考察として使用する実験結果を再掲であるが、以下に示していく。図
23
は事前期 待の調査結果を、図24
は顧客満足度の調査結果を表わしている。図25
、図26
、図27
はそれぞれ、グループA
、B
、C
について顧客満足度の数値から事前期待の値を引 き算した結果を判定したものである。引き算した結果が正であれば満足、0であれば どちらでもない、負であれば不満足、と判定している。0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 事前期待の値(操作後)
総合評価
中央値 グループA:75点 グループB:50点
グループC(操作前):75点 グループC(操作後):50点
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
事前期待の値(操作後)
要素の合計評価
中央値 グループA:56.25点 グループB:32.81点
グループC(操作前):59.38点 グループC(操作後):48.44点
A
B C(操作後)
C(
操作前) B C(
操作後) A C(
操作前)
図 23:事前期待調査結果
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
顧客満足度
総合評価
中央値 グループA:50点 グループB:50点
グループ
C(
操作後)
:50
点0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
顧客満足度
要素の合計評価
中央値 グループA:31.25点 グループB:46.88点
グループ
C(
操作後)
:43.75
点A C(操作後) B A C(操作後) B
図 24:顧客満足度調査結果
満足 0%
不満足 どち 40%
らで もな い 60%
総合評価
満足0%
不満足 100%
要素の合計評価
図 25:グループ A の判定結果
満足 20%
不満足 20%
どちらでも ない 60%
総合評価
満足 80%
不満足 20%
要素の合計評価
図 26:グループ B の判定結果
満足 20%
不満足 20%
どちら でもな い 60%
総合評価
満足 20%
不満足 80%
要素の合計評価
図 27:グループ C の判定結果
図
23
と図24
だけをみれば、結果はうまく期待-不一致モデルに収まっているとい える。しかし、図25
、図26
、図27
も併せて結果をみると腑に落ちない点がある。それはグループ
C
における要素の合計評価である。グループC
は事前期待の値と顧 客満足度において多少の差はあれど、グループB
と同程度の結果になっている。にも 関わらず判定結果では不満足に感じている人が80%
と、まったく満足を得られていな い。数値的に同程度であるグループB
では80%
の人が満足に感じていることを考えると、なんらかの作用があると考えられる。ではその作用とはなんなのか。
グループ
A
とグループC
の判定結果並びに顧客満足度の関係は、期待-不一致モ デルで十分な説明が可能である。すなわち、グループC
の方が事前期待が低いため、顧客満足度が大きくなっている。それに関連して、判定結果はグループ
A
の不満足100%に対して、グループ C
は不満足が80%となっている。
一方、グループ
B
とグループC
の判定結果並びに顧客満足度の関係は、期待-不 一致モデルでは説明がしきれない。なぜなら、顧客満足度の分布は似通っているのに、判定結果がグループ
B
の満足80%
に対して、グループC
は満足が20%
である。事前 期待と知覚品質が満足または不満足を決めるこのモデルにおいて、数値の結果だけで みれば期待-不一致モデルにて十分な説明が可能である。しかし、このように満足を 感じた人が少ないことは期待-不一致モデルでは説明がつかないと考える。満足は相 対値である、というOliver(1980)の主張を考えれば、多少なりともグループ B
よりも 事前期待が高いグループC
は、満足を感じにくい、ということになる。しかし、これ ほど大きな差があることを素直に受け入れるのは難しい。図28
にここまでをまとめ る。0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 顧客満足度
要素の合計評価
A C B
満 足 0%
不満足 100%
要素の合計評価 グループA
満足 80%
不満足 20%
要素の合計評価 グループB
満足 20%
不満足 80%
要素の合計評価 グループC
グループ C
グループ
グループAからみると、A ⇒ ⇒ グループ B
期待-不一致モデル で十分
グループBからみると、
期待-不一致モデル では不十分
上と下の図を関連付けて考えたとき
図 28:判定結果と調査結果に感じた疑問
以上を踏まえて、なぜグループ
C
の方が負の不一致が発生しやすくなっているのか。これについて仮説を立てる。