• 検索結果がありません。

宗派によってホームページが違う?

ドキュメント内 総研叢書 第03集 寺院のインターネット利用 (ページ 60-64)

けの内容だといえます。

このように検討すると、現在のところ寺院のホ

ームペー

ジは「ここに当山がある」という、寺院の個としての存在 主張が多くのホームページに共通しであり、 インターネッ

ト上のみで情報の受け手との関係が完結してしまう、布教 などの機能を果たす情報発信を行っているホームページは 比較的少ないという結果がみえてきます。寺院のホ

ームペ

ージは全体として、インタ

ーネットの広域性とし寸特徴を

意識しつつ、インタ

ーネット上でのコミュニケ ーションか

らすすめて、お寺と世間との直接の交流を構築し、密にし ようという意図を、傾向として多くの寺院が持っていると 感じられるように思うのです。

一番特徴的なのは真宗系のホ

ームペー

ジで、他の宗派で 大変多かった内容の「寺院紹介」や「行事案内」、「事業広告」

が比較的少なく、逆にほかで、は少なかった「教義解説」や、

特に「法話」の割合が高くなっていますし、また禅宗系で はどの項目も

2

割以上の割合があって内容類型のなかに特 に少ないものがないなどというように、宗派グループ別に 特徴的で興味深い結果が出てきます。これが宗派全体に流 れる宗風との関係があるかどうかは定かで、はありません が、ホームページを宗派ごとに比較して現れた特徴という のは、その宗派別の傾向が数値として現れてきたという点 でおもしろいものです。 今回の調査では宗派の特徴と寺院

浄土宗総体 浄土宗自主作

全寺院 HP 平

成のみ

寺院概要

93

.

8

84 . 4 %  81

.

%  行事案内 14

.4%  40

.

3

35

.

9% 

広報

2

.

1

5

.

8%  8 .4% 

教義解説

2

.

5%  6

.

5%  13

.

%  法話

5

.

7

1 5 . 6

15

.

8% 

活動報告 4.1% 

1 1

.

7

14

.

7

%  事業広告

1 0 . 1

27

.

3

%  21.

0

エッ セイ 3

.

9%  1 1 . 0

14

.

1

レスポンス 4.3%  12.3%  15 .4% 

全体数

437  194  1556 

全寺院に対する比率

6

.

31%  2

.

80%  2

.

14

浄 土 宗 寺 院HPの特色

自主作成分だけを取り出して分析すると全寺院H P平均の値に近づいていく。

寺院ホームページ利用の現状一 一 ‑51 

ホームページの関係性まで踏み込んでいきませんでしたの で、その点は明確で、はありません。しかし僧侶の寺院に対 する意識の特性、教団のなかの寺院の位置付けなど、どの ような要因がこのような結果と密接な関係をもつのか、考 察してみると何か見えてくるものがあるかもしれません。

ではわが浄土宗ではどのような特徴がみてとれるのでし ょうか。ここまで読んで、こられて、おやとお思いになって いる方もいらっしゃるとは思いますが、いままでお示しし ていた調査結果で、浄土宗は他の宗派とはかなり異なった 数値を示しています。これは忘れていたのではなくて、こ こでまとめてお話をしようと考えていましたので、あえて このことに関して触れずにきました。ホームページの数に ついてのはなしについて思い出してください。寺院ホーム ページの開設は全寺院のうち

2 %

でしたね。宗派グがループ 別に見ると、他のグループがのきなみ平均値に近い、総寺 院数の

1"'3%

という割合に対して、倍以上の

6%

台の割 合です。不思議だと思われませんか。これには一つ大きな 要因があるのです。

浄土宗に寺院ホームページが多い理由、それは宗や教区 で率先してホームページを個々の寺院のために作成してき たということにあります。みなさんは浄土宗のホームペー ジにアクセスしたことがありますか。浄土宗の運営してい るホームページでは、宗として寺院のホームページの作成 を支援するサービスを行う旨が記されています。そこを覗

52 

いてみることにしましょう。まず浄土宗のホームページに 飛びます。それから画面の左側に「浄土宗寺院紹介」とあ るのがわかるでしょうか。そこをクリックすると違うペー ジが出てきます。ここは主に浄土宗の寺院のリンク集なの ですが、画面の上のほうに「あなたも寺院紹介ページに寺 院を紹介しませんか

?J

とあってリンクが張ってあります。

ここにすすむと寺院のホームページの作成依頼ができるよ うになっているのです(平成

16

l

月現在の状況)。

このようにして宗により作成されたページが

90

以上あ ります。またこの他にも教区が先導するものとして、岩手 教区、東京教区の芝組、千葉教区、和歌山教区などで教 区のホームページからのリンクという形で寺院のホームペ

ージを作成しており、それらが 130近く存在しています。

浄土宗の寺院ホームページの総数は437件でしたので、

半分以上がこのような作成方法で作られているということ になります。これらのページが浄土宗の寺院ホームページ を他宗より多くしている原因なのです。

この特徴はホームページの中身にも反映しています。浄 土宗の寺院ホ

ーム

ページがもっ内容類型で最も多いのが

「寺院概要」です。このことは他の宗派グループと変わら ないのですが、特徴的なのはその割合が

9

割を超え、その 次に多い「行事案内」が 14%と大きく水をあけられてい ることです。これは宗や教区が作成しているホームページ の多くが寺院概要を中心にした内容構成を持っていること

寺院ホームページ利用の現状一‑ 53 

に原因があります。組織的に作成された寺院ホームページ はどうしても画ーの内容になり、それぞれの独自性を出す 所まで作りこむことが難しいのです。これを裏付けるよう

に、寺院自身が自主制作したホームページだけに絞って集 計しなおすと、「寺院概要」が

84%

にまで落ち、「行事案内」

40%

まで、上がって 他宗のグループの内容構成に近づ いてきます。

このように浄土宗では宗や教区が率先して寺院とインタ ーネットとのつながりを組織的に取り持たせようという意 識をもち、ホームページ、作成の支援の運動を積極的に行っ ているのです。このような活動は他の宗派にはこれほど多 くは見られないことです。浄土宗のホ

ームペ ージの特徴は、

ホームページ個々の内容の傾向というよりも、宗や教区な どが組織的に作成してホ

ームペ ージを普及させていくとい

う手法を多く取っている点が独自性であると見たほうがよ いのかもしれません。

ドキュメント内 総研叢書 第03集 寺院のインターネット利用 (ページ 60-64)