(大
学基準協会の相互評価にかかわる点検・評価
)以下 に掲 げ るのは
,1996年
10月 4日 と同年11月 12日に開催 した 自己評価委員会で報告 。承認 された埋蔵文化財調査研究 セ ンター自己評価委員会 の記録である。(1)岡
山大学埋蔵文化財調査研究セ ンターの研究活動 に関す る点検・評価a.検
証 システムの適切性[現状 の説 明
]セ
ンターの研究活動 については,発
掘調査・ 出土遺物 の整理等 に関す る作業経 過 を年1〜 3回
程度 当セ ンター管理委員会 お よび運営委員会 に報告 し,そ
の進捗状況 と成果 の 点検 を行 ってい る。 セ ンター内においては,月
1回のセ ンター会議 で,よ
り詳細 な報告 と検討 を実施 している。 また,各
年度 の調査研究成果 を翌年度 に岡山大学構 内遺跡調査研究隼報 とし て印刷 し,学
内各部局 と他大学 。地方公共 団体 の発掘調査 関係機 関等 に公表 してい る。[点検 。評価
]管
理委員会・運営委員会 では全学的な立場か らの適切な評価 があ り,セ
ンター内の定例会議 に よる恒常的点検 も有効 に機能 してい る。 さらに
,年
報 に よる1年
間の活動 内容 の総括や 岡山大学埋蔵文化財調査研究 セ ンター報に よる成果の速報等 は,セ
ンターの調査・研 究活動 の 自己評価 と外部 か らの評価 を進 め るための条件 を整 え る とい う面 で,積
極的 な意義 を 有す る といえ よ う。[長所 と問題 点
]管
理委員会・運営委員会に よる点検評価 は,主
要 な業務 であ る構 内遺跡 の発 掘調査や 出土遺物整理 の作業等 の進行 に効果 を発揮 してい る。反面,調
査研究の内容 あるいは 質 的側面 に関す る点検・評価 については,運
営委員 に よる発掘調査 現場 の視察等 を随時行 って い るとはいえ,必
ず しも十分 とはいえない面を残 してい る。[将来 の改善・改革へ 向けた方策
]セ
ンターにおけ る調査研究の成果を質的側面か ら検証す る ためには,学
内の考 古学 。歴史学 お よび 自然科学諸分野等 を含 む学 内関連部局 との 日常 的な連 携 を基礎 に,そ
れ らの研究者 の集団的な討議に よる成果 の検証 システ ムを考 えてい く必要があろ う。
b.活
性化状況E現状 の説 明
]セ
ンターの研究活動は,構
内遺跡 の発掘調査・ 出土遺物整理・報告書刊行等を 主体 とす る総合研究 と,総
合研 究を充実 。発展 させ るのに必要 なセ ンター専任職員 の基礎研究 か らな っている。総合研究につ いては,セ
ンター発足後 の1988年度か ら1996年度 までに計 14件(11,361M,年
平均 1,262だ)を
実施 し,調
査報告書を9冊 ,年
報 を9冊
,センター報 17冊 を刊 行 して きた。基礎研 究 では,1990年
度か ら1996年 度 までの間に計43本 の論文・報告等 の公表 が岡山大学構内埋蔵文化財保護対策要項
あ ったほか
,計 6件
の文部省科学研究費補助金が交付 されている。[点検・評価
]総
合研究 に関 しては,発
掘調査か ら報告書作成 にいた る期間を確保で きる状況 にあることか ら,着
実 な成果 を あげてきた といえる。その結果,調
査対象 としている津 島岡大 遺跡 と鹿 田遺跡が岡山平野 の歴史を解明す るには欠かせない重要な遺跡 であることが明 らかに な り,全
国的 に も注 目を集めている。一方,基
礎研究については,発
掘調査 に直接かかわ る遺 構・遺物 のテーマの場合は,比
較的研究を進めやす い。 しか し,例
えば山地・海浜地域 の生産 遺跡 と平野部 の集落遺跡 との関係の追究 とい った よ り幅広 い分野を含む研究,生
産・流通・集 落 ・祭祀 と政治 。国家体制 との関係の追究 とい った よ り高 い見地 か らの研 究 の推進 につ い て は,な
消今後 の課題 といえ よう。[長所 と問題点
]セ
ンターが総合研究において調査対象 と してい る津 島岡大遺跡 と鹿 田遺跡 は,そ
れぞれが特有の歴史的個性を示す。津島岡大遺跡 は縄文時代の集落 と弥生時代以降の水 田開発 の歴史 の解 明に主な意義を有 し,鹿
田遺跡 は弥生 時代 以降 の集 落 の変遷,と
りわ け 古 代 。中世 の遺跡構造を知 る うえで重要性を もつ。そ うした遺跡 を長期間にわた って継続的に調 査 ・研究す ることは,岡
山平野 とい う一つの舞台を背景に展開 され る歴史を よ り具体的に解 明 す る とい う意味で,非
常 に有効な方法 といえる。問題点 としては,総
合研究 の推進において学 内の他 の部局・研究者 との連携に よる成果が,例
えば石器石材 の研究や出土植物種子の研究な ど個別的な ケースに とどまっていること,発
掘調査 の成果を畿 内 。九州・大陸等の よ り広 い地 域,旧
石器時代か ら歴史時代 までの より幅広 い時代 の研究成果 とも関連づけて,そ
の歴史的意 義を把握 して い く方 向がなお十分に明確にされていない ことがあげ られ る。[将来の改善 。改革へ向けた方策
