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実験結果

ドキュメント内 屋内用自律移動ロボットのための (ページ 37-45)

第5章 オフライン実機実験

第5章 オフライン実機実験

地図生成結果

地図生成に関しては、現状のEKF-SLAMでは局所的地図生成を行うため図5.2のcase1

~3の各ロボット位置姿勢における結果を提案手法の有無による違いを示す。

Case1のロボット位置姿勢における地図生成結果を図と表に示す。図5.4と表5.2が従来

のライン生成結果とライン品質、図5.5が提案手法であるライン限定・修正結果である。こ の場合、ライン4が最も高品質なラインであり、q

th=10であるため、品質値9以下のライン のみに限定される。よってライン限定により半分ほどに限定されている。提案手法の利点 は環境左上の計測点(円で囲まれた部分)において実環境形状とは異なる点群を返してい るため、この部分のライン6をEKFの入力に採用せずに済んだことが挙げられる。削除さ れたラインは、この周期においては低品質であるため地図として採用されないが、後の周 期において採用される可能性は十分にある。

表5.2 ライン品質(× 10ିଷ

図5.4 従来のライン生成結果 1000

2000 3000[mm]

1 1 1 1

2 2 2 3 2 3 3 3 4

4 4 4

5 5 5 5 6

6 6 6

7 7 7 7

1000 2000

3000[mm]

3 3 3 3 4

4 4 4

7 7 7 7

特徴 標準偏差 点の数 品質 (×10⁻³)

ライン1

137.1 81 20.8

ライン2

64.8 79 10.3

ライン3

4.7 33 4.3

ライン4

9.6 103 0.9

ライン5

256.2 101 25.1

ライン6

349.8 35 285.6

ライン7

295.1 339 2.6

σmin

n

q

第5章 オフライン実機実験

Case2 の結果を図と表に示す。図 5.6 と表 5.3 が従来のライン生成結果とライン品質、図

5.7はライン限定・修正結果である。この場合、限定アルゴリズムについての結果は適用前 後に全く違いはない。この結果のように、ばらつきの少ないラインさえ構成されれば、地 図として採用する。なお、ライン抽出手法のSplit and Mergeアルゴリズムにおいてはライ ンを抽出する上で最低限の点の数が設定されているため、計測点の少ない部分にはライン を構成しないように設定している。図5.7上部の円の部分は後の説明で用いる。

表5.3 ライン品質(× 10ିଷ

図5.6 従来のライン生成結果

図5.7 ライン限定・修正結果

1000 2000 3000[mm]

1 1 1 1 2

2 2 2

3 3 3 3 4

4 4 4

5 5 5 5

1000 2000

3000[mm]

1 1 1 1 2

2 2 2

3 3 3 4 3

4 4 4

5 5 5 5

特徴 標準偏差 点の数 品質 (×10⁻³)

ライン1

8.2 37 6

ライン2

12.9 101 1.3

ライン3

220.2 165 8.1

ライン4

207.1 384 1.4

ライン5

13.5 65 3.2

σmin

n

q

第5章 オフライン実機実験

Case3の結果を図5.8図5.9表5.4に示す。この結果はCase1と同様の現象が顕著に表れ

た例である。すなわち、図5.8のロボット右側にあたる計測点群(円で囲まれた部分)は環境 の周囲の壁を計測しているはずだが、明らかな間違った計測点を返しており、地図として 採用するべきでないことは明らかである。しかし図の従来手法では、その点群に対してラ インを抽出し、そのまま地図として採用している。対して提案手法では間違った計測点か ら得られたライン3・4・5は削除することで限定を行いなおかつ、ばらつきの少ないラ インを採用していることが分かる。

表5.4 ライン品質(× 10ିଷ

図5.8 従来のライン生成結果

図5.9 ライン限定・修正結果

1000 2000[mm]

1 1 1 1

2 2 2 2

3 3 3 3 4 4 4 4 5 5 5 6 5

6 6 6

7 7 7 7

1000

2000[mm]

2 2 2 2 6 6 6

7 7 7 7

特徴 標準偏差 点の数 品質 (×10⁻³) ライン1 24.9 22 51.4

ライン2 12.7 51 4.9

ライン3 278.1 30 329

ライン4 638.6 32 623.7

ライン5 968 75 172.1

ライン6 227.8 326 2.1

ライン7 35.7 230 0.674

σmin

n

q

第5章 オフライン実機実験

なお、修正アルゴリズムは全体地図では効果が分かりにくいため、図5.7の上の一部(円 で囲まれた部分)を拡大した結果を図5.10に示す。図5.10より角度変化については、修正 前から直角に近いため見受けられないが、より点に沿ったラインが抽出されていることか ら、修正アルゴリズムの効果が確認できる。

