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対象とすべき時間帯の検討

設計負荷率は必要換気量や空調負荷が最大となる時間帯を対象として算定する。したがって、負荷率が高 く、調理機器からの熱や水蒸気などが厨房内の温熱・空気環境に与える影響が最も大きい時間帯を特定する 必要がある。しかし、稼働開始時は油や水を設定温度まで温めるためにほとんどの電力を消費し、負荷率は 高いが、厨房内の温熱・空気環境への影響が小さい調理機器がある。その例として、フライヤとウォーマー テーブルが挙げられる。また、スチームコンベクションオーブン(以降、スチコンと記す)などでは稼働開始 時に待機状態にするための準備時間を必要とする。一方、電磁調理器や回転釜も湯を沸かす場合には稼働開 始時の負荷率が高いが、厨房内の温熱・空気環境への影響が小さい場合ある。しかし、電磁調理器や回転釜 では炒めるなどの調理の場合、稼働開始時においても厨房内の温熱・空気環境への影響は小さくない。これ らについては村川ら7)により定量的に検討されている。すなわち、湯沸かしなどの模擬調理時の結果に基づ いて、発生熱負荷パターンを3つに分類し、そのうち茹で麺器やフライヤが含まれるパターン1の調理機器に ついては調理帯1~調理帯3ごとの発生熱負荷を考察している。湯沸かし実験の際のレンジからの発生熱負荷 は水温が60℃以下ではわずかであり、調理帯1(水温60~80℃)においても調理帯3(沸騰状態)に比べると小さ いことが示されている。

以上のように稼働開始時に負荷率は高いが、厨房内の温熱・空気環境への影響が小さい調理機器について は、設計負荷率の算定の際にこれを考慮すべきと考えられる。そこで、フライヤ、スチコン、ウォーマーテ ーブルを対象として提供メニューが異なる連続した3日間の負荷率を検討する。各調理機器の負荷率の5分間 平均値を図3.4に示す。

フライヤの負荷率(図3.4(a))では、稼働開始時の約20分間で負荷率が100%に近いが、それを過ぎるとOnと Offが繰り替えされ、Onの状態でも負荷率は低い。スチコンの負荷率(図3.4(b))では、機器の稼働パターンが 日によって異なる。これは、スチコンが蒸す、煮る、炊く、炒めるなど機能が多い調理機器であるためであ る。また、スチコンについては稼働開始時に負荷率が高いという傾向は見られない。一方、ウォーマーテー ブルの負荷率(図3.4(c))では、稼働開始時の約1時間の負荷率は100%に近い。以上のように、フライヤやウォ ーマーテーブルでは稼働開始時には油や水を設定温度まで温めるためにほとんどの電力が消費されるため、

稼働開始時を除いた上で設計負荷率を適正に求めることが重要であると考えられる。そこで、フライヤでは 稼働開始直後の負荷率80%以上の状態から最初に負荷率が10%以下に下がるまでの時間帯を『設定温度まで

温める時間帯』として除いた。ウォーマーテーブルでは稼働開始直後の負荷率がほぼ100%の状態から最初 に負荷率がゼロとなるまでの時間帯を除いた。

12月5日 12月6日 12月7日

(a) フライヤ(厨房B,5分間平均値)

12月5日 12月6日 12月7日

(b) スチコン(厨房B,5分間平均値)

12月11日 12月12日 12月13日

(c) ウォーマーテーブル(厨房A,5分間平均値)

図3.4 フライヤ・スチコン・ウォーマーテーブルの負荷率 (縦軸:負荷率 横軸:時刻)

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

20 0 40 60 100 80 120

7:00 9:30 12:00

油を設定温度まで温めるための電力

水を設定温度まで温めるための電力

3

3-7

調査対象とした10ヶ所の厨房での各調理機器の負荷率がピークとなる時間帯(以下、ピーク時間帯と記す)の 集計結果を図3.5に示す。

1) 茹で麺器:食堂の繁忙時間帯である11時から13時までの2時間にピーク時間帯がある。

2) フライヤ、電磁調理器、スチコン、ローレンジ:調理内容は当該日のメニューよって異なり、ピーク時 間帯にばらつきがあるが、下調理の時間帯である8時から11時までにピーク時間帯となる場合が多い。

3) 炊飯器、ウォーマーテーブル:炊飯器は9時から11時までにピーク時間帯があり、ウォーマーテーブル は、供食直前の11時から終了する13時までにピーク時間帯がある。

4) 食器洗浄機:食堂の利用が終わり始める12時から13時までにピーク時間帯となる場合が多い。

(a) 茹で麺器 (b) フライヤ

(c) 炊飯器 (d) 電磁調理器

(e) ローレンジ (f) スチコン

(g) ウォーマーテーブル (h) 食器洗浄機 図3.5 調理機器の最大負荷となる時間帯と調査機器数

(縦軸:機器数 横軸:時刻)

0 2 4 6 8 10

7 8 9 10 11 12 13 14

7 8 9 10 11 12 13 14 0

2 4 6 8 10

7 8 9 10 11 12 13 14 7 8 9 10 11 12 13 14

0 2 4 6 8 10

7 8 9 10 11 12 13 14

7 8 9 10 11 12 13 14 0

2 4 6 8 10

7 8 9 10 11 12 13 14 7 8 9 10 11 12 13 14

0 2 4 6 8 10

7 8 9 10 11 12 13 14

7 8 9 10 11 12 13 14 0 2 4 6 8 10

7 8 9 10 11 12 13 14 7 8 9 10 11 12 13 14

0 2 4 6 8 10

7 8 9 10 11 12 13 14

7 8 9 10 11 12 13 14 0

2 4 6 8 10

7 8 9 10 11 12 13 14

7 8 9 10 11 12 13 14

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