み,
平成30年度からの新たな体制づくりを目指す。
※ オープンイノベーション(英:open innovation) 自社だけでなく他社や大学,地方自治体,社会起 業家などが持つ技術やアイデア,サービスなどを組み合わせ,革新的なビジネスモデルや革新的な 研究成果,製品開発,サービス開発につなげるイノベーションの方法論
ア オープンイノベーション・ラボ
【テーマ】 社会実装,社会貢献を目的とした最先端ITシステムに関する実証実験 (ア) 最先端ITシステム・技術に基づいた新たな社会システム・サービスの社会実装
に向けた実証実験の企画,実施,並びに実施支援
(例) 人工知能(AI),IoT(Internet of Things),ビッグデータ&オープンデータ,
サイバーセキュリティ,ヒューマンインタフェース,バーチャルリアリティ(VR)・
拡張現実感(AR)等
(イ) 上記の社会実装に資する各種プラットフォームの構築と運用
(例) ビッグデータ&オープンデータの収集・蓄積・分析・活用の場を提供するBODIK ODCS (ウ) 上記の実証実験の企画,実施,実施支援を円滑に行うための各種コンソーシアムの運営
(例) ビッグデータ&オープンデータイニシアティブ九州 (BODIK),福岡市 IoT コンソーシアム (FITCO)等
イ ナノテク研究室
【テーマ】ナノ・バイオ技術による環境対応型社会を実現するための新素材の開発 (ア) 自己組織化能を持つ多糖材料を利用した機能性膜の開発と産業への応用 (イ) 人工材料と生体材料の融合による新機能ハイブリッド材料の創製と応用 (ウ) 生理活性物質を標的とする自己集合型蛍光センサーの開発と実用化
ウ 有機光デバイス研究室
【テーマ】 次世代有機半導体光デバイスの創製に向けた革新的な共通基盤技術の開発 (ア) 有機光デバイスの実用化のための評価技術・最適化技術の研究開発
・ 企業と連携した面封止技術,フレキシブル基板プロセスの開発と評価技術の確立
・ 九州大学発の革新的発光材料(熱活性型遅延蛍光材料:TADF 材料)を用いた白色有機 EL の開 発
(イ) 有機光デバイスの高性能化のための要素技術と革新的な解析手法の研究開発
・ 熱刺激電流計測法,磁場中発光特性評価法等を駆使した,新規な有機エレクトロニクスデバイス の薄膜内部の状態計測技術の確立
(ウ) 有機光デバイスの励起子制御技術に関する研究開発
・ 有機/無機ハイブリッドデバイスの代表格であるペロブスカイト型太陽電池の結晶性薄膜の作製技 術の確立とフレキシブル化
・ 理研連携を推進し,有機物と光・電気の相互作用を応用した新規デバイスの共同開発
② プロジェクト型研究・事業
企業,大学等と連携を図り,国等の各種提案公募型研究制度への応募により研究や実証実験等の資 金を獲得し,研究開発及び事業を行う。
※ プロジェクト型研究等において既に実施が決定している研究テーマ
ア 有機薄膜太陽電池材料の評価基盤技術開発(新エネルギー・産業技術総合開発機(NEDO))
イ 準共鳴型電子サイクロトロン共鳴技術に基づく小型・高密度プラズマ源の開発と,これをコア技術とす る3DIC作製を目的とした高速ミニマルエッチング装置の開発(経済産業省)
ウ 高齢者の特性に合わせた独自のロジックを持つ学習型人工知能を搭載した自動鑑別診断システムの 開発(経済産業省)
エ イチゴの省エネ栽培・収量予測・低コスト輸送技術の融合による販売力・国際競争力の強化(農林水 産省)
③ 受託研究・事業
企業,大学,行政等からの委託により研究開発及び事業を行う。
④ 共同研究・事業
企業,大学等の複数による組織で進めた方が効果的な技術等について共同研究及び事業を行う。
⑤ 研究・事業成果の公表
研究開発に伴う成果については,講演会,研究会,イベント,更に学会・論文誌・報告会・研究交流の 場などを通じて発表し,広く公表に努める。
(2) 内外関係機関との交流及び協力事業
国内外の大学,企業,行政,研究機関等との交流会や海外研究交流事業を行うとともに,不特定多数が 参加できるよう広報に努める。
また,学会等の事務局運営を通じ,企業や大学研究者との人的ネットワークを構築するとともに,産学官 交流を促進する。
① 定期交流会,セミナー等の開催
ア 市民向けセミナー (テーマ:医療・健康を予定) 秋頃開催予定
② 学会・協会活動等
ア 福岡市IoTコンソーシアム
イ ビッグデータ&オープンデータイニシアティブ九州 ウ 九州 IT 融合システム協議会事務局
