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【障害者基本計画を踏まえた基本的考え方】

保健・医療 の推進

精神障がい者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをする ことができるよう、精神障がい者への医療の提供・支援を可能な限り 地域において行うとともに、入院中の精神障がい者の早期退院及び地 域移行を推進し、いわゆる社会的入院の解消を進めます。また、精神 障がい者の地域への円滑な移行・定着が進むよう、退院後の支援に関 する取組を検討します。

障がい者が身近な地域で必要な医療やリハビリテーションを受けら れるよう、地域医療体制等の充実を図ります。

【現状と課題】

妊婦健診や妊婦訪問により、妊娠期からの健康支援に努めています。

妊婦自身の精神的問題や経済的な問題を抱える家庭など困難事例も増えており、

保健・福祉・医療等関係機関と連携を強化し、支援を充実していく必要がありま す。

乳幼児期においては、相談事業や健診を充実し発達に支援が必要な乳幼児の早 期発見・支援の強化に努めています。新たに5歳児健診を開始したことで就学を 見据えた支援にも力を入れています。

早期療育支援が必要な児童については、町が実施する「乳幼児健診事後指導教 室」、秩父圏域2町(横瀬町、小鹿野町)で実施する「はぐくみ相談」、秩父障がい 者総合支援センター「フレンドリー(清心会)」実施の「埼玉県障害児等療育支援 事業」及び秩父市にある「星の子教室(児童発達支援)」との連携を図り支援を行っ ています。

乳 幼 児期 の支 援 の課 題と して は 、発 達障 がい 等 の配 慮を 要 する 児童 の早 期 発 見・早期療育の仕組みを充実させ、子どもの成長に合わせて情報を引き継ぎ、一 貫した福祉や医療、教育との連携体制の構築が求められています。

成人期においては、脳血管疾患や糖尿病等の生活習慣病の早期発見を目的に特 定健康診査を実施しています。また、結果説明会や特定保健指導により生活習慣 病の発症予防に努めています。秩父郡市医師会と連携し、糖尿病性腎症化予防に

特定健診の受診率向上、特定保健指導実施率向上など課題があります。

また、若年性認知症や高次脳機能障がいなどが疑われる人については、早期発 見・早期診断及び治療につながるよう相談窓口を周知するとともに、精神障害者 保健福祉手帳制度等の普及・啓発に努めていく必要があります。

精神保健事業として、「こころの健康相談」や「ソーシャルクラブ(精神障害者 社会復帰支援事業)」を実施し、本人・家族の支援を行っています。

精神疾患に関する正しい知識の普及、福祉と連携した個別支援の充実が課題で す。

障がいのある人の歯の健康づくりに関しては、秩父郡市歯科医師会の障害者歯 科相談医が歯科保健相談や口腔衛生指導管理、訪問診療などを行い、より身近な 地域で歯科治療が受けられるよう取り組んでいます。事業の周知に努めていく必 要があります。

本計画の策定にあたって平成29年度実施のアンケート調査(障がい者調査)

では、80.1%が通院していると回答していましたが、今後は、障がいのある人の 高齢化や施設から在宅生活への移行の方向性を踏まえ、医療的ケアへの対応、在 宅での療養支援についての環境整備を進めていくことが課題となっています。

難病患者に対しては、安定した療養生活の確保と難病患者及びその家族の生活 の質の向上を図ることが求められており、国の難病対策の動向についても注視し ていく必要があります。

精神障がい者に対しては、精神に障がいを抱えていても、安心して自分らしく 暮らすことができる地域づくりを推進するため、精神障がいに対応した地域包括 ケアシステムの構築に取り組む必要があります。

【事業内容】

1 保健体制の充実

(1)妊婦健康増進事業の充実

医療機関に委託して妊婦健康診査を実施し、妊娠中の異常の早期発見と予防、

妊婦の健康管理、低出生体重児の予防等に努めます。また、妊婦に対し妊婦訪 問を実施し、妊娠期から切れ目のない支援の充実を図っています。

今後も、秩父地域外の医療機関とも連携し、継続して実施します。

(2)乳幼児健康診査・相談の充実

定期的に健診を実施し、乳幼児の疾病や発育・発達の遅れの早期発見・早期 支援につながっています。発達課題がある児童の保護者には、気づきを促し、

相談先の紹介や必要に応じ医療機関につなげています。

健康診査未受診者には受診勧奨を行い、それでも受診しない方へは、個別に 対応しております。

① 乳幼児健康診査

3~4か月児健康診査、9~10 か月児健康診査、1歳6か月児健康診査、

3歳児、5歳児(平成 28 年度より)健康診査の実施により、発育・発達等 の乳幼児の健康状態の確認や発達等の課題の早期発見に努めます。

療育の受け皿が少なく、健診等で発達の課題がある児童が見つかっても支 援につながりにくい状況もみられます。

② 乳幼児健康相談

身体測定を行い、保健師が発達や育児に関する相談に応じるとともに、離 乳食の試食や栄養士による栄養相談の充実を図ります。育児等に関する悩み が多く、平成 28 年度より相談員を増員しました。

