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実験 2:重要度の推測による忘れたくない重要な家電操作への提示性能

第 6 章 シミュレーションを用いた実効的な評価方法による提案手法の検証

6.3 実験 2:重要度の推測による忘れたくない重要な家電操作への提示性能

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を推測することが難しくなる.たとえば,毎晩寝る前に照明を消すことはホームエージ ェントに操作代行してほしいが,ユーザが次の日に朝早く起きなければならないときや ゲームで遊んだ後に寝るときなど,日によってユーザ自身で家電操作をしたい場合であ る.本手法では,ホームエージェントからは同じ行動パターンに見えるが「自分で実行 したい家電操作」かどうかが変わる場合は,ユーザに合わせて操作代行を行うことが難 しいと考えられる.しかし,実験から,ユーザ自身で家電操作をしたいかどうかを日に よって変えない場合において,ユーザ自身が楽しむための家電操作に対するホームエー ジェントの実行率の減少が確認できた.そのため,ユーザ自身が楽しむための家電操作 かどうかを判別する方法を,行動パターンに「自分で実行したい家電操作」かどうかが 変わる条件を組み合わせることで実現できる可能性がある.

楽しみ度の増減値が大きいほど,ホームエージェントが「ユーザ自身が楽しむための 家電操作」を操作代行しなくなるまでにかかる時間が早くなった.増加率が極端に大き いと,「ユーザ自身が楽しむための家電操作」かどうかを十分に確認せずに操作代行を 回避してしまう可能性がある.そのため,極端に早期に実行率が減少しないように楽し み度の増減値を選択する必要があることが分かった.

6.3 実験 2 :重要度の推測による忘れたくない重要

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6.3.1 実験方法

6.2節と同様に被験者aのアンケートを用いた360日分のシミュレーションによる評 価を行う.ユーザが実行し忘れたくない重要な家電操作の推測方法を評価するために,

すべての家電操作をユーザが「忘れても実行したい家電操作」,かつ「自分で実行した い家電操作」であるとした.実験1と同様の理由で,すべての家電操作におけるユーザ の意見を「忘れても実行したい家電操作」であるとすることで,学習アルゴリズムによ る影響を除くことにした.

以上の実験は6.2節で作成した評価環境で行った.シミュレーション上では,ホーム エージェントによる予測した家電操作の提示や操作代行に対して,ユーザは「不要と指 示」し,ユーザが家電操作を実行する.ユーザが実行し忘れた家電操作へのホームエー ジェントの提示に対して,ユーザは「実行を指示」する.

6.3.2 実験条件

行動生成の条件は,6.2 節と同様に移動経路の変化する範囲を 10 秒以内,非習慣的 な行動を1日4回,非習慣的な行動における家電操作も1日4回とした.行動パター ンの検出方法と家電操作の予測方法は3.5節で示した方法で行った.しきい値は6.2節 同様の0.5とした.

ユーザが家電操作を忘れる割合は全体の20%,50%,80%とした.楽しみ度の増減値 は0.01に固定し,重要度の増減値は,0.0,0.01,0.1,0.2を比較した.また,楽しみ 度も重要度も推測しない条件とも比較する.

6.3.3 実験結果

(1)20%の家電操作を忘れる場合

ユーザが実行しない家電操作への提示率を図6.3に示す.重要度の増減値が大きいほ ど提示率が高い傾向があった.実験日数90日までの提示率はどの条件でも差がなかっ た.実験日数120日になると,重要度の推測なしと重要度の増減値0.01の提示率が小 さくなった.さらに実験日数150日では,重要度の増減値0.1と0.2も楽しみ度も重要 度も推測しない場合よりも提示率が小さくなった.ただし,実験日数 240 日以降,重 要度の増減値0.2の提示率が増加し,楽しみ度も重要度も推測しない場合での提示率に 近づいた.

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図6.3 ユーザが家電操作を忘れる割合20%

(2)50%の家電操作を忘れる場合

ユーザが実行しない家電操作への提示率を図6.4に示す.ユーザが家電操作を忘れる

割合20%と同様に,重要度の増減値が高いほど提示率が上昇する傾向があった.

実験日数60日までは,重要度の増減値0.2以外の条件での提示率に差がなかった.

