(1)総人口の将来人口推計
国立社会保障・人口問題研究所(以下、「社人研」という。)の「日本の地域別将来推計人口
(平成 25 年3月推計)」準拠推計と、民間機関である日本創成会議による地域別将来人口推計 準拠推計のデータ、国配布のワークシートを用いて、以下の5通りで将来人口推計を行いまし た。
・パターン1 :全国の移動率が、今後一定程度縮小すると仮定した推計(社人研推 計準拠)
・パターン2 :全国の移動総数が、平成 22(2010)~27(2015)年の推計値と概ね
同水準でそれ以降も推移すると仮定した推計(日本創成会議推計準 拠)
・シミュレーション1:パターン1をもとに、合計特殊出生率が2.07まで上昇したと仮定し た推計
・シミュレーション2:パターン1をもとに、合計特殊出生率が2.07まで上昇し、かつ転入・
転出が同数となったと仮定した推計
・シミュレーション3:パターン1をもとに、合計特殊出生率が 2.07 まで上昇し、かつ 15
~24歳の若年層の社会減を50%抑制すると仮定した推計(町独自推 計)
推計年次については、社人研推計及び日本創成会議推計では平成 22(2010)年を基準年とし た上で、5年ごとに平成 52(2040)年までの推計となっています。パターン1、シミュレーシ ョン1、2、3については、平成 52(2040)年までの出生・死亡・移動等の傾向がその後も継 続すると仮定して、平成 72(2060)年まで推計した場合を示しています。パターン2について は、日本創成会議において、全国の総移動数が概ね一定水準との仮定のもとで平成 52(2040)
年までの推計が行われたものであり、これに準拠するため、平成 52(2040)年までの表示とし ています。
これによると、平成52(2040)年の本町の人口は、パターン1では5,267人、パターン2で
は5,032 人、シミュレーション1では5,624 人、シミュレーション2では 5,903人、シミュレ
ーション3では5,959人という推計結果が出ています。また、平成72(2060)年の人口の推計 結果は、パターン1では 3,903 人、シミュレーション1では 4,602 人、シミュレーション2で は5,237人、シミュレーション3では5,253人となっています。
※基準年となる平成22(2010)年の人口は、年齢不詳の人口を各5歳階級別コーホートに案分したものであり、必 ずしも総人口とは一致しない。
27
図表18 総人口の将来人口推計
単位:人
資料:国配布ツールを用いて作成 7,224
5,267
3,903 5,032
3,603 5,624
4,602 5,903
5,237 5,959
5,253 5,646
4,495
3,500 4,000 4,500 5,000 5,500 6,000 6,500 7,000 7,500
パターン1
(社人研推計準拠)
パターン2
(日本創生会議推計準拠)
シミュレーション1
(合計特殊出生率が2.07ま で上昇)
シミュレーション2
(合計特殊出生率が2.07ま で上昇、移動ゼロ)
シミュレーション3
(町独自推計 合計特殊出 生率が2.07まで上昇、若年 層の転出抑制50%)
宮崎県推計ケース2
(合計特殊出生率が2.07ま で上昇、日本創成会議推 計の移動率をベースに転 出抑制30%)
人口減少対策の有無により、
最大1,350人の差が生まれる
28 パターン1
(社人研推計準拠)
・出生・死亡に関する仮定【自然増減】
平成 22(2010)年の傾向が継続
・移動(転入・転出)に関する仮定【社会増減】
平成 17(2005)~22(2010)年の純移動率((転入者-転出者)/総人口)が、平 成 27(2015)~32(2020)年までに定率で0.5 倍に縮小し、その後はその値を平成 47(2035)~52(2040)年まで一定
パターン2
(日本創成会議推計準拠)
・出生・死亡に関する仮定【自然増減】
パターン1と同じ
・移動(転入・転出)に関する仮定【社会増減】
総移動数が、社人研の平成 22(2010)~27(2015)年の推計値から縮小せずに、
平成 47(2035)年~52(2040)年まで概ね同水準で推移
シミュレーション1
(パターン1+出生率上昇)
・出生・死亡に関する仮定【自然増減】
合計特殊出生率が上昇 平成 52(2040)年以降:2.07
・移動(転入・転出)に関する仮定【社会増減】
パターン1と同じ シミュレーション2
(シミュレーション1+
移動ゼロ)
・出生・死亡に関する仮定【自然増減】
シミュレーション1と同じ
・移動(転入・転出)に関する仮定【社会増減】
総移動数がゼロで推移
シミュレーション3
(町独自推計)
・出生・死亡に関する仮定【自然増減】
合計特殊出生率が上昇
平成 37(2025)年に 1.90、平成 42(2030)年以降 2.07
・移動(転入・転出)に関する仮定【社会増減】
平成 32(2020)年以降、15~24歳の若年層の社会減を 50%抑制
宮崎県推計ケース2
・出生・死亡に関する仮定【自然増減】
合計特殊出生率が上昇 平成 42(2030)年以降 2.07
・移動(転入・転出)に関する仮定【社会増減】
パターン2をベースに、29 歳以下の若年層の社会減を平成 42(2030)年までに段 階的に 30%抑制
29
(2)年齢3区分別人口の将来人口推計
「(1)総人口の将来人口推計」のパターン1~2、シミュレーション1~3について、年齢 3区分別人口と高齢化率をみると、以下のとおりとなります。
図表19 年齢3区分別人口の将来人口推計
単位:人
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年
総数 7,224 6,967 6,663 6,327 5,974 5,624 5,267 4,907 4,557 4,222 3,903
年少人口 970 866 782 653 593 552 519 486 449 405 359 生産年齢人口 4,162 3,772 3,404 3,208 2,982 2,777 2,550 2,323 2,136 2,029 1,894