今後も継続して、相談体制の維持を図ります。

③ ことば・運動発達の相談

言葉が出ない、発音がはっきりしない、集団行動が苦手、歩き方が気にな るなどの成長発達で心配のある乳幼児の保護者の相談に応じます。

利用者が年々増加しており、事業拡大の必要がありますが、専門職の確保 が困難です。また、秩父地域における療育の相談の場や専門体制が十分では なく、つなげられる専門機関が少ない状況となっています。

④ 子育て相談

児童館や子育て支援センターでの相談窓口対応のほか、平成 28 年度より 子育て世代包括支援センターを立ち上げ、専門職を配置し、日頃から子育て の悩み等に対応しています。

今後、専門職を確保し、充実した支援が可能な体制づくり、事業の見直し を図ります。

(3)健診後フォロー体制の充実

乳幼児健診事後指導教室、言語聴覚士による言葉の相談、理学療法士による 運動の相談(はぐくみ相談)を実施しています。

(4)早期療育支援の充実

平成28年度、就学支援委員会に係る就学支援準備会に保健師も参加し、就学 に向けて教育との連携を図っています。また、巡回相談等により地域の関係者 との連携も行い、子どもの発達・成長段階に応じて切れ目のない支援を実施し ています。

平成28年度には、町内の保育所等を巡回し、保育士等に発達が気になる児童 やその保護者への支援手法についての助言指導を行う巡回相談を行いました。

今後も、教育と医療、福祉、関係行政機関などが連携した支援体制の強化を 図るために、充実した支援が可能な体制づくりに努めます。

(5)健康教育・相談の推進

生活習慣病の発症を予防するため、ヘルシー講座やウォーキング教室等の健 康教育事業により、生活習慣改善の必要性や改善の手段について啓発に努める とともに、相談支援体制の充実も図っていきます。また、わくわくポイント事 業やコバトン健康マイレージ事業により、楽しむという要素を取り入れること で生活習慣改善への動機づけを強化していきます。

(6)心の健康づくりに向けた支援の充実

うつ病をはじめとした精神疾患について、講演会等により知識の普及・啓発 に努めます。また、精神疾患により不安を抱える本人・家族への支援として「こ ころの健康相談」や訪問等による個別支援の充実に努めます。

「ソーシャルクラブ」では、回復途上にある精神障がい者がグループ活動を 通して自立を図り、再発防止や重症化の予防に努めます。

(7)特定健康診査・保健指導等の充実

生活習慣病のリスクがある人を早期に発見し、治療につなげるため、特定健 康診査の受診率と、特定保健指導実施率の向上に努めます。秩父郡市歯科医師 会、国保担当課とも連携して対策に取り組んでいきます。

また、後期高齢者医療被保険者や生活保護受給者の健康診査・保健指導につ いても充実に努めます。

[ソーシャルクラブの活動]

(8)保健・福祉・医療の連携

若年性認知症や高次脳機能障がい等、障がいが疑われる人に対し、早期発見、

早期診断ができる体制の整備に努めるとともに、個々の障がいに応じた支援を 行うことで、障がいの軽減や重症化の予防、社会復帰につなげ、障がいを持つ 人たちがその人らしく地域で生活し続けられるよう、保健・福祉・医療との連 携を推進します。

2 医療体制の充実

(1)医療体制の整備

障がいのある人が身近な地域で必要な医療等を受けられるよう、地域医療体 制、在宅医療体制、医療救護体制の充実に努めます。

① 地域医療体制の整備促進

障がいのある人が気軽に受診できるよう、秩父郡市内1市4町が連携し、

秩父郡市医師会や関係機関の理解と協力を得ながら、地域の医療課題につい て検討・体制整備を促進します。

② 在宅医療体制の充実

医療機関による障がいのある人への訪問診療、訪問看護などの在宅医療ケ アの充実に向け、医療機関やサービス事業所等と連携の強化を図ります。

③ 医療救護体制の充実

災害時に特別な配慮が必要となる障がいのある人の医療救護について、関 係機関と対応の検討や情報共有に努めます。

④ 歯科保健医療の推進

障害者歯科相談医についての周知を図り、歯科保健相談や口腔衛生指導管 理、訪問診療など、より身近な地域で歯科治療が受けられるよう推進してい きます。

(2)医療費の助成

自立支援医療等の制度についての周知を図り、その円滑な利用を促進すると ともに、適正な給付に努めます。

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