基本的な考え方
各国法令で規制内容を家庭用品ごと・物質ごとにデータを格納したリストを作成する。
リスト作成の基本的な考え方は以下の通りとした。
物質リスト整備の観点
規制対象物質ごとに極力ユニークなレコードになるようにする(複数
CASが紐付く場 合は
CAS番号を横展開、それ以外は極力縦展開する)。
金属化合物のように
1物質で複数の化合物を表現する場合は、以下の通りとする;
法令で
CAS番号の記載があれば(CAS 番号付与が仮に不十分であったとして も)当該番号を
CAS番号として採用する。また、金属化合物等のそもそも構 造不定物質の場合は、大分類・中分類のグルーピング表記を活用する。具体的 には、例えば鉛化合物の場合は「大分類」に
Pb(元素記号)を記入する。
仮に、スズ(単一物質)、
DBT、DOTの
3物質の情報を記入する場合、本来は 全て「スズ及びその化合物」なので大分類は「Sn」となるが、管理単位を別々 にしている場合は、つまり、スズと
DBT、DOTをそれそれ別に規制するよう な管理体系になっている場合、小分類はそれぞれ「(null)」 「DBT」 「DOT」と する。
特例的な扱いとして、アゾ化合物については親物質、つまりアゾ化合物自体の含有自体 が規制対象であることから、CAS 番号を付与せず大分類に「Azo」と記載する
85。
製品リスト整備の観点
例えば「繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物」といったような製品指 定の仕方がされている場合は、個別製品を指定して含有規制していると見なし、1 物 質で
4製品を別々のレコードに収載する。
製品名に付帯条件が付いている場合、例えば「(・・・を除く)」「満
14歳未満の子供 が使用する製品」といった表現が製品に付与されている場合、これらの情報は「製品 の備考欄」に記載する。
各法令で規定している規制対象製品の名称に基づき、日本標準商品分類の分類コード 及び製品コードの紐付けを行う。これによって、「物質」の観点だけでなく、「製品」
の観点からも含有物質規制の絞り込みを検討可能にする。このとき、日本標準商品分 類との紐付き具合についても
5段階程度で評価する(詳細は後述)。
85 管理と評価の関係としては、アゾ化合物の濃度を規制し、アゾ化合物の使用を確認するために還元分解 した特定芳香族アミンを分析する。
規制対象製品の名称及び付帯条件に基づいたときに、家庭用品規制法における「家庭 用品」の定義に合致しているかどうかについて
4段階で評価し、家庭用品の定義に合 致すると考えられた製品及び規制物質を使って法令間比較を行った。
基準値に関する観点
基準値は試験法の違いによって、様々な種類が存在する。例えば、概念構造に留意せ ずに列挙すれば含有、放散、移行、使用、溶出、適合、抽出等に係る基準値である
(それぞれの法令でそのように明記されている場合がある)。本来であれば、このよ
うな細かな基準値の種類を整理するためには、分析試験法にまで辿って確認する必要
があるが、本調査では分析試験法にまで辿って把握することはせず、各国の表現をそ
のまま掲載した。
具体的な整理方法 整理項目
各国の家庭用品・規制物質リストの整理項目は図表 4.1 の通り。また、整理した規制対象 製品については、日本標準商品分類の分類コードを付与する作業も行った。
図表 4.1 家庭用品・規制物質リストの整理項目
整理項目大項目 小項目 概要
No レコードをユニークにカウントするための作業用ナンバー
抽出対象 製品への含有規制若しくは放散規制の場合に「○」を付与
対象国 調査対象国
法令 調査対象法令
措置 調査対象法令における規制名(任意)
法令における番号 法令番号(任意)
グループ名 大分類 物質分類のためのキー情報(大分類)
小分類 物質分類のためのキー情報(小分類)
CAS 番号 CAS 番号(1 物質につき最大 7CAS 付与する場合あり)
物質名称 物質名称
分子式 分子式(CAS 番号がある場合に記載。構造不定の場合は“-”)
規制対象製品 製品 各規制における規制対象製品
分 類 コ ー ド 付 与 結果
◎:付与 OK
○:付与 OK(素材や対象者等の条件までは限定できない)
△:付与 OK(付与できたが完全一致とは言い切れない)
×:製品コードの紐付け困難
■:該当する標準分類がない(不明)
製品コード 上記の製品名に対して付与した日本標準商品分類に基づく製品 コード(可能な範囲で)
分類名 製品コードに対応するに日本標準商品分類の分類名
家庭用品確度 家 庭 用 品 と 明 確 に 判 別 でき る か ど う か の 確 度 ( 詳 細 は 図 表 4.4)。ランク A~D までを付与。
備考 「規制対象製品」の備考欄
基準値 含有/溶出/放散
等
基準値の種類を選択。法令によって様々な表現が示されている が、ここではそれを無理に統合することはせず、極力元情報源の 記載を重視している。現在のリストには、以下のような種類があ る。
→含有、放散、移行、使用、溶出、適合、抽出
値 定量値を記載。できる限り不等号も明記。
備考 「基準値」の備考欄
規制内容(含有濃度を超過している 場合の措置)
左記の通り。
備考 全体に関する備考欄
規制の根拠 根拠となった有害性を中心に記載。
確認日時 規制基準を確認した日付(規制は日々更新される可能性がある
