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2.5 実験
パソコンを用いて円の検出実験を行った。
2.5.1 勾配を用いた方法との比較
勾配によって求めた円の法線を用いる方法と、 本方法によるものとで円の検出の 比較実験を行った。 簡単のため、 入力画像としては、 図2.7(a.)に示す12ö x 128画 素で構成される2値画像で、 画像中に一つの円盤がある場合を与えた。 ここで円盤 は、 中心座標(60、60)、 半径33の円を輪郭としている。 まず、 この画像をエッジ強 調し、エッジ点を抽出して円盤の円周を入力データ点とした〈図2.7(b))。 ただし、
勾配を用いる方法については、 このエッジ点の他に図2.7(a.)の画像自身の濃度値も 用いる。
勾配を用いた場合のアキュムレータ配列を図2.7(c)に示す。 ここで、 黒いほど配 列要素の値が大きいことを表している。 中心座標に対応する配列要素の値より、 そ の近傍の値が少し大きいことがわかる。 検出する円が一つなので、 最大値を持つ配 列要素を求めた。 その結果、12個の配列要素が検出された。 しかし、 それらの中に は真の中心座標(60,60)に対応する配列要素は含まれていなかった。 例えば、:3 x 3
のSobelフィルタを用いると、 エッジ点の勾配の向き〈傾き〉は12通りに限定され る。 すなわち、 法線の向きが粗に量子化されるので、 多くの法線が、 中心座標では なくその近傍を通る。 ここでは、 方向に関するこのような粗な量子化を軽減するた めにS x .5のフィルタを用いたが、 同様な誤差によって誤った結果を導いたと考え られる。
多値画像に対して適用すれば、 このような標本化、 量子化誤差による影響は軽減 されよう。 しかし、 一方で、 エッジ点(データ点〉近傍にわずかでも雑音があれば、
勾配はその雑音に敏感に反応してしまう[25J。 雑音や様々な図形が含まれている画 像中から、 円を検出する方法としては、 大きな問題である。
方、 本方法を用いた場合には、 図2.7(d)に示すように(60,60)の座標に対応す る配列要素の値が、特に大きくなっており、真の値が正確に検出されている。 なお、
組み合わせる2点間の距離の最小値をd1 = 10、 最大値をの=20 とした。
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(a)入力画像
(c)勾配を用いたときの アキュムレータ配列
(b)エッジ点の座標データ
(d)提案している方法による アキュムレータ配列 図2.7:勾配を用いた方法と本方法との比較
2.5.2
複数の円の検出
雑音が含まれている画像中から、 複数の円を検出する実験を行った。 入力データ は、 図2.8(a)に示す250個の点からなる。 d1 = 15ちのこ:30ぅR = :30として構成され たアキュムレータ配列を図2.8(b)に示す。 三つの大きなピークができていることが わかる。 この配列に対して、 局所最大検出処理を行って中心座標を検出した。 その 際、窓の大きさを7x7、しきい値をアキュムレータ配列の最大値の40�óとした。 更 に、検出された三つの中心座標それぞれについて半径の検出を行った結果を図2.8(c) に示す。 予想された三つの円が検出されていることがわかる。
2.6 むすび
2佃のデータ点を結んでできる線分の垂直2等分線を用いることによって、 円を 検出する方法を提案し、 その有効性を示した。 入力データ点の2点の組み合わせの 総数は、 データ数の2乗にほぼ比例するので、 計算時間も膨大な ものになる。 しか しながら、 組み合わせる2点聞の距離をある範囲内に制限することによって、 組み 合わせの数を大幅に削減することができる。 また、 検出しようとする円の大きさに 応じて、加算する配列の範囲も制限することによって、更に処理時間を縮小で-きる。
これらの制限は、 検出の対象とする円が画像中ではっきりしているほど、 また、 大 きさが予め大まかにでも解っていれば、 強く効かせることができる。
本方法による検出処理には、勾配を用いた場合より大きな時間を要する。 しか し、
この方法は、 勾配を用いた場合に生じるような雑音や標本化、量子化誤差による誤:
検出が生じにくく、 更に線画像か らの検出も可能であるという特長を有している。