老年人口 2,092 2,330 2,477 2,465 2,399 2,295 2,198 2,097 1,972 1,789 1,650
高齢化率 29.0% 33.4% 37.2% 39.0% 40.2% 40.8% 41.7% 42.7% 43.3% 42.4% 42.3%
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 総数 7,224 6,967 6,630 6,251 5,850 5,450 5,032 (4,716) (4,345) (3,974) (3,603)
年少人口 970 866 784 651 577 520 468 (405) (357) (315) (278)
生産年齢人口 4,162 3,772 3,375 3,146 2,883 2,639 2,358 (2,171) (1,980) (1,806) (1,647) 老年人口 2,092 2,330 2,471 2,455 2,391 2,292 2,206 (2,140) (2,008) (1,853) (1,678)
高齢化率 29.0% 33.4% 37.3% 39.3% 40.9% 42.1% 43.8% (45.4%) (46.2%) (46.6%) (46.6%) パターン2
パターン1
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
45.0%
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000
老年人口 生産年齢人口 年少人口 高齢化率
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
45.0%
50.0%
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000
老年人口 生産年齢人口 年少人口 高齢化率
30
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年
総数 7,224 7,022 6,772 6,494 6,197 5,897 5,624 5,347 5,083 4,835 4,602
年少人口 970 920 891 821 763 728 733 737 735 695 657 生産年齢人口 4,162 3,772 3,404 3,208 3,035 2,874 2,693 2,512 2,375 2,351 2,295
老年人口 2,092 2,330 2,477 2,465 2,399 2,295 2,198 2,097 1,972 1,789 1,650
高齢化率 29.0% 33.2% 36.6% 38.0% 38.7% 38.9% 39.1% 39.2% 38.8% 37.0% 35.9%
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 総数 7,224 7,059 6,838 6,591 6,346 6,106 5,903 5,698 5,513 5,360 5,237
年少人口 970 905 894 853 822 816 858 885 892 852 822
生産年齢人口 4,162 3,837 3,502 3,341 3,218 3,114 3,007 2,928 2,873 2,945 2,920 老年人口 2,092 2,317 2,442 2,398 2,307 2,177 2,038 1,885 1,748 1,564 1,495
高齢化率 29.0% 32.8% 35.7% 36.4% 36.3% 35.7% 34.5% 33.1% 31.7% 29.2% 28.5%
資料:国配布ツールを用いて作成
20.0%
22.0%
24.0%
26.0%
28.0%
30.0%
32.0%
34.0%
36.0%
38.0%
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000
年少人口 生産年齢人口 老年人口 高齢化率
シミュレーション2 シミュレーション1
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
45.0%
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000
老年人口 生産年齢人口 年少人口 高齢化率
31
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年
総数 7,224 7,022 6,814 6,590 6,377 6,168 5,959 5,756 5,568 5,400 5,253
年少人口 970 920 894 841 832 846 861 858 849 830 805 生産年齢人口 4,162 3,772 3,443 3,284 3,147 3,027 2,900 2,801 2,747 2,781 2,798
老年人口 2,092 2,330 2,477 2,465 2,399 2,295 2,198 2,097 1,972 1,789 1,650
高齢化率 29.0% 33.2% 36.4% 37.4% 37.6% 37.2% 36.9% 36.4% 35.4% 33.1% 31.4%
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 総数 7,224 7,014 6,755 6,487 6,219 5,942 5,646 5,342 5,045 4,763 4,495
年少人口 970 900 874 822 813 802 783 747 708 664 621