ため、今後の更新作業のために、いつ時点の整理結果なのかを 記載)
製品コードの付与方法について
日本標準商品分類を用いて、海外及び国外(家庭用品規制法)において規制を受けている 製品をリスト化し、約
580製品に対して分類コードを付与した。
具体的には、リストとして整理された製品について、日本標準商品分類検索システム
86(図 表 4.2 参照)でキーワード検索を行い、該当する分類コードを付与した。
図表 4.2 日本標準商品分類検索システムの画面
今回リスト化した製品には、細かく特定された製品から一定の範囲を示す漠然としたも のまで製品名の粒度が様々だったため、付与する分類コードは、例えば「○桁の分類コード を付与する」といった一律の対応をするのではなく、リスト化した製品名の名称に極力一致 するコードを付与した。例えば、リストにある製品が、単に「衣服」とだけ記載されている 場合、第
2分類の「衣服(履物及び身の回り品を除く。) 」を付与するが、 「シャツ」等のよ うに具体的な製品名だった場合は、 「シャツ(成人男子用・少年用織物製外衣)」の分類コー ドを付与した。
なお、大半の製品が第
2分類~第
7分類までの間でコードを付与できたため、全体的な 整合性や比較しやすさをふまえ、最も細かい階層でも最小単位は第
7分類までとした。
なお、表記ゆれ等によってリスト化された製品名で検索しても分類コードがヒットしな い場合や複数の分類コードが該当しうる場合等があった。このような判断に困る場面とそ のその対応について、図表 4.3 に示した。
86 http://www.e-stat.go.jp/SG1/htoukeib/TopDisp.do?bKind=30
図表 4.3 分類コード付与時に判断に困ったケース及び対応方法
No 判断に困るケース 対応 具体的事例
1 リストにある製品名と、日本 標準商品分類に掲載されて いる商品名で表記ゆれがあ る
リストに掲載されている 製品名の類義語を用い て検索
「玩具」「おもちゃ」→「がん具」
「カーペット」→「床敷物」
「リング」→「指輪」
「寝袋」→「スリーピングバッグ」
「ベビーチェア」→「乳幼児用いす」 等 2 製品名が指し示す範囲が広
すぎる
「×:分類コードの紐付け 困難」として整理
・「成形品」や「あらゆる製品」等といった包括的な記載になって いるもの。製品の特定は困難と考えた(規制法令としても包括 名として極力広い表現にすることを意図していると理解)。
・部品や部位にあたる記載がある製品「学生用品の印刷部分」
・素材名のみの記載(「ポリプロピレン系繊維」等) 等 3 リストにある製品に該当する
製 品 コ ー ド が な い ( 又 は 不 明)
「■:該当する標準分類 がない(不明)」として整 理
・「高齢者位置追跡機」(なお、電気電子製品なので家庭用品の 範囲からは外れる可能性が高い)
・「キャンプ用燃料」、「ストラップ」等の雑貨類 等 4 複数の分類コードが紐付く 該当し得る全ての分類コ
ードを付与
・「おもちゃ」→①「室内娯楽用具」、②「がん具及び人形」
・「タオル(直接肌に触れる繊維製品)」→①「バスタオル」、②
「フェースタオル」、③「ハンドタオル」 等 5 リ ス ト に あ る 製 品 で は 、 素
材・使用者・部位等が限定さ れている場合
(1)素材別に分類コード がある場合は、該当する ものを付与
・「織物製又は皮革製玩具」→「布製がん具(人形を除く。)」
・「帽子(乳幼児用繊維製品)」→「その他の幼児用・乳児用帽 子」 等
(2)分類コードが無い場 合は、素材を限定せずに 分類コードを付与
・「家具(ポリ塩化ビニルを主な材料とした各種合成皮革)」→
「家具」
・「子供靴(幼児靴のゴム部材)」→「子供用・幼児用革靴」
・「寝具(乳幼児用繊維製品)」→「寝具」 等
図表 4.4 各国規制対象製品が家庭用品に該当するかどうかの分類の観点
分類 分類の観点 例
左記をブレークダウン
A 下記以外(家庭用品に該当す ると考えられる製品)
家庭用品規制法の対象外とならないと考えら れる全ての製品。
(ただし、B~D 及び-に該当しないものの、
明確に” 家庭用品”と分類して良いか判断に 困るものは「A?」として分類。)
-
B 他法令で規制対象の可能性の ある製品
他法令(食品衛生法、薬機法、農取法等)で 製品への化学物質の含有が規制・管理され ていると考えられるもの。
健康製品、農業用合成樹脂製フィ ルム(食品用器具及び容器・包装 を除く)、ステンレスたわし、乳幼児 用のがん具
C 一般通念上家庭用品の範疇と は考えにくい製品
電気電子製品、設備として据え付けるもの
(壁紙、床板含む)、タイヤ等の自動車用部品
(ただし、シート等の内装的なものは A に分 類)。
自動車用タイヤ、船舶、砲丸、エレ ベーター、エアコン
D 使用目的が業務用の可能性が ある製品
産業用、専門家用等と書いているもの、漁業・
農業等用品、可塑剤等のように明らかに業務 用と考えられるもの。
ショッピングカート、保安メガネ、農 薬、可塑剤、架橋剤、気圧計(産業 用)
- 製品含有ではなく使用を制限さ れている可能性がある
物質、成分及び混合物自体の使用を規制対 象としているもの(ただし、調剤や調剤製品等 は A に分類)。
物質自体、物質又は混合物、他の 物質の成分又は混合物、中間体