• 検索結果がありません。

第2章 実験装置の概要

2.6 実験装置の携帯性

製作した水力発電機は,マイクロ水力発電機として中小河川や用水路などへ の設置を目的としている。そのために持ち運びが容易であることが必須である。

しかし,開発直後のシステムは複雑な回路がむき出しであり広いスペースを必 要としているため,持ち運びに適してはいなかった。しかし FPGA による屋外 での発電実験が可能になったため,FPGAをディジタルコントローラとするシス テムのコントロールボックスを製作した。

繰り返し実験を行っていく観点から,コントローラの変更にかかる時間を短 縮するために箱の外側からすべての操作を行えることを第二の目的とした。

また開発直後のシステムでは,水力発電機とセンサアンプの収納されたボッ クスを取り外すことが困難であった。このような収納,組み立て,片付け,運搬 を困難にする要素はコントロールボックスにより解消した。

開発直後のシステムの画像を図2.26に示す。

図2.26.開発直後のシステム

このように電力供給部から制御部までの回路が非常に複雑で,水のそばで配 線がむきだしになっているため非常に危険な状態であった。スペースとしては 小学校や中学校で生徒が使用する学習机の2つ分を必要としていた。

34

次に製作したコントロールボックスを図2.20に示す。

(a) 上から見た内部の様子

35

(b)前面

(c)背面

図2.27.コントロールボックス

図2.27には製作したコントロールボックスの蓋を取り外した内部の様子,前 面,背面から撮影した画像を掲載した。

ボックスにはタカチ電機工業・SL177-43-43SBを使用している。特徴として は,寸法が177(mm)×43(mm)×43(mm)となっておりコンパクトである。またロ ータリースイッチを使用したことでボックス外部からのコントローラの切り替 えが容易になっている。電源挿し込み口は形状を変えることにより,挿し込み の間違いを回避できるようにした。もし間違えてしまっても,スイッチングコ ンバータと各デバイスの間にダイオードを挟んであるため,誤動作や破損を防 ぐことができる。各デバイスには外付けのスイッチを設けている。これは PWMアンプ,センサアンプ,FPGAの順番に電源を入れるためである。

以上によりPWMアンプ,DSP用チャンネルボックスの入出力口にもD-sub コネクタを用いることで,水力発電機,コントロールボックス,電源,PCを 独立して収納できるような構造になった。

1つのボックスにスイッチングコンバータを多数使用しているので,感電を 防ぐためにコモンモードチョークを用いた。各デバイス,スイッチングコンバ ータのグランドは筐体に共通に落としてあるが,誤動作がないことも確認し

36

た。

充電システムは筐体の空きスペースに収納していくことを考える。

関連したドキュメント