第4章 熱輸送限界
4.3 熱輸送限界の実験
4.3.3 実験結果
熱輸送限界の実験値Q*upに及ぼす金網層数nおよび蒸発部端における体積力 による圧力差LJPb {=
pg(Lt-Lw
)sinφ}の影響をFig.4.3に示す. 金網層数nが大 きいウイックほど, 作動液の流路断面積が大きいので, 作動液の環流による圧力 損失が減少し, 熱輸送限界は増大している. また, 傾き角φが大きくなりLJPbが 大きくなるにつれて, Q*ゅは減少している.ウイックの最大毛細管圧力は, 金網形状およびウイック厚さに依存している.
しかし, ウイック厚さは, コンテナ内に設置された状態あるいはヒートパイプ動 作中の状態では計測が困難である. 一方, 熱輸送限界Q*は, Eq.(4.6)で示した ように, ウイックの最大毛細管圧力Pc*とLJPbの差(Pc*-LJPb)に依存している.
したがって, 熱輸送限界の実験値Q*ゆとLJPbの関係をl次関数で近似し, 熱輸送 限界時の作動液の圧力損失LJPl=(Pc * - LJPb) がOとなり, 熱輸送できなくなる横 軸切片のLJPbの値で, ウイックの最大毛細管圧力Pc*岬を推算することができる.
図中の実線は, 各層数のウイックのQ*岬とLJPbの関係を直線近似したもので ある. Fig.4.3から推算されるPc*岬をTable 4.2に示す.
Table 4.2 Ma泊mumcapillary pressure of wicks
n
PC *.U:þ [Pa]
20 3504
16 3543
12 8 6
3381 3213 3077
4 2930
全実験を通して, 凝縮部の冷却水温度を400Cとしたので, 熱輸送限界がOWと なり熱が輸送されない場合には, ヒートパイフの動作温度は400Cとなる. したが
- 94
-一
062一 司L 1A 1i 只U バU A『
200mesh d=O.049mm ð 1=O.126mm
Lt=O.Sm, Lc=O.3m W=O.lm
400
200
{〉戸}念発。
3 4 2
。 1
LJPb [kPa]
Effect of ,tjPb on heat仕組sfer limit Q*岬 Fig. 4.3
400Cの場合の値と 上述の手法により評価される最大毛細管圧力Pc*.uÞは,
って,
温度が急上昇する 蒸発部端のメニスカスが破壊し,
また,
見なすことができる.
このPc*岬は蒸発部端のウイックの最大毛細 ことで熱輸送限界を判断したので,
管圧力を示している.
P,*岬はウイック厚さに依存 PC*.ゆが金網l層の最大毛細管圧力以上であれば,
ウイック厚さから半経験式で算出される最大毛細管圧力の推算値Pc*・岬が実 し
蒸発部端x=Ltのウイック厚さす 験値と+ 10%以内で良好に一致することから,
最大毛細管圧力の実験値Pc*.erÞから評価することがで なわち上下層の隙間C吋を,
400Cの場合の前章で導出 実験に用いた金網ウイックの上下層の隙間cと,
きる.
図中の印はPC*.ゅを した最大毛細管圧力の予測式P,*. mrþの関係をFig.4.4に示す.
熱輸送限界の実験値から推算される蒸発 各印に対応するcの値が,
部端の上下層の隙間CerÞとなる.
示しており,
I - nufO勺ん
η一!''-「 / 臼司IA司1ム
864p,本,emp 4
{司包fuk
3
200mesh d=O.049mm Ò 1=O.126mm e =O.14rad
。
c
[mm]
-0.05 2
Relation between P,
Fig.4.4
いずれの場合にもPc*岬は金網i層の最大毛細管圧力Pc*,l,emÞより大きい値を示し 最大毛細管圧力が金網の上下層の隙聞に形成されるメニスカスに支配さ ており,
れていることが分かる.
Cexþおよび次式で算出される蒸発部端のウイック厚され,e:tþをTable4.3に示す . (4.7)
o n,e:tþ=n 0 1 + (n -1 )ce:tþ
表中のれ,0はコンテナ装着前に計測した圧力がかからない自由状態のウイック
o n,minは金網 上下層の隙間がEq.(2.62)で算出される最小値Cminとなる場合 厚さ,
蒸発部端のウイック厚さが装着 熱輸送限界時には,
の最小ウイック厚さである.
最小ウイック厚さ丸山に近づいている. このこ 前よりかなり薄くなっており,
ウイック中に形成されるメニスカスによって発生する毛細管圧力が大きい とは
気相の圧力によってウイックがコンテナ底面へ押しつけられることを示し ため,
ている.
Table 4.3 Geometry of wicks
Cezþ o n.uþ o n.O On・min
n
[mm] [mm] [mm] [mm]
20 -0.0458 1.65 2.16 1.42 16 -0.0466 1.32 1.72 1.15 12 -0.0433 1.04 1.29 0.88 8 -0.0396 0.73 0.86 0.60 6 -0.0364 0.57 0.64 0.47 4 -0.0325 0.41 0.42 0.33