生産年齢人口 4,162 3,784 3,410 3,210 3,015 2,848 2,657 2,478 2,329 2,266 2,166 老年人口 2,092 2,330 2,471 2,455 2,391 2,292 2,206 2,118 2,008 1,833 1,708
高齢化率 29.0% 33.2% 36.6% 37.8% 38.4% 38.6% 39.1% 39.6% 39.8% 38.5% 38.0%
シミュレーション3
20.0%
22.0%
24.0%
26.0%
28.0%
30.0%
32.0%
34.0%
36.0%
38.0%
40.0%
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000
年少人口 生産年齢人口 老年人口 高齢化率
宮崎県推計ケース2
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
45.0%
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000
年少人口 生産年齢人口 老年人口 高齢化率
32
(3)将来人口に及ぼす自然増減・社会増減の影響度
人口の変動は、死亡を別にすると、出生と移動によって規定されます。推計を行ったパター ン、シミュレーションを比較することで、将来人口に及ぼす出生(自然増減)と移動(社会増 減)の影響度を分析します。
シミュレーション1は、人口移動に関する仮定をパターン1と同じとして、出生に関する仮 定のみを変えているものです。そのため、シミュレーション1による平成 52(2040)年の総人 口を、パターン1による平成 52(2040)年の総人口で除して得られる数値は、仮に出生率が人 口置換水準まで上昇したとした場合に 30 年後の人口がどの程度増加したものになるかを表し、
その値が大きいほど、出生の影響度が大きい(現在の出生率が低い)ことを意味します。
また、シミュレーション2は、出生の仮定をシミュレーション1と同じとして、人口移動に 関する仮定のみを変えているものです。そのため、シミュレーション2による平成 52(2040)
年の総人口をシミュレーション1による平成 52(2040)年の総人口で除して得られる数値は、
仮に人口移動が均衡(転入数=転出数)となったとした場合に30年後の人口がどの程度増加(ま たは減少)したものとなるかを表し、その値が大きいほど人口移動の影響度が大きい(現在の 転出超過が大きい)ことを意味します。
パターン1とシミュレーション1の比較、シミュレーション1とシミュレーション2の比較 により、本町の将来人口に及ぼす自然増減・社会増減の影響度を分析すると、自然増減の影響 度が「3(106.8%)」、社会増減の影響度が「2(105.0%)」となっています。これは、出生率
の上昇につながる施策を進めることで 10~15%程度、また、人口の社会増をもたらす施策に適 切に取り組むことで0~10%程度、将来の総人口が、社人研の推計人口よりも多くなる効果が あると考えられるということです。
図表20 自然増減・社会増減の影響度
分類 計算方法 影響度
自然増減の 影響度
(シミュレーション1の平成 52(2040)年の総人口/パターン1の平成 52
(2040)年の総人口)の数値に応じて、影響度を以下の5段階に整理。
「1」=100%未満、「2」=100~105%、「3」=105~110%、
「4」=110~115%、「5」=115%以上の増加
5,624 人(シミュレーション1)/5,267 人(パターン1)=106.8%
3
社会増減の 影響度
(シミュレーション2の平成 52(2040)年の総人口/シミュレーション1 の平成 52(2040)年の総人口)の数値に応じて、影響度を以下の5段階に 整理。
「1」=100%未満、「2」=100~110%、「3」=110~120%、
「4」=120~130%、「5」=130%以上の増加
5,903 人(シミュレーション2)/5,624 人(シミュレーション1)=105.0%
2
33
(4)人口減少が地域の将来に与える影響
人口減少は、その過程において必然的に高齢化を伴います。高齢化によって総人口の減少を 上回る生産年齢人口の減少が生じ、就業者数の減少につながっていきます。その結果、総人口 の減少以上に経済規模が縮小し、一人当たりの国民所得が低下するおそれがあります。就業者 数の減少により生産性が停滞した状態が続けば、経済成長率はマイナス成長に陥ることが見込 まれており、人口減少によって経済規模の縮小がいったんはじまると、それがさらなる縮小を 招くという「縮小スパイラル」に陥るリスクがあります。
国土交通省が平成26(2014)年7月に発表した「国土のグランドデザイン2050~対流促進型 国土の形成」では、人口減少がこのまま進むと、平成 62(2050)年には、現在人が住んでいる 居住地域のうち5割以上の地域で人口が半分以下に減少し、さらに、そのうち約1割の地域で は無居住化すると推計されています。地域社会の活力の低下が懸念されるとともに、特に過疎 地域においては、日常の買い物や医療など地域住民の生活に不可欠な生活サービスをいかに確 保していくかが、周辺集落を含め地域全体を維持する上で大きな課題となってきます。
また、人口減少に伴う急速な少子高齢化は、現役世代の負担を増大させます。平成22(2010)
年の本町の高齢化率は 29.0%ですが、平成72(2060)年には42.3%になるという推計もあり、
保険、年金、医療、介護等の社会保障に係る将来の財政負担はますます大きくなり、家計や企 業の経済活動に大きな影響を与えることになります。
人口減少とそれに伴う少子高齢化の影響は、地域産業にも及びます。最も特化係数が高く、
就業者数も多い農業、林業は、高齢化の問題が=担い手不足の問題に直面し、本町の産業に大 きく影響を及ぼすと予想されます。その他の業種においても、就業者数の全体的な減少が企業 の撤退等につながり、労働市場が縮小していくことが考えられます。