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岩脈類

ドキュメント内 地域地質研究報告 (ページ 48-51)

(牧本 博)

部では捕獲岩片として長径数 cm 以下の片岩類を取り込 んで いる( 第 6.1 図 C).粉 河町 山や ま と が い と

戸垣 内 の真 国 川と 清 川分岐点に産する本岩脈は,東西性の断層による破砕を 受けている(第 6.3 図 B).

 鏡下では,斜長石,単斜輝石,斜方輝石,不透明鉱物 及びメソスタシスからなり(第 6.1 図 D),このうち斜 長石とメソスタシスが主体をなす.単斜輝石と斜方輝石 はほぼ等量である.各地点で結晶度の違いはあっても共 通した鉱物組み合わせを示し,多くの場合新鮮である.

斜長石・単斜輝石及び斜方輝石の一部はやや粗粒で微斑 晶として産する.斜長石は長柱状‒卓状で,大部分が長 径 0.1 ~ 0.3 mm 程 度, 微 斑 晶 で 0.8 mm 位 で あ る. 単 斜輝石は短柱状‒粒状,斜方輝石は長柱状‒棒状で,大部

分は長径 0.1 ~ 0.2 mm 程度であるが,時に長径 0.5 mm 以上になる.

 活動時期 本岩脈の活動時期は三波川結晶片岩類に貫 入していることのみで不詳であるが,「岸和田」地域に は鉱物組み合わせや岩石組織が類似した安山岩溶岩及び 岩脈が産し,同溶岩は中新統甘か ん な ん び南備層を覆い,大阪層群 に覆われている(市原ほか,1986)ことから,本報告で は 中 新 世 か ら 前 期 更 新 世 の 活 動 と し た. な お, 和 田

(1999)は南東隣の「伯お ば こ母子岳」地域の北西隅に産する 安 山 岩 岩 脈 に つ い て 15.2 Ma の 全 岩 K‒Ar 年 代 を 報 告 している.同岩脈は四万十帯花園層に貫入し,岩石記載 によれば完晶質で苦鉄質鉱物として単斜輝石のみを含 み,本報告の安山岩脈とは少し岩質が異なっている.

第 6. 1 図 岩脈類の顕微鏡写真

     A : 中央構造線沿いに産する角閃石デイサイト(GSJ R78352).苦鉄質鉱物(M)は仮像になってお       り,石英斑晶は融食されている.打田町西三谷約 500 m 北西.

     B : 有田川構造線沿いの珪長質岩脈(GSJ R78351).細粒の石英・長石からなる基質中に斜長石斑晶       が認められる.全般に破砕が強い.採取位置は第 4.1 図参照.

     C : 斜方輝石単斜輝石安山岩(GSJ R78349).苦鉄質片岩(L1),石英片岩(L2,L3)などの捕獲岩       片を含む.採取位置は第 6.2 図参照.

     D : 斜方輝石単斜輝石安山岩(GSJ R78350).採取位置は第 6.2 図参照.

     Qz : 石英,Pl : 斜長石,Cpx : 単斜輝石,Opx : 斜方輝石.スケールバーは 0.5 mm.

第 6. 3 図 安山岩岩脈の産状

     A : 安山岩岩脈(A),右下部は急傾斜した泥質片岩,B : 泥質片岩とともに断層で破砕した安山岩      岩脈(A).写真の横幅約 1 m.いずれも真国川沿い,位置は第 6.2 図に示す.

第 6. 2 図 安山岩岩脈の分布図

 本地域の鮮新・更新統は紀川流域に分布する菖しょうぶだに蒲谷 層群と和泉山脈より北側に分布する大阪層群に区別され る(第 7.1 図,第 7.2 図).

 紀川流域には河谷北縁に位置する中央構造線の活動 と密接に関係しながら,厚い地層が長年にわたって堆積 したと考えられる.この堆積盆地は,和泉山脈の北側に 広がる大阪層群の堆積盆地(市原編,1993)とほぼ同時 期に存在しながら,明らかに独立していて,しかも大阪 層群と同程度の層厚を有する.これまで紀川流域の鮮 新・更新統は菖蒲谷層(河田,1939)と呼ばれてきたが,

上記の理由から菖蒲谷層群と呼ぶ.

7. 1 菖蒲谷層群

7. 1. 1 概要

(1)研究史

 紀川に沿って分布し,段丘堆積物に覆われる未固結 の堆積物は,河田(1939)によって菖蒲谷層と命名され

た.この地層の一部は断層によって変位していることが 示 さ れ,Kobayashi(1941), 小 林(1951) に よ っ て 中 央構造線の第四紀における運動(菖蒲谷時階の運動)と とらえられた.その後,これらの断層は古い地層を切る が新しい地層に覆われる断層と,明瞭な断層地形を伴う 活断層とに分けられた(岡田,1973 ; 寒川,1977 ; 岡 田・寒川,1978).

 菖蒲谷層に相当する地層は地域によって様な名称で 呼ばれたが,岩相の違いや断層に切られる,断層を覆う などの違いによって上下 2 ~ 3 の地層に分けることが示 された(第 7.3 図).志井田(1954)は,本地域東方の 大淀・吉野地域の鮮新・更新統を大淀累層とそれを不整 合に覆う竜りゅうもん門累層に区分した.その層位関係に対応させ て寒川(1977)は,紀川流域全域に対して,下位の菖 蒲谷層と上位の五条層に分けた.

 紀川流域では,堆積物は広範な地域から供給された と考えられる多種類の比較的円磨度の高い礫を主体とす る古紀川本流型礫層と,北側または南側の山地から供

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