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ドキュメント内 弍鰍一 (ページ 58-95)

・歯車軸(材質:S U S304)

。一一一一一一一一

U)

M3

1.6

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4.1.1.ワイヤの固定

 ワイヤの固定とは曲がりかさば歯車に巻きつけるワイヤをかさば歯車軸の先端に巻き つける作業である.4.1.の巻き線機についてでも触れたが図4−4の矢印の部分のことであ

る.

①しっかり固定されていること.

② ワイヤが取り付け具から巻きつけ具末端に至るまでワイヤ同士が交差せずに張られ    ていること.

③ 軸に巻きつくときの障害にならないこと.

 この条件を満たすものが最適なワイヤの固定方法とする.

図4−4ワイヤの固定

今までに考えられた固定方法.

(1)

 まず考えられたのが図4−5の部品である.これは直径1mm以下のビニールのパイプを 薄い金属で等間隔になるようにならべて内側と外側からはさんだものである.しかし強度 不足だったのか図4−6のようにワイヤを巻くときの張力でワイヤを同じ場所で固定し続け

ることができずに歯車の軸にめり込んできてしまった.よって失敗.

図4−5ワイヤ固定部品 図4−6取り付けた写真

(2)

 図4−7は(2)での方法にくらベワイヤをより強く固定させることができる.さらに紐で固 定することによりワイヤを巻くときの回転方向への力に耐えられるようになっている.し かしうまく巻きつくことができなかった.巻いていくうちにワイヤが重なってしまった(図 4−9).ここでワイヤが重ならないようにするには軸とワイヤがより平行に近くなければい

けないのではないかという仮定を立てた.

図4・7ワイヤの固定部品 図4−8ワイヤ固定方法 図4−9重なったワイヤ

(3)

 (2)で得られた教訓により立てた仮説を元にして取り付けたのが図4−10これは軸の長さ を以前より長く,そして材料の関係で軸の直径を前回の2mmから4㎜(正確には先端が M4のねじとなっている棒の直系なので3.4㎜程度),さらにワイヤの直径を今までの0.2㎜

から0.4㎜として歯車の内径と外径比を以前の5から2.5とした.そうすることによりワ イヤが軸に巻きつくときに重なることを防ぐことができた(図4−11).しかし肝心のかさば 歯車部分に巻きつくときにワイヤが重なってしまった(図4−12).

・57・

図4−10取り付けた写真  図4・11軸に巻きついたワイヤ 図4−12重なったワイヤ

(4)

 固定部分はさらに簡略化しワイヤが軸に密着するような形状のものに変更した(図 4−13).このようにすればワイヤが歯車に重なることなく密着して巻きつくことが分かった.

軸からかさば歯車部分に巻きつくときにワイヤが浮いてしまい重なってしまうので巻きっ いたところから外側をさらにワイヤで巻きつけて固定することとした(図4−14).一見うま

く巻きつけられているかに見えるが,この状態からワイヤを歯車軸に巻きつけていく過程 において,ワイヤ止め具にワイヤの張力が加わりワイヤが止め具より脱落してしまう現象 が確認された.

(a)拡大図         (b)全体図

  図4−13固定部分と取り付けた写真

(a)全体図       (b)拡大

図4−14 銅線で巻ぎつけた写真 今まではこのような制作方法が考案されている.

 そこで本研究では今までに考案された製作方法を実践し,そこから得られた不具合を元 に新たな止め具の開発を行い制作方法の確立を行った.

(5)

図4−15に示すように樹脂性のキャップに直径1mmの穴を30個開けたものを製作し止め 具に用いることにした.

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・沙 ○ ψ

9髪協

       図4−15 止め具

図4−15の止め具にワイヤを通し図のようにワイヤを固定する方法をとった.

図4−17 ワイヤ固定具拡大図

   図4−16 ワイヤ固定具

図4−18に示すように樹脂製のワイヤ固定具にワイヤを通し,上端部にてワイヤを束ね,ハ

       ・59・

シダにてろう付けを行いワイヤを固定した.

 ハンダ付けの際は,アセトンによる表面の洗浄,フラックスによる酸化膜の除去を行う ことで図4−18のようにワイヤ同士がハンダによってしっかりと接合されていることが見

て取れる.

図4−18 ハンダによるワイヤの接合

 この接合によって,ワイヤ巻きつけ時に生じるワイヤの張力に対してワイヤがずれるこ とを防ぐことがで.きた.

 次にワイヤ巻きつけ時に発生するねじり方向の力に対してワイヤがずれないようにす るための装置を図に示す.この装置はワイヤ止め具固定装置と称し,この装置の目的はワ イヤ巻きつけ時に発生するねじり力による,ワイヤのずれを防ぐ装置である.

 先端部分に万力を使用し,土台部分にMagnetic baseを使用し,作業台に固定できるよ うにしている.

