• 検索結果がありません。

安全管理関連事項

ドキュメント内 スタジアム標準構成(案) (ページ 39-42)

スタジアムの計画は、投資規模によってその内容は大きく異なりま

すが、規模の大きさにかかわらず最も優先される事項は、観客、選

手、役員、関係者などの施設利用者の安全を確保することです。ス

タジアムの建設及び管理運営に携わる人々全員が、安全の問題を計

画の初期段階から完全に理解しておく必要があります。

備員の配置や警察等との協力等、運営する側の対応と施設側 の要件である以下の手段を単独もしくは複数を組み合わせて 用いることにより達成されます。

8.3.2 フェンスとスクリーン

乗り越えることのできない透明もしくは半透明のスクリー ンを、観客席最前列に設置する方法もあります。この方法の 利点は、取り外し式にすることにより、必要のない試合では、

スクリーンを取り外した状態にすることが可能なことです。

また、水滴等の付着により、観客の視界を妨げる可能性が ある点に留意し、事前に対応策を検討すべきです。

8.3.3 侵入防止柵

ピッチレベル上に柵等を設置し、抑止効果を高めると共に、

万が一、観客席からピッチレベルに侵入した者が、容易にピ ッチ内へ侵入できないようにすることもできます。勿論、試 合の妨げにならないよう配慮しなければなりません。

8.4 防災対策

8.4.1 構造上の安全性

スタジアム内の全ての設備について、その安全は国、該当 する自治体の定める建築基準を満たしていることが絶対条 件です。

特に地震多発地域に属するわが国においては、大規模な地 震を想定した上で建設計画を進めることが重要です。同時に、

地震発生時の避難動線を考慮した計画を立案する必要があ ります。

8.4.2 火災予防

スタジアム内の消化設備及び火災予防策は、所轄消防署の 規程に則ったものであり、火災予防基準(条例)に合致したも のでなければなりません。

消火設備等の危険設備は、観客を含む全ての関係者の動線 上もしくは付近に設置されないよう留意してください。また、

避難経路上には、避難の妨げとなるモノを置かないように、

識別できるようなマーキングなどの工夫も必要です。

8.4.3 避難経路

スタジアム内の観客の動線で、緊急避難時も考慮した安全

な動線を確保することが必要です。特に傾斜の急な階段の昇 り降りには十分な安全配慮が求められます。

また、緊急事態の発生により、パニック状態に陥ったこと を想定し、最小限の時間で、全観客を安全にスタジアムから 退避させるための方法を熟慮しておくことが重要です。この 場合は所轄警察を含む、地域の関係機関と協議の上、合意し ておくことが必要です。同時に折りに触れて、観客に緊急事 態発生時の対応について、伝達しておくことも必要になりま す。

入場口、退場口、階段、ドア、避難経路、屋根、全ての一 般エリアと専用エリア、各部屋などスタジアムの全エリアが、

警察、消防など関係当局が定める安全基準に準拠したもので なければなりません。

観客席とフィールドの間にフェンスやスクリーンを使用す る場合は、緊急事態が発生した際に、観客席エリアからフィ ールドへ観客が避難するのに十分な数の緊急避難口を設置し てください。その数、寸法、構造等については、地元の消防 署と協議してください。

観客席エリアの一般用通路や階段には、行き先が明確に分 かるサイン看板を表示してください。観客席エリアからフィ ールドへ通じる全てのゲート、スタジアムから外へ通じる全 ての退場口とゲートも同様です。また、一般用通路、廊下、

階段、ドア、ゲートなどには、観客の通行を妨げる恐れのあ る障害物を絶対に置かないでください。

スタジアムの退場口とゲート、観客席エリアからフィール ドへ通じるゲートは、全て観客から見て外側へ開くようにし、

スタジアムに観客がいる間は必ず開錠しておくようにしてく ださい。丌法入場及び試合日以外の侵入を防ぐために、ドア やゲートには、中から簡単にすぐ操作できる施錠装置を取り 付けることもできます。

