• 検索結果がありません。

提出された資料から、本品目の尋常性乾癬、関節症性乾癬に対する有効性は示され、認められたベネフ ィットを踏まえると安全性は許容可能と判断した。本品目は、乾癬治療薬として新たな作用機序を有して おり、乾癬治療における新たな治療の選択肢を提供するものであり、臨床的意義があると考える。臨床試 験成績等より、本剤の安全性について特段の問題は認められていないが、製造販売後調査において、使用 実態下での本剤の安全性等について更に検討する必要がある。

専門協議での検討を踏まえて特に問題がないと判断できる場合には、本品目を承認して差し支えないと 考える。

以上

87

審査報告(2)

平成

28

11

14

申請品目

[販 売 名] オテズラ錠

10 mg、同錠 20 mg、同錠 30 mg

[一 般 名] アプレミラスト

[申 請 者] セルジーン株式会社

[申請年月日] 平成

28

3

24

1.

審査内容

専門協議及びその後の医薬品医療機器総合機構(以下、「機構」)における審査の概略は、以下のとお りである。なお、本専門協議の専門委員は、本品目についての専門委員からの申し出等に基づき、「医薬 品医療機器総合機構における専門協議等の実施に関する達」(平成

20

12

25

日付け

20

達第

8

号)

の規定により、指名した。

1.1 有効性、安全性、効能・効果及び用法・用量について

専門協議では、専門委員からは以下の意見が出され、審査報告(1)に記載したオテズラ錠

10 mg、同錠

20 mg、同錠 30 mg(以下、「本剤」)の有効性、安全性、効能・効果及び用法・用量に関する機構の判断

は専門委員から支持された。

・ 本剤の臨床的位置付けは、エトレチナート及びシクロスポリン等の全身療法に用いられる既存の経口 製剤と同様であり、日常診療において、全身療法の治療選択肢の一つになり得ると考えられる。ただ し、既存の生物製剤と比較して有効性が低い可能性が強く示唆されており、重症患者等には生物製剤 を優先して使用すべきと考えられる。

・ 関節症性乾癬の関節病変は不可逆的な変化を来す場合もあることから、本剤の効果が不十分な関節症 性乾癬患者に対して本剤を漫然と投与しないようにすることが重要である。

・ 投与開始時の漸増投与法は、乾癬に対する既存の経口製剤と異なる用法であるため、本剤は漸増投与 法により投与を開始する旨を周知徹底すべきである。

・ 重度の腎機能障害を有する患者に対して本剤

30 mg 1

1

回投与を推奨できる臨床データは得られて いないことは理解するものの、これらの患者に対する投与量選択の目安を臨床現場に情報提供するこ とが望ましい。

機構は、これらの意見を踏まえ、以下の対応が必要と判断し、申請者に指示し、申請者は対応した。

本剤で効果不十分な患者に対して本剤が漫然と投与されないよう、添付文書等において、投与継続の 可否は本剤の治療効果を踏まえて慎重に判断する旨、注意喚起すること。

漸増投与法により投与を開始しなかった場合には、悪心、下痢、嘔吐等の発現率が高いことが示され ていることも含め、本剤の投与開始に際しては漸増投与法を遵守する旨を添付文書の用法・用量に関 連する使用上の注意の項にて注意喚起すること。

88

母集団薬物動態解析の結果を踏まえ、重度の腎機能障害を有する患者に対する本剤の投与について、

添付文書等で目安となる用法・用量(30 mg 1日

1

回)を示すとともに、当該患者には慎重に投与を行 う旨、注意喚起すること。

1.2 医薬品リスク管理計画(案)について

機構は、審査報告(1)「7.R.7 製造販売後の安全対策について」の項における検討等を踏まえ、現時点 における本剤の医薬品リスク管理計画(案)として、表

86

に示す安全性検討事項及び有効性に関する検討 事項を設定すること、表

87

に示す追加の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動を実施することが 適切と判断した。

86 医薬品リスク管理計画(案)における安全性検討事項及び有効性に関する検討事項

安全性検討事項

重要な特定されたリスク 重要な潜在的リスク 重要な不足情報

・重篤な過敏症

・重篤な感染症

・消化管障害

・血管炎

・うつ病及び自殺関連事象

・悪性腫瘍

・体重減少

・なし

有効性に関する検討事項

・使用実態下での尋常性乾癬患者及び関節症性乾癬患者に対する有効性

87 医薬品リスク管理計画(案)における追加の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動の概要

追加の医薬品安全性監視活動 追加のリスク最小化活動

・市販直後調査

・使用成績調査(尋常性乾癬及び関節症性乾癬)

・市販直後調査

・医療関係者向け資材(適正使用ガイド)の作成

また機構は、上記の事項を検討するための製造販売後調査を実施するよう指示した。

申請者は、表

88

のとおり、局所療法で効果不十分な尋常性乾癬患者、又は関節症性乾癬患者を対象に、

観察期間を

12

カ月間、目標例数を

1,000

例とする使用成績調査を実施し、重篤な感染症、消化管障害、重 篤な過敏症、血管炎、うつ病及び自殺関連事象、悪性腫瘍、体重減少を重点調査項目として、使用実態下 での本剤の安全性及び有効性について検討すること、腎機能障害を有する患者における安全性及び有効性 を検討すること等を説明した。

88 使用成績調査(尋常性乾癬及び関節症性乾癬)計画の骨子(案)

目 的 使用実態下における本剤の安全性及び有効性を把握する。

調査方法 中央登録方式

対象患者 局所療法で効果不十分な尋常性乾癬患者、又は関節症性乾癬患者 観察期間 12カ月間

予定症例数 1,000

主な調査項目

・重点調査項目:重篤な感染症、消化管障害、重篤な過敏症、血管炎、うつ病及び自殺関連事象、

悪性腫瘍、体重減少

・患者背景(体重、年齢、乾癬の病型、重症度、罹患期間、前治療歴、合併症等)

・本剤の投与状況

・併用薬剤/併用療法

・臨床検査

・有害事象

・有効性

関連したドキュメント