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就職活動2 〜当事者の体験から学ぶ〜

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***この章のポイント***

みんな自分の問題を工夫で乗り越えている

 第5回目のワークショップは当事者5名によるパネ ルディスカッションが下記の通り行われました。

パネリスト:

A (男: 障害者施設職員)

B (女:外資系秘書など歴任、現在、保険営業、料理      教室講師)

C (男:食品関係の企業)

D (男:NPO職員)

E (男;サニタリーの営業職)

コーディネーター 榎本達彦(事務局)

 テーマは5名の当事者が実際就職活動をどう行っ たか、就職活動で苦労したことは何か、その問題を実 際にどのように工夫し、克服したかが話し合われまし た。

 第5章では「工夫」ということに焦点を当てて考えて いきます。

就職活動2

就職活動2

Aさんの場合・・・

Aさんは、専門学校卒業後、ゲーム制作会社にデザイナーとして就職しました(正社員)。

会社の中は活気があり、ザワザワしていてAさんは昼間事務所で仕事をするのが困難で した。そこで、仕事を夜する事にしました。その為に、電気釜を持ち込んでみたり、ソファ を持ち込んだり、机の前ではなく、床にゴザを敷いて床で仕事をしたりしました。でも、

これらの行為が会社で認められず、苦労しました。そんな時、AさんはEDGEに出会い、

相談しました。そこで、藤堂さんが会社の総務を通して、どうしてAさんがこういう行為 をするのかをきちんと説明したのです。その結果、セキュリティーの問題など会社側の 状況を説明した上で会社は働き易い環境の整備をしてくれました。

<工夫1>

 1人で悩んだり、考え込むのではなく、誰か人に相談したり、力になってもらう。弱点 とか障害と言われる物を、きちんと相手に分かってもらうことで、社会で生きやすくな るのではないでしょうか。

就職活動2

<考えて見よう>

 Aさんの、体験や工夫を見てきましたが、あなたならどんな工夫をしますか。

下記に私だったらこうする、 これまでの自分を振り返ってこんな工夫をしたなという 工夫を書いてみましょう。また、Aさんの体験から感じたこと、考えたこと、学んだこと を書いておきましょう。

就職活動2

Aさんが就職した会社はその後、事業縮小の為会社の都合で彼は退職しました。そし て、Aさんは新しい仕事、今の仕事に就きました。就職活動は、web上の就職サイトで 今の仕事を見つけ、書類選考、面接を経て内定を得ました。

 <工夫2>

 今の仕事を得る時も、以前もAさんにとっての課題は履歴書を書くことでした。Aさ んは書くのが苦手で、自分1人では履歴書を書けないと思い、友人に書いてもらったの です。彼が話し、それを友人が履歴書に書いてくれたわけです。Aさんは見事それで内 定を獲得したのです。

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Dさんの場合・・・

Dさんは、大学卒業後、教育に関心があったので、塾・予備校関係の業界に仕事を探し ていました。ですが、この業界はやはりペーパーテストが出題され、文字の読みが苦手 のDさんはことごとく落ち続けます。しかし、面接重視の会社があり、(Dさんの言い方 では)うまく潜り込めたのです。しかし、仕事自体はなんとかなるのですが、周りと同調 して動くのが苦手だったり、読むのが苦手だったりすることで、結局その会社は退職し てしまいます。

 その後、DさんはNPOの職員となります。NPOでは周りの理解もあり、またやり甲斐 のある仕事であり、一生懸命仕事をするのですが、メモが出来なかったり、短期記憶に 難があったりで、ミスが多発します。

 Dさんはある時「マインドマップ」について知り、それをノート取りに活用します。そう したら、物忘れやミスが少なくなったそうです。

 マインドマップは文字は使いますが、書き方を絵のように描くのでディスクレシアの 彼には使いやすい方法だったようです。

<コラム>

 そういえば、DX会では感想や意見を文字だけでなく、絵で描くのもOKとなっていま す。むしろ今は、みんなが絵で自分の事を表現しています。そうすると、文字の時よりも 全体が活性化するのです。とても楽しいですよ。

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Eさんの場合・・・

 Eさんは、今サニタリー関係の営業マンをしています。営業マンの仕事は結構楽しい のですが、自分では人と話をすることに劣等感を感じていました。そこでEさんはその 劣等感を克服するためにお芝居を始めます。芝居を通して自分を表現したり、しゃべり の技術を身につけようと考えたのです。その結果、彼は営業マンを6年間し続けること ができ、今もがんばっているのです。

<考えてみよう>

Eさんが活用している、マインドマップはいろいろ本も出ています。

Eさんのメモ取りの工夫についてどう思いますか。もしあなたが何か不得手なことがあ ったとしたら、どんな工夫や支援があるとうまくいくと思いますか。少し考えて、気づい たことを下記に書いておきましょう。

【当事者の声】

砂長さん

「毎回、ワークショップをするうちに、当事者が驚く程多くの共通項を持っていることに気 がつきます。みんな共通して自動車免許を取るのに苦労した様です。それでも、周囲が分か ってくれれば、重要な仕事が出来るようになりました。」

★★第5章のまとめ★★

・いろいろな人の体験や工夫を参考にする

・自分がこれまでにして来た工夫を振り返る

・「出来ないこと」を直すだけでなく、工夫によってそ      れを乗り越える事も大事です。

就職活動2

カラム 〜海外の場合〜

 海外でも成人ディスレクシアだけの団体はありませんが、英国では成人ディスレクシアの 会がドナルド・シュロス氏のイニシアティブで政策提言やディスレクシアにやさしい職場で の対応などを推進しています。

2009年10月に来日したドナルドさんとロス・クーパー氏(サザンプトン大学教授)はDX会 のメンバーとのワークショップに参加ました。言葉は違っても同じような悩みを持ち、それで も制度を変え、社会を動かす活動をしている同志として活発に意見を交換しました。

成人ディスレクシアに対してできること「合理的な配慮」

配慮:コーディネーターが職場のニーズと本人のニーズのコーディネーションをする。また、

日常生活のサポーター(アシスタントとしてメモを取る、書類などを書くときに同行する)の 育成をして必要に応じて派遣しています。

組合:パン屋組合ではまず組合がディスレクシアについて研修して、雇用者から不当な扱い を受ける組合員に対して後押しをしています。

行政:Access to workという部署がさまざまな障害を持つ人に対する仕事をするうえでの コーディネーションをしています。給与の一部をはじめの5年間補填する。先進機器やソフト で必要なものを吟味した上で供与します。

メーカーなどはディスレクシアの人に意見を聞いて物つくりをしています。時計、携帯、ソフ ト、OSなど。ADOはコンサルティングをしています。スウェーデンの協会ではパソコン教室 やわかりやすいマニュアル作りなどを実践しています。

http://www.adult-dyslexia.org/

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