桜ノ宮貯木場跡は,大阪ふれあいの水辺づくり事業による親水整備により,2011年8月に下流池の 砂浜が整備された.そこで,この整備による流れの影響を把握することを目的として,整備前後にお ける実験により比較検討を行った.図4.8 は満潮時における流速分布の結果である.整備前では,上 下流部ともに流れは不安定で,下流部では渦を巻いていることが確認できる.整備後では上流部の流 れは整備前に比べ小さくなっているものの,下流部では全体の流れが流下方向に向いていることが明 らかとなった.満潮時から干潮時までの下げ潮時において,上流部では整備前後においてほぼ同じ傾 向を示しており,渦が発生している流れとなっている.下流部では,整備前においては渦が発生して いる流れとなっているが,整備後においては概ね流下方向に安定して流れている.干潮時から満潮時 の上げ潮時には,現地と同様に逆流が起こり,渦を巻き,滞留している.また,整備前に比べて整備 後の流れは小さくなっている.1周期を通して整備されていない上流側の流れは整備前と変わらない.
しかし,下流部では砂浜があることによって貯木場跡の幅が狭くなり,流れが安定し,整備前と比べ,
流況は改善されていることを確認した.
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図4.8 満潮時における整備前(上),整備後(下)の流況変化
図4.9 はゲート操作有無における上げ潮最盛時における流況の変化である.下流側にゲートが設置 されていない場合は,下流側接続部より下流部に流入した水が上流部にも流入していることが確認で きる(最大流速で0.8cm/s).また,上流側接続部からの流入はほとんど確認できなかった.一方,下 流側にゲートを設置した場合は,上流側接続部より勢いよく上流部へ流入し,下流部では上流部に比 べ非常に小さな流速となっていることを確認した.ゲートが上下流側に設置されている場合と下流側 のみに設置されている場合を比較すると,上下流側に設置されている方が上流部において大きな流速 となっている.これは,干潮時に上下流側にゲートが設置されている場合は,上流側が閉められてい るため,下流側の水位に依存しているが,下流側のみにゲートが設置されている場合は,上流側から 流入した水の影響も受けているためと考えることができる.
満潮時から干潮時において上下流部にゲートがある場合は,上流部にゲートがあるため,比較的流 速が遅い流れではあるが,渦を巻く様子もなく,流下方向へと安定した流れである.それに対して,
ゲート無しの場合と下流側にゲートのみの場合は,流れはほとんど同じで,上下流部にゲートを設置 した場合と比べると流速が速い状態にある.
以上のことから,ゲート操作を用いると狙い通り,水の流れは一方向となり,現地での流況改善が 期待できる結果を得ることを確認した.
0.5cm
現状 ゲート無 0cm
0.5cm
整備後 ゲート無 0cm
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図4.9 上げ潮最盛時におけるゲート有無による流況の変化
(上:ゲート無,中:下流側ゲート有,下:上・下流側ゲート有)
整備後 ゲート無 0 0.5cm
整備後 ゲート有(下流側接続部) 0 0.5cm
0.5cm
整備後 ゲート有(上・下流側接続部) 0
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