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4.2. 干渉 SAR 画像からの地表面変動解析手順

干渉

SAR

画像から

2

つの同衛星,同ペア,同入射角の観測画像を用いて,2 時期間の変 位を確認できる.干渉

SAR

画像には,期間の変動やノイズなどが干渉画像に表れる.地表 面変動箇所を抽出するため,ノイズなどの除去を考慮した解析を行う必要がある.

4.2.1

使用する機材

SAR

画像の解析処理にはガンマ社(スイス)のソフトウェア「GAMMA SAR」を用いた.

また目視判読および図面作成

ESRI

社(米国)の「ArcGIS for Desktop」を用いた.それぞれ のバージョンは下記の通りである.

 GAMMA SAR 2016/6/25

 ArcGIS for Desktop 10.4.1

4.2.2

干渉

SAR

解析フロー

干渉

SAR

解析フローを図

4.1

に示す.なお,アーカイブと新規撮影データは同衛星,同 パス,同入射角の必要がある.

4.1 干渉SAR解析フロー

目視判読に利用

変動量抽出に利用 目視判読に利用

②初期干渉SAR処理

①画像位置合わせ

初期干渉SAR画像

⑦オルソ化

⑤大域誤差除去フィルタ

フィルタ(ノイズ低減)済み 差分干渉SAR画像 参照DEM

マスター画像

(観測日が古い画像)

スレイブ画像

(観測日が新しい画像)

④位相強調フィルタ

③軌道縞・地形縞除去

⑥アンラップ処理

オルソ済み 差分干渉SAR画像 オルソ済み

アンラップ画像

差分干渉SAR画像

オルソ済み コヒーレンス画像

コヒーレン ス画像 軌道縞

地形縞

ルックアップ テーブル

① 画像位置合わせ

干渉

SAR

解析を行うために,マスター画像(観測日が古い画像)とスレイブ画像(観 測日が新しい画像)の

SLC(single look complex)データを用いてサブピクセルオーダー

(画像の

1

画素よりも小さい精度)で位置合わせを行う.

② 初期干渉処理

位置合わせ処理を実施後,初期干渉

SAR

解析を行う.初期干渉

SAR

解析とは,

2

時期 の観測データから,2 時期間の位相差と

2

時期間の位相の相関(コヒーレンス:干渉性 の高さを表す尺度)とを計算し,干渉縞を算出する.

4.2 初期干渉SAR画像の例(背景にコヒーレンス画像を使用)

③ 軌道縞・地形縞除去

衛星画像から推定したペア間の軌道間距離(垂直基線長)と

DEM

から軌道縞と地形 縞をシミュレートした.初期干渉

SAR

画像からシミュレートした画像を差し引き,差分 干渉

SAR

画像(変動縞)を作成する.

4.3 軌道縞・地形縞除去の概念

初期干渉

SAR

画像

軌道縞

地形縞

差分干渉

SAR

画像

(変動縞)

除去

除去

④ 位相強調フィルタの適用

差分干渉

SAR

画像処理の後,さらにノイズを低減するため,代表的な位相強調フィル タである

GW

(Goldstein and Werner)フィルタを用い,ノイズ低減処理を施した.位相強 調フィルタは,差分干渉

SAR

画像に残っている位相ノイズを低減させ,また変動縞の信 号を強調することで,微細な変動縞をより明瞭とさせる処理である.

4.4 位相強調フィルタの適用例

⑤ 大域誤差除去フィルタ適用

前述のとおり,既往の干渉

SAR

解析では,衛星軌道の誤差,電離層,水蒸気等に起因 するノイズ成分を除去できない.これらのノイズ成分に起因する縞は,斜面変動候補地

(変動縞)を検出する際の変動縞の視認性低下につながるため,過剰検出や検出漏れに 起因する精度低下を招く.そこで,衛星軌道の誤差,電離層,水蒸気等による精度低下 要因の影響を可能な限り排除するため,大域誤差除去フィルタを適用した.

一般に,衛星軌道の誤差や電離層,水蒸気等に起因する縞は,斜面変動候補地に現れ る変動縞と比較して空間スケールが大きい傾向がある.よって,空間スケールが大きい 縞のみを除去することで,衛星軌道の誤差や電離層,水蒸気等の影響を低減できる.こ れが,大域誤差除去フィルタの動作原理である.

4.5 大域誤差除去フィルタ適用例 1次元大気モデルによる補正

(一般的な手法)

©JAXA,METI

©JAXA,METI

提案手法により、大気の影響の 低減を確認

大域誤差除去フィルタ補正

⑥ アンラップ処理