]学
内研究者 との連携を推進す るため,セ
ンターに設置 され てい る調査研究専門委員を拡充 し,全
学的かつ多角的な共同研究体制 を整備 してい くことが重 要で ある。 また資料 のデータベ ース化をはか って関係機 関 との情報交換を推進 し,よ
リグ ロー バルな視点か ら発掘成果を比較検討する必要がある。基礎研究について も,少
な くとも科学研 究費等の裏付けのある課題 に関 しては研究条件 を整 えていかなければな らない。c.活
性化促進の条件整備状況 とその有効性[現状 の説 明
]総
合研究にかかわ る経費は文部省お よび学 内予算に よってい る。研究 と資料保 管 のための施設が建設 されてお り,研
究資料 の整理 に必 要 な補佐 員・ 補 助員 も確保 され て い る。専任職員 の研究費・ 出張旅費等はほぼ学 内の平均水 準に あ る。科学研究費 については,法・文・経済学部事務部を通 じて申請を行 っている。 内地留学・海外留学 。長期の海外研修の 実績 はない。
[点検 ・評価日本 セ ンターが省令設置でない とい う条件 の もとでは
,現
在 の研究経費や施設 の あ り方は,本
学各部局か らの相応の協力・支援 の結果 として十分に評価 され るが,国
立大学 の‑36‑
岡山大学埋蔵文化財調査研究センパー関係委員会報告
附属施設 と して本来 あるべ き状態 を想定す るな らば
,現
在 の プ レハブ建物 では,出
土遺物 ・研 究資料 の恒久 的かつ安全 な保管 に重大 な危惧 が あ り,建
物規模 も今後 の資料増加を考 えれば十 分 な もの とはいい難 い。文化財 の 自然科学 的手法 に よる研究 が進展す る中で,分
析機器や施設 の整備 も今後 に残 された大 きな課題 であろ う。[長所 と問題 点
]学
則設置 の機関 として独立 の施設が確保 されていることは,現
在 までの研究 実績 を支 えて きた研究条件面 での基礎 と して,重
要 な意義 を もってい る。 しか し本 セ ンターが 国民共有 の財産 であ る文化財 を研究対象 としてい る とい う特殊 な性格 を考慮すれ ば,研
究 と資 料保管 のための施設 ・機器 の整備 は急務 といえ る。 また,職
員 の長期 の留学 。研修等 が実質 的 に困難 とな ってい る実状は,長
期 的な人材 育成 とい う観点か ら改善 を検討 してい く必要が あろう。外部か らの留学・研修 の受け入れについて も
,検
討課題 となろ う。[将来 の改善・改革へ 向けた方策
]研
究 の 内容 にぶ さわ しt WIH久的 な建物建設 と人材育成をお こな うには,本
セ ンターの省令設置施設 としての再編を検討す るなかで,建
物 の資格面積 を確 保 しあ るいは研究条件 の改善 をはか ってい くことが不可欠 であろ う。再編 の具体的な方 向 としては
,1996年
1月 に学術審議会学術資料部会が報告 したユニバ ーン テイ ミュージアムを検討 してい くことが重要 である。 この博物館は文化財に限 らず広 く大学 で の研究にかかわ る学術標本を収集・整理 ・保存 ・活用 してい くための機関であ り,専
任職員 の 配置 と施設建設 の必要が うたわれてい る。共 同利用施設 と して本学 にユ ニバ ーンテイ ミュージ アムを設立す るな らば,文
化財 を含 む学術資料 の恒久的 な保存 がはか られ る とともに,学
術資 料 を基礎 と して本学 内外 の学際研究 の活性化 に も貢献す るであろ う。(2)岡
山大学埋蔵文化財調査研究セ ンターの管理運営に関する点検・評価[現状 の説 明
]本
セ ンターの管理運営については,岡
山大学学則 に よ り,学
長 を委員長 とす る 管理委員会 とセ ンター長 を委員長 とす る運営委員会 が基本 的な方針を決定 してい る。 それを も とにセ ンター長を中心 とす るセ ンター会議 において業務 の よ り具体的な実施計画をたて,進
行 状況を点検 してい る。 セ ンター内での 日常的な業務 の統括 は専任助手 が持 ち回 りで担 当す る。セ ンター長・ セ ンター室長・運営委員会委員 の一部 は学長に よる任命である。 セ ンターの業務 の うち
,事
務処理 は施設部企画課があた っている。職員 の うち,助
手 は文 学 部 に所 属 し補 佐 員 ・補助員 は企画課 に属 してい る。[点検 。評価
]管
理委員会・運営委員会 は,年
に1〜3回
程度開催 され る。各部局長等に よっ て構成 され る管理委員会では全学的意見が反映 され,全
学共 同利用施設 としての点検が行われ てい る。少人数 の運営委員会 では一歩踏み込 んだ率直な討議が行われ,実
質 的運営 に有効性 を 発揮 してい る。 セ ンター内では定例 セ ンター会議 を月1回開いてお り,職
員全体 の討議 に よっ て業務 の進行状況や問題点な どを明 らかに し,相
互 の意志疎通をはか っている。
ドキュメント内
L 匠 封
(ページ 35-48)