第 5 章 追実験
5.3 実験の設計
基本的には4章の観点1同様に実施した.但し,使用した表現は再設計した2表現のみで あり,実施順は以下の通り行った.
1. Radius→Line Chart (5名) 2. Line Chart→Radius (4名)
実際の実験画面を図5.3及び図5.4に示す.
図5.3:扇形の半径の長さに頻度を割り当てる表現(改良版)の実験画面例
5.4 実験結果
他の3表現と同時に実験を実施しなかったため厳密に比較することはできないが,4章の観 点1の実験と同様に,回答対象数,正答数,平均回答時間,NFE数,FE数,再現率,精度,
再現率と精度の平均を表5.1に示す.
また,各表現について回答時間,NFEの真値,FEの真値のヒストグラムを図5.5〜図5.10 に示す.
図5.4:折れ線表現(改良版)の実験画面例
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
頻度 [個]
回答時間 [ms]
図5.5:頻度を半径の長さに割り当てる表現(改良版)の回答時間のヒストグラム
0 5 10 15 20 25 30 35 40
頻度 [個]
NFEの真値
図5.6:頻度を半径の長さに割り当てる表現(改良版)のNFEの真値のヒストグラム
0 1 2 3 4
頻度 [個]
FEの真値
図5.7:頻度を半径の長さに割り当てる表現(改良版)のFEの真値のヒストグラム
0 1 2 3 4 5 6 7 8
頻度 [個]
回答時間 [ms]
図5.8:折れ線表現(改良版)の回答時間のヒストグラム
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
頻度 [個]
NFEの真値
図5.9:折れ線表現(改良版)のNFEの真値のヒストグラム
表5.1:追実験結果
Radius’ Line Chart’
回答対象数[個] 201 55 正答数[個] 93 31 平均回答時間[ms] 7199 14956 回答時間の分散 17984321.3 149653245.7
NFE数[個] 108 24
FE数[個] 12 248
再現率 0.463 0.564
精度 0.886 0.111
再現率と精度の平均 0.674 0.337
5.4.1 考察
実験結果(表5.1)より,参考までに4章の観点1の実験結果(表4.1)と比較を行う.
まず,平均回答時間について,Radius’(頻度の表現に半径の長さを用いる表現の改良版)の 方が改良前のRadiusよりも約3秒早くなった.Line Chart’(折れ線表現の改良版)においても,
約1秒の向上が見られた.
次に,再現率について,Radius’では約6%の向上が見られた.Line Chart’についてはほと んど変化が見られなかった.
精度については,Radius’では約20%の向上が見られた.Line Chart’についてはほとんど変 化が見られなかった.
再現率と精度の平均は,Radius’では約13%の向上が見られた.Line Chart’についてはほと んど変化が見られなかった.
また,NFE及びFEの真値のヒストグラムを確認すると,特にRadius’のFEの真値のヒス トグラム(図5.7)において,FEの真値が0.00近傍の頻度が大幅に減少したという変化が見ら
れた.Line Chart’のFEの真値のヒストグラム(図5.10)においても頻度分布の変化は見られ
たが,依然として0.25近傍の頻度は低く,改良により期待されたものではなかったといえる.
以上の変化を踏まえると,頻度の表現に半径の長さを用いる表現の改良には成功した可能 性が高い.他の3表現と同時に実験を実施し,追実験と同等の結果が得られていたならば,回 答時間に関しては最も早かったカレンダー表現とほぼ並び,精度に関しては全表現の中で最 も高いと評価することができた可能性がある.
一方で折れ線表現の改良版については改良に失敗した可能性が高い.もしくはこれ以上の 改良には,例えば周期単位で折れ線を重ねるなど根本的な形状の変更などが必要である可能 性があると考える.
0 10 20 30 40 50 60
頻度 [個]
FEの真値
図5.10:折れ線表現(改良版)のFEの真値のヒストグラム