図5.10 ライン修正適用前後

以上の地図生成結果により限定・修正アルゴリズムの効果が確認できる。ただ、これら

のEKF-SLAMの結果は、ある一回の計測点情報を用いた際に得られる違いであるため毎回、

今回のような違いが得られるわけではない。今後は、あらゆる環境で実験を繰り返し、そ の提案手法の有効性を確認する必要があると考える。

:抽出ライン

:修正したライン

第6章 結 言

第6章

結 言

本研究は SLAM の性能を十分に発揮するための付加的なライン処理手法を提案した。

SLAM とは自律移動ロボットの自己位置推定と環境地図生成の同時処理問題を解決する手 法である。今回、対象としたライン特徴を用いるSLAMにおいては、従来のライン生成は 如何にラインを正確に抽出するかは議論されていたが、ラインそのものがSLAMシステム に必要かどうかを事前に考慮するものは無かった。本研究は、ライン特徴の信頼性を品質 の式として定量的に評価することによって、LRF の計測誤差による信頼性の低いラインを 削除して限定・修正を行うことを提案した。この提案手法をEKF-SLAMに適用することで、

SLAM の推定結果の精度向上を目的としていた。ゆえに、提案手法を適用したオフライン 実機実験では、明らかな間違ったライン特徴地図を削除し限定・修正することで、自己位 置推定の失敗を回避できていることを確認した。

今後の課題としては、閾値など各パラメータの決め方を確立する必要がある。例えば、

限定アルゴリズムの閾値などは、その決定方法は明記できていないため、あらゆる環境で の実験によって、明確化する必要があると考える。さらに大域的地図生成の実現が挙げら れる。自律移動ロボットとしてSLAMとの同時タスク(運搬など)を考えた場合、今まで 通った通路の全ての大域的地図を保持していることが望ましい。ゆえに、現在の局所的地 図から大域的地図を形成させることが今後の課題となる。

参考文献

[1] Sebastian Thrun, Wolfram Burgard, Dieter Fox著 上田隆一訳:「確率ロボティクス」

毎日コミュニケーションズ(2007)

[2] Bailey,T.; Nieto,J.; Guivant,J.; Stevens,M.; Nebot,E.;“Consistency of the EKF-SLAM Algorithm” Intelligent Robots and Systems, 2006 IEEE/RSJ International Conference p3562-3568(2006)

[3] 森本 祐介、滑川 徹:「拡張カルマンフィルタを用いた移動ロボットの自己位置推定と 環境認識」日本機械学会運動と振動の制御シンポジウム講演論文集11巻p200-205(2009)

[4] 桑原 絢一、矢入 健久:「事前知識を制約条件として利用したSLAM手法の比較研究」

人工知能学会全国大会論文集24巻No.2E4-2

[5] Garulli,A.; Giannitrapani,A.; Rossi, A.; Vicino, A.; “Mobile robot SLAM for line-based environment representation” Decision and Control, 2005 and 2005 European Control Conference. CDC-ECC’05. 44th IEE Conference pp2041-2046(2005)

[6] Viet,N.; Stefan,G.; Agostino,M.; Nicola,T.; Roland,S.; ”A comparison of line extraction algorithms using 2D range data for indoor mobile robotics” Auton Robot

23:97-111(2007)

[7] Guillem Gari Zanon “SLAM for indoor mobile robot” 平成19年度 三重大学論文

[8] G.A.Borgers.; J.Aldon.; “Line Extraction in 2D Range Images for Mobile Robotics”

Journal of Intelligent and Robotic Systems 40:267-297(2004)

[9] Ricaed O.Duda.; Peter E. Hart.; David G. Stork.; “Pattern Classification, second edition”, New York: John Wiley and Sons(2003)

[10] 薩摩 順吉:「確率・統計」 岩波書店(2006)

謝 辞

本研究の遂行および本論文の作成にあたり、熱心なご指導とご意見を賜りました三重大 学教授 平井淳之先生、同大学准教授 駒田諭先生、同大学准教授 弓場井一裕先生に深 く感謝致します。ならびに研究の技術的な支援として大変お世話になりました同大学技術 職員 中村勝氏に深く感謝致します。

研究活動を切磋琢磨した電機システム研究室の皆様には深く感謝しています。研究活動 としては、3年の間に自律移動ロボットグループの中村亮太氏、木下弘輔氏、小池堂夫君、

鈴木勇介君、大原一真君、近藤啓介君、朴木豊君、寺田光博君には非常にお世話になりま した。また、共に研究活動をした期間は非常に短いですが、何も分からなかった私に研究 について基礎から親身にご指導して頂いたGuillem氏には、深く感謝しております。

ならびに共に大学院を卒業する臼井伸充君、奥村文博君、杉野貴基君、鈴木克哉君、藤 井宏樹君、水谷彰孝君には、学生生活を有意義なものにしてくれたことを深く感謝してい ます。

最後に、不自由なく学生生活を送らせてくれた家族に感謝します。

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