第 4 章 光透過式レプリカによるスクエアエンドミル加工面の表面粗さの測定
4.2 実験方法
しながら,任意の送り量で送られ切削している.送り量の違いが分かるように同図(a)の枠 線 A で囲まれた部分を拡大した写真が同図(b)である.この図において,送り量は右側端
の 0.40mm/rev から順次大きくなり,左端が 6.40mm/rev で切削した後の 5 段階の切削痕が
観察 される.2mm は送り量の違いの境界が分かるようにした間隔である.この図から形 成された切削痕の見た目の凹凸の高低差やピッチの大小は送り量の数値と感覚的に相関が 認められる.また,刃物の中央部より外径側に近くなると凹凸部の稜線の交差角度が大き くなっていることも分かる.
項 目 内 容 項 目 内 容
型 番 SUS-EDS20 使用の経過時間 h 約120時間
刃 径 D 20mm 刃 長 ℓ 38mm
加工物素材 一般鋼/ステンレス鋼/鋳鉄/アルミニウム/銅 刃形状の種類 スクエア
刃 数 2枚 工具の材質 コバルトハイス
加工用途 平面/側面/溝/傾斜切り込み シャンク径 d 20mm
コーティング なし 全 長 L 110mm
ネジレ角 θ 標準ネジレ,30~40deg シャンク形状 ストレート 表4.1 加工に用いたスクエアエンドミルの仕様2 2 )
図4.1 加工に用いた
スクエアエンドミルの外観
図 4.2 NC立型フライス盤の一例2 3)
株式会社山崎技研社製 YZ-400NCR
材料記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo Cu N その他 SUS304 0.08
以下
1.00 以下
2.00 以下
0.045 以下
0.030 以下
8.00
~ 10.50
18.00
~
20.00 - - - -
材料記号
耐力 N/mm2
引張強さ N/mm2
伸び
%
硬さ
HBW HRBSまた
は HRBW HV
SUS304 205以上 520以上 40以上 187以下 90以下 200以下
項 目 内 容 項 目 内 容
刃物外径 20mm
送り量 0.40mm/rev, 0.80mm/rev, 1.60mm/rev, 3.20mm/rev, 6.40mm/rev
切り込み深さ 0.5mm一定
主軸回転速度 280rev/min 素 材 SUS304
使用の経過時間 約120時間 素材寸法 t9×W150×D150mm 表4.2 SUS304の化学成分7 )(単位:%)
表4.3 SUS304の機械的特性2 4 )
表4.4 スクエアエンドミルによる SUS304の切削加工条件
(b) A部拡大図 (a) SUS304の加工物
図4.3 スクエアエンドミルによる加工物
4.2.2 スクエアエンドミル加工面とレプリカ
図 4.4 に示す加工物の加工面のレプリカは,その素材には表 2.1 に示す透明液状シリコ
ーンゴム2 5 )を用い,その製作方法は図2.7と同様にレプルカの厚さが5mm程度になるよ
うに型に流し込み,約 12時間経過した後に型から固形化した透明液状シリコーンゴムを取 り外す.このとき,透明液状シリコーンゴム中の気泡や塵等がなく反映面反対の表面起伏 のムラがないことを確認する.レプリカで転写した加工面側が反映面となり,その反対側 は背面側であり,入射光はこの背面側に照射される.図 4.3(a)の加工面を転写したレプリ カの反映面の写真が図 4.4(a)であり,図 4.3(a)で観察された表面性状が転写されている.
さらに,送り量 0.80mm/revを 5倍に拡大した同図(b)からは,図4.3(b)で述べたような凹 凸や稜線の交差している状況が転写されている.この被測定物を使って,スクリーン上の 透過像から粗さRrを推定し,これを接触式表面粗さ測定機2 6 )の粗さと比較する.