図4−19 ワイヤ止め具固定装置 図4−20 ワイヤ止め具固定装置拡大図

実際にこの装置を使用し,樹脂製のワイヤ止め具を固定した様子を図4−21に示す.

図4−21装置使用例

本研究ではワイヤの固定方法として,(5)をワイヤを用いたマイクロ曲がりばかさ歯車の 製作に現状で最も適した製作方法であること確認した.

止め具の仕様がきまったところで,巻き線機に歯車軸をセットしワイヤを張るまでの流れ

をまとめる.

  ①歯車軸(紙テープを巻いておく),M3ネジ,M3ナット2個,ステンレスパイプを用    意する

図4−22 止め具装着前

・61・

①の各種部品を結合させる.

図4−23 止め具装着

②①の部品を巻き線機へ取り付ける

③ワイヤを張り,ワイヤ先端部をハンダで固定する.

       図4−25 ワイヤのセット 以上でワイヤの固定は完了である.

4.1.2.ワイヤの巻きつけ

 これはかさば歯車となる円すい部分から下に26本のすずめっき銅線隙間なく巻きつけ る作業である.ワイヤが緩まないように,ワイヤ末端部にボルトを巻きつけ,常にワイヤ にテンションがかかっている状態にしておく.その状態でワイヤの上から,0.8mmのすず めっき銅線を用いてワイヤを軸に沿った状態で締め付けていき巻いていく.

図4−26 ボルトをワイヤ末端部に取り付け 図4−27 ワイヤの巻きつけ

・63一

(a)全体図      (b)拡大図    図4−28ワイヤを歯車軸に巻きつけた状態

 次に巻ぎつけたワイヤが緩まないように歯車軸の下端部も締め付け用ワイヤにて締め

付ける.

図4−29締め付け用ワイヤによるワイヤの締め付け

締め付け用ワイヤにて巻きつけた際,締め付け用ワイヤの緩みを防ぐために,あらかじめ マグネットベースにて巻き線機の隣に2本のポールを立てておきそこに締め付け用ワイヤ を巻きつけ固定する.その際に巻きつけたワイヤが元に戻ろうとする力によって円盤が巻 いてきた回転方向とは逆に回転しそうになるため,円盤を固定しておく必要がある.

・締め付けワイヤ固定

締め付け用ワイヤを固定する

図4−30上部固定用ワイヤ固定

図4−30で上部締め付け用ワイヤを固定した後に,図4−29によって巻きつけられた下部固定 用ワイヤを図4−31のように固定する.

巻き線機の円盤部を固定する

歯車軸下端部の締め付け用ワイヤを固定する

図4−31下部固定用ワイヤ固定

・65一

4.1.3.ハンダによる仮止め

 これだけでは,歯車軸を巻き線機から取り外した際に,ワイヤが緩んでしまうため,ハ ンダにより仮止めを行う.仮止めの行う箇所は図4−32に示す箇所に施す.

仮止めすべきポイント

・締め付け用ワイヤ上下

・歯車部(特に上端部の締め付け用ワイヤと  の境を重点的に仮止めをする.

図4−32ハンダによる仮止め

仮止めが終わると次は,巻き線機から取り外す.ニッパーで余分なワイヤを切断していく.

図4−33ワイヤ巻きつけ完了

切断が完了したら,巻き線機より歯車を取り外す. 以上でワイヤ巻きつけ工程が完了であ

4.1.4.ハンダ付け

 ハンダ付けするには巻き線機から外して軸自体を温める必要がある.その後の手順は以 下に示す手順にて作業を行うものとする.

①ワイヤを巻きつけた軸をアセトンに付けて超音波洗浄機で洗浄する.

②軸が乾燥した後,軸をフラックスに浸し,超音波洗浄をかける.

③ソルターポッドをあらかじめ300℃に加熱しておき,軸ごとソルターポッドに投入し過  熱する.

④十分に温まったら,ハンダごてを用いてワイヤと軸にハンダ付をおこなっていく.

⑤十分浸透したら外側の付着しすぎたハンダをハンダ吸い取り線で取り除く.

⑥自然冷却によって,軸の冷却.

図4−34巻き線機より取り外した歯車軸とワイヤ

(a)ステンレス用フラックス     (b)アセトン   図4−35アセトン,フラックスによる超音波洗浄

・67・

図4−36ソルターポッド 図4−37ソルターポッドによる加熱

       図4−38ハンダ付け

 その後余分なハンダをハンダ吸取線にて除去し,冷却が完了すればハンダ付工程は完成

である.

(a)ハンダ付の原理

 ワイヤを巻いて温めている状態.

(図4−39)

図4−39加熱

 温めた歯車軸にハンダを付ける.

このときワイヤとワイヤの隙間にも ハンダが浸透するように付ける.(図

4・40) 歯車軸

図4−40ハンダ付け

 余分に付いたハンダをハンダ吸 い取り線で取り除く.(図4−41)

ハンダ吸い取り線

図4−41ハンダ除去

一69・

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