実験日数90日以降,重要度の推測なしと重要度の増減値0.01の提示率は減少した.重 要度の増減値0.1の提示率は実験日数90日で一度減少するが,実験日数120日以降で 次第に増加した.重要度の増減値0.2の提示率は,実験日数90日まで増加した.楽し み度も重要度も推測しない場合よりも高かった.実験日数 120 日で提示率は一度減少 し,楽しみ度も重要度も推測しない場合よりも低くなった.実験日数 150 日以降,重 要度の増減値0.2の提示率は次第に増加していったが,楽しみ度も重要度も推測しない 場合よりも低くかった.

0 0.2 0.4 0.6 0.8

0 90 180 270 360

実験日数

楽しみ度の推測あり

(増減値0.01)

重要度の推測あり

(増減値0.2 楽しみ度の推測あり

(増減値0.01)

重要度の推測あり

(増減値0.1 楽しみ度の推測あり

(増減値0.01 重要度の推測あり

(増減値0.01)

楽しみ度の推測あり

(増減値0.01 重要度の推測なし 楽しみ度の推測なし

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図6.4 ユーザが家電操作を忘れる割合50%

(3)80%の家電操作を忘れる場合

ユーザが実行しない家電操作への提示率を図6.5に示す.ユーザが家電操作を忘れる

割合20%と50%と同様に,重要度の増減値が高いほど提示率が上昇する傾向があった.

実験日数60日までの提示率は重要度の増減値0.2が他の条件より高く,重要度の増 減値0.2以外の条件での提示率に差がなかった.実験日数90日以降,重要度の推測な しと重要度の増減値0.01 の提示率は減少した.楽しみ度も重要度も推測しない場合の 提示率は増加した.重要度の増減値0.1の場合の提示率は実験日数90日のときに楽し み度も重要度も推測しない場合の提示率よりも高かったが,実験日数 210 日以降で楽 しみ度も重要度も推測しない場合の提示率より低くなった.実験日数90日以降の重要 度の増減値 0.1 の場合の提示率は変動しなかったためである.また,重要度の増減値 0.2は常に他の条件よりも提示率が高くなった.

0 0.2 0.4 0.6 0.8

0 90 180 270 360

実験日数

楽しみ度の推測あり

(増減値0.01 重要度の推測あり

(増減値0.2)

楽しみ度の推測あり

(増減値0.01)

重要度の推測あり

(増減値0.1 楽しみ度の推測あり

(増減値0.01 重要度の推測あり

(増減値0.01)

楽しみ度の推測あり

(増減値0.01)

重要度の推測なし 楽しみ度の推測なし

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図6.5 ユーザが家電操作を忘れる割合80%

以上より,重要度を推測することで,ユーザ自身が楽しむための家電操作かつユーザ が実行し忘れたくない重要な家電操作を実行し忘れた場合にホームエージェントの提 示率の増加が確認できた.ただし,ユーザが実行し忘れたくない重要な家電操作を実行 し忘れた場合の提示率は100%とはならなかった.これは,ユーザが家電操作を忘れる ことで家電操作の繰り返しが減少し,重要度を推測する機会も減少するためである.

また,家電操作を忘れる割合によらず,ホームエージェントの提示率の増加には重要 度の増減値に十分な大きさが必要であった.これは,重要度の推測が,ユーザが実行し 忘れたときにしか行えないためである.ユーザが家電操作を忘れる割合が小さいと,ユ ーザが忘れても実行したい家電操作かどうかをホームエージェントが推測する機会が 少なくなる.また,ユーザが家電操作を忘れる割合が大きいと,ユーザがあまり繰り返 さない家電操作となってしまう.そのため,ユーザが家電操作を忘れたことをホームエ ージェントが検出できず,ユーザが忘れても実行したい家電操作かどうかを学習する機 会を失ってしまう.つまり,ユーザが忘れても実行したい家電操作を推測する機会は多 くないため,重要度の増減値を大きくする必要がある.ただし,重要度の増減値を大き くしすぎると,ホームエージェントが間違った家電操作を提示する可能性が高くなる.

実際のユーザ実験を重ねることで,重要度の適切な増減値の決め方を探していく必要が ある.

0 0.2 0.4 0.6 0.8

0 90 180 270 360

実験日数

楽しみ度の推測あり

(増減値0.01)

重要度の推測あり

(増減値0.2)

楽しみ度の推測あり

(増減値0.01)

重要度の推測あり

(増減値0.1 楽しみ度の推測あり

(増減値0.01 重要度の推測あり

(増減値0.01)

楽しみ度の推測あり

(増減値0.01)

重要度の推測なし 楽しみ度の推測なし

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6.4 実験 3 :加減アルゴリズムと数値計算によるし