エ 情報処理学会九州支部事務局
オ 米国電気電子学会(IEEE)福岡支部事務局 カ vECU-MBD WG事務局
* ECU ・・・ Electronic Control Unit 車載用の電子制御装置
* MBD ・・・ Model-Based Development モデルベース開発
* WG ・・・ Working Group ワーキンググループ
③ 国内・海外研究交流活動
ア (公財)京都高度技術研究所(ASTEM)との交流 イ 釜山テクノパーク,中華民国資通安全学会等との交流 ウ 九大高等研究院との交流
エ 北部九州産学官連携機関との交流・共同事業 (ア) 「Joint- IFF」事業の展開
公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団(ふくおか IST),公益財団法人北九州産業学術 推進機構(FAIS)及び公益財団法人九州先端科学技術研究所(ISIT)の三機関による地域イノベ ーション創出コンソーシアム(呼称はジョイントイフ)により,北部九州地域の持続的な地方創生を進 める事業を実施する。
・モノづくりフェア2017への共同出展 (イ) 「ちぃむ百
も も
の糸」事業の展開
公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団(ふくおかIST),九州大学学術研究・産学官連携 本部(AiRIMaQ),株式会社産学連携機構九州(九大 TLO),九州大学学術研究都市推進機構
(OPACK)及び公益財団法人九州先端科学技術研究所(ISIT)の五機関 (「ちぃむ百の糸」という。)
で,一層の情報提供と研究成果の公開に努めるセミナーを共同開催する。
(3) コンサルティング事業
システム情報技術,ナノテク等の分野における研究開発,製品開発,その他技術的諸問題等について,
企業,自治体等不特定多数からの相談に応じ解決支援を行う。
併せて,福岡市・九州大学・(公財)九州大学学術研究都市推進機構(OPACK)との連携による産業界へ のサポート事業として,製品・材料等の分析・解析に関する課題の解決を支援する『分析 NEXT』に取組み,
コンサルティングを実施する。また,『分析NEXT』の中核機関(相談窓口)の役割を担う。
① 窓口相談(電話,電子メールによる無料の簡易的なコンサルティング)
② 専門的コンサルティング(ISIT内外の専門家による有料のコンサルティング)
③ 共同研究・プロジェクト研究等への進展
(4) 情報の収集及び提供事業
先端的な技術等に関する情報を収集し,地域企業の技術力の向上に資する情報を提供するとともに,
広報活動を行う。
① 広報誌の発行(年4回,季刊),活動報告書の発行(年1回)
② ホームページ及びメールマガジンによる情報提供 (5) 人材育成事業
地域企業の技術者等の研究開発力向上のためセミナーを開催するとともに,企業や海外から技術者を 受け入れ人材の育成を行う。
① 技術セミナーの開催
② 企業技術者・研究者受入れ
③ 若手研究者の育成及びインターンシップによる人材育成 (6) 産学官連携による新産業・新事業の創出支援
① 産学官連携によるイノベーション推進事業
イノベーション創出に向けて,イノベーション・アーキテクト等の活動を通じ,IT/ナノテク,カーエレクト ロニクス,医療及びバイオ等の幅広い分野での人的ネットワークの形成や産学官連携機能の強化を図る とともに,福岡市と協同でオープンイノベーション促進のためのプラットフォームを構築し,実証実験や産 学連携のマッチングによる産学共同研究開発プロジェクトなど新事業の創出に向けた支援やベンチャー 研究支援等の活動を推進していく。
具体的には,これまでに構築した「福岡市IoTコンソーシアム(FITCO:フィテコ)」及び「オープンデー タ&ビッグデータイニシアティブ九州(BODIK:ボディック)」の活動について引き続き推進するとともに,
ナノ・バイオ分野におけるオープンイノベーション促進のための新たなプラットフォーム等の構築に取り組 む。
② 理化学研究所との連携
理化学研究所,九州大学,福岡市による地域発イノベーション創出に向けた三者連携のもと,大学・研 究機関との交流・連携に関する意欲の高い地域の企業と,大学等の研究者をつなぐ幅広いネットワークの 形成など,福岡市が推進する福岡・九州発のイノベーション創出のための仕組みの構築に向けて積極的 に支援する。