2009 年
4. 実質 GDP と名目 GDP
これまでの説明で、GDPは一国内で生産された財・サービスへの 総支出を測定することで計算できることを学んだ
ここで、仮にある年の総支出が増加したとしよう。考えられる要 因は以下の
2
つである(1)
財・サービスの生産量の増加(2)
財・サービスの販売価格の増加(1)
財・サービスの生産量の増加⇒
純粋に一国内で消費される財・サービスが増加しているの で、経済は豊かになったと考えられる(2)
財・サービスの販売価格の増加⇒
生産量がそのままで価格だけが上昇した場合もGDPは高 くなる。しかし、この場合純粋に経済の豊かさは良くなった と考えてもいいものか?(1)
純粋な生産増加の要因と(2)
価格上昇の要因を分解するた めに、経済学では「実質GDP」という尺度を用いる
⇐
これまでの節で見てきた当該年の価格水準で評価したGD Pのことを、実質GDP
と区別して「名目GDP」と呼ぶ
具体例
(表 8-2 pp. 276)
ある経済は、ホットドッグとハンバーガーのみの
2
財を生産 しているとする.
名目GDP .
.
. . . .
.
.
=
「当該年の価格×
当該年の生産量」をすべての財・サービスに ついて足し合わせたもの具体例
(表 8-2 pp.276)
実質
GDP .
.
. . . .
.
.
=
「基準年の価格×
当該年の生産量」をすべての財・サービスに ついて足し合わせたもの具体例
(表 8-2 pp.276)
基準年:2010年.
要約(名目 GDP
と実質GDP
の違い).
.
. . . .
.
.
今年の名目
GDP
は、今年の財・サービスの生産を評価するの に、今年の価格を用いる今年の実質
GDP
は、今年の財・サービスの生産を評価するの に、基準年の価格を用いる図
8-2’
日本の実質GDP
の推移(pp. 281)
(参考)
実質GDP
の推移(日本)
(参考)
労働力1
人あたりの実質GDP
の推移(日本)
基準年の物価水準に対して今期の物価水準を計測するものとして
「GDPデフレーター」という指標がある
. GDP
デフレーター. .
. . . .
.
.
=
名目GDP
実質GDP × 100
基準年のGDP
デフレーターは100
GDP
デフレーター具体例
(表 8-2 pp.276)
基準年:2010年ある期間から次の期間にかけての物価水準の変化を測るものとし て「インフレ率」という指標がある
. GDP
デフレーターを用いたインフレ率.
.
. . . .
.
.
T
年のインフレ率= ( T
年のGDP
デフレーター) − ( T − 1
年のGDP
デフレーター)
( T − 1
年のGDP
デフレーター) × 100
具体例
(表 8-2 pp.276)
の場合の各年(2011
年、2012年)のGDP
デフレーターを用いたインフレ率を求めよう2011
年のインフレ率= (171 − 100)
100 × 100 = 71%
2012
年のインフレ率= (240 − 171)
171 × = 40.9%
インフレ率が正の値である状態が続くとき、「インフレーショ ン」が起こっているという
インフレ率が正で極めて高い値となる場合、「ハイパーインフ レーション」が起こっているという
インフレ率が負の値である状態が続くとき、「デフレーショ ン」が起こっているという
第一次大戦終結後のドイツでは、月率
1000%
を超えるハイパーイ ンフレーションが発生2000
年代にジンバブエでは、年率2
億%(?)
を超えるハイパーイン フレーションが発生ジンバブエドルを流通停止にし、USドルおよび南アフリカドル等の外国通貨を 用いた決済に移行し沈静化
各自教科書
pp. 281-285
を読んでおくように
ドキュメント内
経済学基礎論a Kizuku Takao chapter8
(ページ 32-54)