また、各ドアとゲートには、いたずらを防止し、緊急事態 発生時に速やかに観客を避難経路に誘導するために、必ず専 任の担当者を常駐させてください。

8.5 緊急医療対策

スタジアムには、医師の助けの必要な観客に処置を講じる 医務室(一室、あるいは複数)を設置してください。室数、

規模、場所等については、地域の消防署と協議の上、決定し てください。また、スタジアムの各所、アクセスがしやすい

場所に自動体外式除細動器(AED)を設置してください。

なお、大規模災害への対処法については、地域の関係当局 とスタジアム管理者の間で協議してください。

医務室の要件は以下のとおりです。

―観客や救急車両がスタジアムの内外からアクセスしやすい 場所に設置すること。

―医務室に通じるドアと通路には、担架や車椅子が通れる十 分な広さを確保すること。

―明るい照明、良好な換気、暖房、空調、電源コンセント、

温水・冷水及び飲料水の供給、男女用トイレ等の設備を備 えること。

―薬品用のガラスキャビネットを備えること。

―担架、毛布、枕、救急用具等の収納スペースを設けること。

―内線通話と外線通話が可能な電話を設置すること。

―スタジアムの内外に、医務室の場所を示すわかりやすいサ イン看板を設置すること。

安全管理者は、観客エリアを監視するとともに、スタジア ム内に緊急車両がアクセスできるようにしてください。その 動線は観客の動線とは別の経路を設けるか、観客の経路を遮 断しないように、緊急車両を駐車できるスペースを確保して ください。

8.6 その他

試合のレベルに対応したセキュリティの警戒レベルを設定 し、観客がスタジアムの建物に入る前に、それぞれの警戒レ ベルに応じた手荷物等の検査を実施する仕組みを持つことが 必要です。

観客がスタジアム内に入場した後は、観客エリア間の移動 を制限することが必要です。そのためには、エリア間の移動 を阻む柵などの区画や移動をチェックする体制が重要です。

同様に、試合関係者、メディア関係者、VIPなどのエリ アも明確に区分し、人の移動を制限することが必要です。そ のためには、関係する諸室をまとめて配置し、動線を単純化 し、エリア間の明確な区画や移動をチェックしやすいように 設計の段階から検討することが必要です。

9.1 電源

停電が原因で、試合を中止または延期せざるを徔ない状況 は許されません。

比較的電力供給が安定的である我が国では想定しにくいで すが、海外や国際イベントなどの場合、一般系統電源に対す る慎重な評価とともに、バックアップ電源の使用とライドス ルー能力についても検討が求められる場合があります。バッ クアップ電源には、試合中の施設を維持できる十分な能力が 必要です。その場合、系統電源をそれぞれ常時電源とバック アップ電源として使用するか、マニュアルまたは自動のタイ スイッチで配電を切り替え、両系統を常時電源として使用す るやり方が考えられます。系統電源に異常が発生した場合、

バックアップとしてオンサイト電源がすぐに作動する必要が ありますが、タイムラグは避けられません。したがって、バ ックアップ電源には、その作動までの数分間、照明(一般に HIDランプを使用)を維持し、放送の中断を回避するため のライドスルー能力が求められます。ライドスルー能力とし ては、専用発電機や無停電電源装置(UPSシステム)など さまざまな方法が考えられます。なお、バックアップ電源に は、停電時も最低 3 時間は作動できる能力が必要とされてい ます。

ライドスルー能力は緊急時の避難ではなく、主としてイベ ントの継続に必要となるため、イベント用とライフセーフテ ィシステムとの配電を分離する必要があります。また系統電 源とバックアップ電源の設置に必要な設備スペースについて も、その配分計画が必要です。スタジアムの施設維持のため にも、ライドスルー能力を備え、配電を切り替えることがで きる電源設備の実現が薦められています。

9.2 設備要件

9.2.1 概要

照明システムの主な目的は、時代に応じた高画質な放送が 可能なイベント照明を実現することにあります。ただし、選 手他関係者に丌快なグレアが生じず、観客と周辺地域に漏れ 光やグレアが生じない配慮が必要です。常設照明、仮設照明、

あるいは両システムの組み合わせなども検討してください。

―環境

フィールドとスタジアム内外の漏れ光とグレアを抑制でき

るように、十分な配慮を行ってください。

―選手と関係者

選手と関係者が十分に能力を発揮でき、試合レベルが高ま るような照明環境を実現する必要があります。

―観客

観客が試合、スコアボード、大型映像装置、フィールド上 のプレーを快適に見ることができる、グレアと漏れ光のない 環境を実現する必要があります。

―メディア

強い影やグレアのない均一な照明下で、デジタル画質の試 合中継と録画が実現できるように配慮してください。

ドキュメント内 スタジアム標準構成(案) (ページ 39-42)

関連したドキュメント