ここまでは,教会における神権の働き について述べてきました。ここからは,家 族における神権についてお話しします。
まず,鍵についてです。神権の権能はそ の働きの鍵を持つ者の指示の下でしか行 使できないという原則は,教会における基 本原則ですが,家族における神権の権能 の行使については当てはまりません。8 神
権を持つ父親は,その人が持つ神権の権 能により家族の中で管理します。家族の だれかに勧告を与えたり,家族の集会を 持ったり,妻や子供たちに神権の祝福を 与えたり,家族やほかの人に癒しの祝福を 与えたりするために,神権の鍵を持つ人の 指示や承認を得る必要はありません。
父親たちが自分の家族の中で神権を尊 んで大いなるものとするならば,ほかの何 にも増して教会の使命を果たすことに貢 献していることになります。メルキゼデク 神権を持つ父親は,戒めを守る必要があ ります。そうして初めて,家族に祝福を授 けるために必要な神権の力を持つことが できるようになるのです。また,愛に満ち た家族関係を培う必要もあります。そう することで,家族が父親に祝福を求めてく るようになります。また,両親は家族がさ らに神権の祝福を受けられるよう励まし ます。
家族の宣言で教えているように,父親 は妻の「対等のパートナー」としての役割 を果たします。9 また,父親の皆さん,神 権の権能の力と影響力を行使する特権に あずかるときには,「説得により,寛容によ り,温厚と柔和により,また偽りのない愛 により」行ってください(教義と聖約 121:
41)。神権の権能の行使に関するこの高 い標準は,家族の中で非常に大切です。
ハロルド・B・リー大管長は大管長に就任 した直後に次のように約束しました。「皆 さんが持っている神権の力が最もすばら しいと思えるのは,家 庭の中に危機 が あったり,重い病気に見舞われたり,重要 な決断を迫られたりした……ときです。
全能の神の力である神権の力には,それ が主の御心なら,奇跡を行う力もありま す。しかし,わたしたちがその神権を行 使するためには,そのためのふさわしさが 必要です。この原則を理 解できなけれ ば,偉大な神権を受けていてもその祝福 にあずかることはできません。」10
愛する兄弟の皆さん,皆さんが持つ聖
大の祝福をふさわしい末日聖徒にもたら します。それらの祝福が世界中の男女や 子供に注がれているのを,わたしたちは目 にしています。
わたしたちは,自らの召しやエンダウメ ント,その他の神殿儀式に内在する力を 理解している忠実な姉妹たちを見ます。
彼女たちは,夫や子供,愛する人々を守 り,強めるために天の力を求める方法を 知っています。神の力と権能をもって恐れ ずに導き,教え,仕えて召しを果たす,霊 的に強い女性たちです。1 彼女たちにどれ だけ感謝していることでしょう。
同様に,わたしたちは,神権者としての 特権にふさわしい生活を送っている忠実 な男性たちを見ます。彼らは愛と思いや り,忍耐をもって,主の方法で犠牲を払い ながら導き,仕えています。自分たちの持 つ神権の力により人々を祝福し,導き,守 り,強めます。仕える相手に奇跡をもたら しつつ,自らの夫婦関係や家族を安全に 守ります。悪を遠ざける,イスラエルの力 強い長老たちに2 心から感謝しています。
さて,わたしが懸念していることを話し てもよいでしょうか。それは,あまりにも 多くの兄弟姉妹が,神権の力と権能の概 念を十分に理解していないことです。彼
ラッセル・M・ネルソン大管長
愛
する兄弟の皆さん,主とその聖 なる業に献身してくださり感謝 します。皆さんとともに集える ことをうれしく思います。わたしたち新し い大管長会は,皆さんが祈り,支持してく ださることに感謝しています。皆さんの 生活と主への奉仕に感謝しています。義 務に対する献身と無私の奉仕は,わたし たちの召しと同様に,皆さんの召しにお いても重要です。わたしがこの教会でこ れまでの生涯の奉仕を通して学んだこと は, どこで奉仕するかは問題ではないと いうことです。主が心にかけておられる のは, どのように奉仕するかなのです。50 年以上わたしの模範であったトーマ ス・S・モンソン大管長への感謝をお伝え します。また,その顧問のヘンリー・B・
アイリング管長とディーター・F・ウークト ドルフ管長への称賛を伝えます。主と主 の預言者に対する二人の奉仕を称賛しま す。この献身的な僕たちは新たな割り当 てを受け,引き続き力強く,献身的に奉仕 しています。二人を尊敬し,愛しています。
主の権能と力を備えた,主のまことの生 ける教会で奉仕できることは,すばらし い祝福です。神権の鍵を含め,神の神権 の回復は,あらゆる霊的な祝福の中で最
神の力と権能による ミニスタリング
わたしたちは主の御名により,主の力と権能と愛にあふれた優しさ をもって仕えます。
なる神権を尊んで大いなるものとすること は,家族や教会の召しにおける主の御業 に不可欠です。
神権の源である主について証します。
主の贖罪の苦しみと犠牲,そして復活を 通して,すべての男女は不死不滅を得ら れる確証と,永遠の命にあずかる機会が 与えられています。わたしたち一人一人 が,永遠の父なる神の偉大な御業の中で 自分の役割を忠実に勤勉に果たしていき ましょう。イエス・キリストの御名により,
アーメン。■
注
1. 『歴代大管長の教え―ジョセフ・F・スミス』
2. 『歴代大管長の教え343 ―ジョセフ・F・スミス』
340 ,342
3. Joseph F. Smith, Gospel Doctrine , 5th ed.
(1939), 182.
