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提出された資料から、本品目の切除不能な進行・再発のSQ-NSCLC患者に対する有効性は示され、認 められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考える。本薬は、EGFRに結合し、EGFRを介し たシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている新有効成分含有医薬品 であり、切除不能な進行・再発のSQ-NSCLC患者に対する治療選択肢の一つとして、臨床的意義がある と考える。また、機構は、効能・効果、製造販売後の検討事項等については、さらに検討が必要と考え る。

専門協議での検討を踏まえて特に問題がないと判断できる場合には、本品目を承認して差し支えない と考える。

以上

審査報告(2)

平成31年4月9日

申請品目

[販 売 名] ポートラーザ点滴静注液800 mg

[一 般 名] ネシツムマブ(遺伝子組換え)

[申 請 者] 日本イーライリリー株式会社

[申請年月日] 平成30年6月29日

[略語等一覧]

別記のとおり。

1. 審査内容

専門協議及びその後の機構における審査の概略は、以下のとおりである。なお、本専門協議の専門委 員は、本品目についての専門委員からの申し出等に基づき、「医薬品医療機器総合機構における専門協 議等の実施に関する達」(平成20年12月25日付け 20達第8号)の規定により、指名した。

1.1 有効性について

機構は、審査報告(1)の「7.R.2 有効性について」の項における検討の結果、化学療法歴のない切除 不能な進行・再発のSQ-NSCLC患者を対象とした海外第Ⅲ相試験(SQUIRE試験)において、主要評価 項目とされた OS について、GEM/CDDP 群に対する本薬/GEM/CDDP 群の優越性が示されたこと等か ら、当該患者に対する本薬/GEM/CDDP投与の有効性は示されたと判断した。

専門協議において、以上の機構の判断は専門委員により支持された。

1.2 安全性について

機構は、審査報告(1)の「7.R.3 安全性について」の項における検討の結果、化学療法歴のない切除 不能な進行・再発のSQ-NSCLC患者に対する本薬/GEM/CDDP投与時に特に注意を要する有害事象は、

静脈血栓塞栓症、動脈血栓塞栓症、低マグネシウム血症、ILD、重度の皮膚障害、発熱性好中球減少症、

IRR、重度の下痢及び出血であると判断した。

また、機構は、本薬の使用にあたっては、上記の有害事象の発現に注意する必要があると考えるもの の、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師によって、有害事象の観察や管理、本薬及び併用する 抗悪性腫瘍剤の休薬・減量・投与中止等の適切な対応がなされるのであれば、本薬/GEM/CDDP投与は 忍容可能であると判断した。

専門協議において、以上の機構の判断は専門委員により支持された。また、専門委員からは、以下の 意見が出された。

 臨床現場では、マグネシウム値の多少の低下ではマグネシウム製剤による補充を行わないことが多 く、また、重度の低マグネシウム血症に対する治療方法は確立していない。そのため、臨床試験に

おいて用いられたマグネシウム製剤の補充方法(投与量、投与間隔等)等の情報は重要と考えられ るため、当該情報について医療現場に情報提供してほしい。

 低マグネシウム血症は検査値異常のみとして認識されることが多いため、臨床試験において認めら れた当該事象に伴う症状・二次的事象の発現状況についても医療現場に情報提供してほしい。

機構が考察した内容は、以下のとおりである。

専門協議における議論を踏まえると、低マグネシウム血症に対する具体的な対処法、及び低マグネシ ウム血症に伴う症状・二次的事象の発現状況については重要な情報であることから、資材等を用いて医 療現場に適切に情報提供する必要があると判断した。

以上より、機構は、上記について適切に対応するよう申請者に指示し、申請者はこれに従う旨を回答 した。

1.3 臨床的位置付け及び効能・効果について

機構は、審査報告(1)の「7.R.4 臨床的位置付け及び効能・効果について」の項における検討の結果、

本薬/GEM/CDDP投与は、腫瘍組織検体中のEGFRの発現状況にかかわらず、切除不能な進行・再発の

SQ-NSCLC患者に対する治療選択肢になること等から、効能・効果に関連する使用上の注意の項におい

て以下の旨を注意喚起した上で、本薬の効能・効果を「切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌」

