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実時間せん断波映像法を適用した痙縮腕の評価

ドキュメント内 C-SWE法による痙縮腕の定量評価 (ページ 44-51)

本実験は自治医科大学の倫理委員会の承認のもと行われた.

痙縮患者の上腕二頭筋の測定を行い,痙縮側と非痙縮側で有意差が得られるか実験した.

7-1 測定概要 [実験条件]

超音波映像装置 GE LOGIQ7 加振周波数 73.8Hz

測定部位 上腕二頭筋

検者 3人 被検者 1人

[実験方法]

1. 患者はベッドに仰臥位になり,腕を伸ばした.(Fig7-1) 2.左腕の測定箇所を決定後,加振器をテーピングテープで固定 3.20データ測定する.

4.3人の検者で同様に測定を行う.

5.右腕でも1~3の手順で測定を行う.

患者左腕で痙縮の症状が見られた.以下では,痙縮腕を「患側」,非痙縮腕を「健側」と表 記する.

Fig7-1 ダンベルシュラッグの概要

44 7-2 測定例

本実験で得られた上腕二頭筋の測定データの例をFig7-2に示す。

Fig7-2 健側と患側の伝播図での比較

健側はせん断波が水平に伝播していることに対して,患側ではせん断波が歪み,波面が複雑 である.このことから,患側は,筋の萎縮を起こしているが,筋肉が硬くなった部分と柔ら かいままの部分が複雑に分布していると考えられる.

従来は,ROI 内の平均伝播速度を弾性の指標としていたが,一様に伝播していない痙縮腕 を評価することに不適であると考える.次項では,複雑に伝播したせん断波を評価する方法 を提案する.

7-3 新評価方法の提案

患側は健側と比較して伝播図の波面傾きから定義される伝播方向のバラつきが大きかった 一方で,波面の間隔から求められる伝播速度の最大値は患側の方が大きかった.このことか ら,観測された画像の特徴の違いを明確に数値で表すために次の2点の手法を導入した.

1. 各ピクセルの伝播速度の最大値𝑉𝑚𝑎𝑥で評価(7-3-1) 2. せん断波の伝播方向のバラつき𝜃𝑠𝑑で評価(7-3-2)

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7-3-1 外れ値除去を行ったROI内の最大値𝑉𝑚𝑎𝑥で評価

せん断波の伝播速度の最大値で評価をした場合,せん断波の波面に歪みがあるデータでは 最大値が特異的に高くなることがあった.そこで,四分位数を用いた外れ値除去を行ったあ と伝播速度の最大値を𝑉𝑚𝑎𝑥として評価を行った.四分位数を用いた外れ値除去の方法を Fig7-3-1-1に示す。

1. 全ピクセルの伝播速度を数値の昇順に並べ替える.

2. 全データのうち25%の位置にある数値を第一四分位数(𝑉𝑄1),75%の位置にある数値を 第三四分位数(𝑉𝑄3)からIQRを計算する.

3. 最大値の外れ値𝑉𝑜を求める.𝑉𝑜より大きい値は異常値とみなして除外し,除外後の最大 値を𝑉𝑚𝑎𝑥とする.

Fig7-3-1-1 四分位数を用いた外れ値除去の方法

検者3人で患側と健側それぞれにおいて𝑉𝑚𝑎𝑥を5回の計測データで評価した結果を Fig7-3-1-2に示す.

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Fig7-3-1-2 𝑉𝑚𝑎𝑥を用いた健側・患側の有意差評価

2検者で患側・健側間の有意差が認められた.検者 C については,測定データのバラつ きが大きいため有意差が認められなかった.

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7-3-2 せん断波の伝播方向のバラつき𝜃𝑠𝑑の評価

痙縮患者の患側は,せん断波が一様に伝播しなかったため,ROI 内のせん断波の伝播方向 の指標である,せん断波の角度の標準偏差𝜃𝑠𝑑を用いて評価を行った.𝜃𝑠𝑑の一例を Fig7-3-2-1に示す.

せん断波がx軸方向に水平に伝播する状態を0[deg]とする.

Fig7-3-2-1 𝜃𝑠𝑑の例

検者3人で患側と健側それぞれにおいてROI内の角度の標準偏差𝜃𝑠𝑑を5回の計測デー タで評価した結果をFig7-3-2-2に示す.

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Fig7-3-2-2 𝜃𝑠𝑑を用いた健側・患側の有意差評価

全ての検者で健側・患側間で有意差が認められた.

健側の𝜃𝑠𝑑が検者間での差が大きいことについて考察をする.

Fig.7-3-2-3に検者ごとのCFIと伝播図を示す.(a:検者A,b:検者B,c:検者C)

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Fig.7-3-2-3に検者ごとのCFIと伝播図

検者A ではプローブと体表の間のゲル層に気泡があり,B モード画像が不明瞭である.ま

た,検者 A,B,C を比較すると,筋肉の厚さが異なることから,検者間でプローブ配置,角

度の再現性に問題があったと考えられる.

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ドキュメント内 C-SWE法による痙縮腕の定量評価 (ページ 44-51)

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