4. ブルース・R・マッコンキー「長 老」『聖徒の 道』1975 年 6 月号,242 参照,強調は原文と 異なる
5. ブルース・R・マッコンキー「長 老」242 ,強 調は原文と異なる
6. 『歴代大管長の教え―ハロルド・B・リー』 98 7. The Teachings of Harold B. Lee, ed. Clyde
J. Williams( 1996),499.〔訳注―「虫眼鏡」
と「神権を尊んで大いなるものとする」はとも に英語の magnify(大きくする)と言う単語 が使用されている。〕
8. ダリン・H・オークス「家庭と教会における神 権 の 権 能」『リ ア ホ ナ』2005 年 11 月 号,
24 - 27 参照
9. 「家 族―世 界 へ の 宣 言」『リ ア ホ ナ』
2017 年 5 月号,145 参照
10. 『歴代大管長の教え―ハロルド・B・リー』
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らは,神の力を使ってその子供たちを祝 福するよりも,私利私欲を満たす方がよい と思っているかのような行動を取ります。
あまりにも多くの兄弟姉妹が,手に入れ られるはずの特権を理解していないので はないかと,わたしは危惧しています。3 例えば,一部の兄弟は神権とは何か,神権 のおかげで何ができるかを理解していな いような行動を取ります。具体的な例を 挙げましょう。
最近わたしが出席したある聖餐会で,
生まれたばかりの幼子が命名と父親の祝 福を受けることになっていました。若い 父親は貴い幼子を腕に抱いて命名し,そ れから美しい祈りをささげました。ところ が,その子に祝福を授けなかったのです。
その愛らしい女の子は命名されただけで,
祝福を授けられませんでした。その愛す る長老は,祈りと神権の祝福の違いを知 りませんでした。神権の権能と力により 幼子を祝福できたのに,しなかったので す。何ともったいないことだろうと思いま した。
ほかの例を挙げましょう。姉妹たちを 初等協会や若い女性や扶助協会の指導 者や教師として任命するときに,召しを果 たす力を祝福として授けるのを怠たる兄 弟たちがいます。勧告と指示のみを授け
るのです。また,ふさわしい父親でありな がら,妻と子供がまさに神権の祝福を必 要としているときにそれを授けない人もい ます。神権の力はこの地上に回復されて います。にもかかわらず,あまりにも多くの 兄弟姉妹が,まことの神権の祝福を受け ることなく,この世のひどい試練を経験し ているのです。何と悲しいことでしょう。
このような悲しい出来事はなくすことがで きます。
兄弟の皆さん,わたしたちは神の聖な る神権を持っています。主の民を祝福す る神の権能を持っているのです。「だれ でもあなたが祝福する者をわたしは祝福 し〔よう〕」と言われた主のすばらしい約 束について考えてみてください。4 わたし たちには,イエス・キリストの御名により,
御心に従って神の子供を祝福する特権が あります。ステーク会長とビショップの皆 さん,皆さんが管理する定員会のすべて の会員が神権の祝福の授け方を理解で きるようにしてください。神の力を十分に 求めるために必要な個人のふさわしさと 霊的な備えも含めてです。5
神権を持つすべての兄弟にお勧めしま す。聖約を守り,断食し,祈り,聖文を研 究し,神殿で礼拝し,男女を問わず神の人 として信仰をもって奉仕するよう,会員を
促してください。従順と義によりイエス・
キリストにさらに近づき,聖霊を伴侶と し,人生で喜びを経験できるということを すべての人が信仰をもって理解できるよ う,わたしたちは助けることができます。
主のまことの生ける教会の特徴は,組 織として導かれて神の子供一人一人とその 家族に仕えるよう常に努力が図られるこ とです。6 主の教会に属するわたしたちは 主の僕として,主がなされたように,個人 に対して仕え,教え,導きます。7 また,わ たしたちは主の御名により,主の力と権能 と愛にあふれた優しさをもって仕えます。
わたしは 60 年以上前のボストンでの経 験から,1 対 1 で仕え,教え,導く特権が もたらす影響力について学びました。当 時マサチューセッツ総合病院で外科医と して研修中であったわたしは,毎日働き,
2 日に 1 度は夜 勤があり,2 週に 1 度は 週末も仕事がありました。妻や 4 人の子 供,教会の活動のために割ける時間はご くわずかでした。にもかかわらず,支部会 長から,ウィルバー・コックス兄弟が教会 に活発に集えるように,コックス夫妻の自 宅を訪問する割り当てを与えられました。
ウィルバーと妻のレオノラは神殿で結び固 めを受けていましたが,8 ウィルバーは長 年教会から遠ざかっていました。