と設定することが適切であると判断した。

<効能・効果に関連する使用上の注意>

 本薬の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

専門協議において、専門委員から以下の意見が出された上で、以上の機構の判断は専門委員により支 持された。

 CRCにおける抗EGFR抗体医薬品での科学的な知見を踏まえると、EGFRの発現状況は抗EGFR抗 体医薬品の効果予測因子ではなく、RAS遺伝子変異の有無が抗EGFR抗体医薬品の効果予測因子で あると考えられ、また、SQUIRE試験の全体集団においてGEM/CDDP群に対する本薬/GEM/CDDP 群でのOSの優越性が示されたことを踏まえると、本薬/GEM/CDDP投与は、EGFRの発現状況に かかわらず切除不能な進行・再発のSQ-NSCLC患者に対して治療選択肢になり得ると考える。

機構が考察した内容は、以下のとおりである。

上記の専門協議における議論等を踏まえ、添付文書の臨床成績の項に臨床試験におけるEGFRの発現 状況別の結果を記載し、効能・効果に関連する使用上の注意の項において以下の旨を注意喚起した上で、

本薬の効能・効果を「切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌」と設定することが適切であると 判断した。

 「臨床成績」の項の内容を熟知し、本薬の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選 択を行うこと。

以上より、機構は、効能・効果を「切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌」と設定した上で、

効能・効果に関連する使用上の注意の項を以下のように設定するよう申請者に指示し、申請者はこれに 従う旨を回答した。

<効能・効果に関連する使用上の注意>

 本薬の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

 「臨床成績」の項の内容を熟知し、本薬の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選 択を行うこと。

1.4 用法・用量について

機構は、審査報告(1)の「7.R.5 用法・用量について」の項における検討の結果、用法・用量に関連 する使用上の注意の項において以下の旨を注意喚起した上で、本薬の用法・用量を申請どおり「ゲムシ タビン及びシスプラチンとの併用において、通常、成人にはネシツムマブ(遺伝子組換え)として1回 800 mgをおよそ60分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コー スとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。」と設定することが適切であると判 断した。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

 本薬投与により有害事象が発現した場合には、下記の基準を参考に、本薬を休薬・減量又は中止す ること。

副作用発現時の本薬の用量調節基準

副作用 程度1 処置

infusion reaction

グレード1 投与速度を50%減速2する。

グレード2 グレード1以下に回復するまで中断する。再開する場合は、投 与速度を50%減速2する。

グレード3又は4 直ちに投与を中止し、再投与しない。

皮膚障害

グレード3

休薬する。

6週間以内にグレード2以下に回復した場合、400 mg 減量して再開する。

再開後、1コースの間グレード3以上の症状が発現 しなければ、600 mgに増量してもよい。600 mg 増量後、1コースの間グレード3以上の症状が発現 しなければ、800 mgに増量してもよい。

再開後、400 mg でグレード 3 以上の症状が発現す

る、又は忍容性に問題がある場合は、投与を中止し、

再投与しない。

6週間以内にグレード2以下に回復しなかった場合は、投 与を中止し、再投与しない。

グレード3の硬結又は線維化 直ちに投与を中止し、再投与しない。

グレード4 直ちに投与を中止し、再投与しない。

低マグネシウム血症 グレード3又は4 グレード2以下に回復するまで休薬する。

上記以外の副作用 グレード3又は4

休薬する。

6週間以内にグレード2以下に回復した場合、600 mg 減量して再開する。

600 mgでグレード3又は 4の症状が発現する場合

は、400 mgに減量する。

400 mgでグレード3又は 4の症状が発現する場合

は、投与を中止し、再投与しない。

6週間以内にグレード2以下に回復しなかった場合は、投 与を中止し、再投与しない。

1)グレードは有害事象共通用語規準(Ver.3.0)に準じる、注2)減速した場合は、その後のすべての投与においても

減速した投与速度で投与することが望ましい。また、投与時間は2時間を超えないこと。

専門協議において、以上の機構の判断は専門委員に支持された。

以上より、機構は、上記のように用法・用量及び用法・用量に関連する使用上の注意の項を設定する よう指示し、申請者はこれに従う旨を回答した。

1.5 医薬品リスク管理計画(案)について

機構は、審査報告(1)の「7.R.6 製造販売後の検討事項について」の項における検討の結果、以下の 内容を製造販売後データベース調査により検討する方針は受け入れ可能と判断した。

① 使用実態下での本薬/GEM/CDDP投与時の切除不能な進行・再発のSQ-NSCLC患者における、動脈 血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症の発現率。

② 使用実態下での本薬/GEM/CDDP投与時の切除不能な進行・再発のSQ-NSCLC患者における、低マ グネシウム血症に対する対処法。

専門協議において、以上の機構の判断は専門委員により支持された。また、専門委員からは、以下の 意見が出された。

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