1.バンコク GLOCOL デスクの紹介
2007年11月1日、大阪大学バンコク教育研究センターの事務所内にGLOCOLデスクが設置 された。主なミッションは、GLOCOL 事業にかかる関係機関との協力関係の構築および
GLOCOL事業の周知である。
2007年度の主な事業として、JICAとの連携事業である地域別研修「持続的な人間の安全保障 とキャパシティ・ディベロップメント」セミナーをタイで3月に開催し、その準備および各関係 機関への連絡調整を行った。大阪大学の提携大学であるチュラロンコーン大学の政治学部 MAIDS(The Master of Arts in International Development Studies)に協力を仰ぎ、MAIDS のプログラム・ディレクターのチャンタナー・ワンゲオ准教授とともに、日程、講演者、研修訪 問先を選定し、プログラムを決定した。
タイでの研修セミナーでは、「タイでの人間の安全保障問題」を研修生に学んでもらうという 趣旨から、社会問題が集中しているタイ国南部アンダマン海側のラノーン県、パンガー県を訪問 先として選定した。ミャンマーに国境を接しているラノーン県には、移民労働者の問題、および モーケンと呼ばれる漂海民や無国籍の人びとの問題がある。とりわけ、後者は、過去 5 年くら いで表面化してきた問題だ。歴史的な経緯が複雑で、ラノーン県の行政にとっても大きな課題と なっている。パンガー県では、2004 年 12月に発生したインドネシア・スマトラ島沖大規模地 震および津波の被害が甚大であったカオラック地区を訪れ、その復興への地域社会、NGOの取 り組みを肌で感じてもらった。
この 2 箇所での研修では、研修生に、市民社会、地域社会レベルでの取り組みと、行政レベ ルでの取り組みを理解してもらうように講演者、地域を選定し、それぞれの立場からの意見や活 動を提示していただいた。
地域別研修「持続的な人間の安全保障とキャパシティ・ディベロップメント」セミナー遂行にあ たっては、日本とタイの政府機関や、NGO諸団体と連絡を取り、GLOCOLの業務の広報に努 め、今後のコラボレーションの可能性を打診した。
また、GLOCOLの業務の一環として、「大阪大学の海外拠点との連携」がある。2008年2月 には大阪大学バンコク教育研究センターと協力し、日本留学フェアーへのブース出展による留学 生勧誘、大学紹介を行い、日本語・日本文化研究科を擁しているタイ国内提携大学から大阪大学 への(交換)留学カリキュラムに対する要望を汲み取る会議などを開催した。タイ国側からの日 本の大学への期待としては、卒業、修了後、すぐに社会で役に立つ実学、実践的な知への要望が、
研究者養成よりも多い印象を受けた。
GLOCOLバンコク現地代表 石高真吾
バンコクGLOCOLデスクの住所、連絡先:
Global Collaboration Center, Osaka University
C/O Bangkok Center for Education and Research, Osaka University Room C, 10th Floor, Serm-Mit Tower,
159 Sukhmvit 21 Rd., Klongtoey-Nua, Wattana, Bangkok 10110 Thailand
Tel: +66-2-661-7584 Fax: +66-2-661-7585
2.委託研究調査、委員会活動、学会役員、社会貢献など
GLOCOLスタッフは、各種の委託研究、委員会活動、学会役員などを務め、社会貢献を行っ
ている。主なものは以下の通り。
独立行政法人科学技術振興機構委託研究 消費情報提供システム付加型節水・省エネソリ ューションの開発
文部科学省委託事業 世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業「人道支援に対す る地域研究からの国際協力と評価:被災社会との共生を実現する復興・開発をめざ して」データベース構築班リーダー
公益信託澁澤民族学振興基金・運営委員
独立行政法人国際協力機構国際協力総合研修所 調査研究懇談会・委員 財団法人とよなか国際交流協会・評議員
特定非営利活動法人開発と未来工房・理事
Habitat Japan 大阪アフィリエート委員会・委員
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用委員会・共同研究プロジェクト 外部審査員
地域研究コンソーシアム・運営委員 日本学術会議・連携会員
日本文化人類学会・理事、編集委員 日本アフリカ学会・理事
日本ナイル・エチオピア学会・副会長
日本華僑華人学会・理事、編集室長、選挙管理委員、研究大会大会委員長、企画委員 ヒューマンセキュリティ・サイエンス学会理事・副会長
東南アジア学会・大会委員
3.他機関との連携
1)人間の安全保障教育研究コンソーシアムへの参加
「人間の安全保障教育研究コンソーシアム」とは、人間の安全保障に関する教育および研究 の交流促進を目的とした組織である。同コンソーシアムの発足は、2005年7月に中部大学春日 井キャンパスで開催された「人間の安全保障・地球市民フォーラム」の分科会において、人間の 安全保障を研究する研究機関・実践機関が集まり、ゆるやかな形の連合体を設立することはでき ないかと議論したことに遡る。その後、研究者の間でメーリングリストを用いて議論が重ねられ た。そして、2007年9 月に設立大会が開催され、正式に発足した。GLOCOLは、教育・研究 の両面で人間の安全保障を重要なコンセプトの一つと位置づけており、設立当初から中心メンバ ーとしてコンソーシアムに参加している。
設立大会である人間の安全保障教育研究コンソーシアム2007年度研究大会は、2007年9月 22日・23日の両日に、中部大学名古屋キャンパスで開催された。
第1日目は、「コンソーシアム設立のための話し合い」(参加表明機関のみ)、およびコンソー シアム設立大会があった。コンソーシアム設立大会にて、そのコンソーシアムの趣旨が明らかに されるとともに、参加団体が披露された。その後、若手研究者を中心とした研究発表大会が行わ れた。
第 2 日目は、午前中に記念シンポジウム「人間の安全保障のネットワーキングのために」が 開催された。パネリストは、武者小路公秀氏(大阪経済法科大学)、ノーマン・クック氏(名古 屋大学)、チャンタナ・ワンゲオ氏(タイ・チュラロンコーン大学)であった。
第一回大会には、GLOCOLから小泉副学長、栗本センター長、峯副センター長、思特任助教、
三田特任研究員、福田特任研究員の計 6 名が出席した。思特任助教は、研究発表大会で「東北 アジアの環境問題と人間の安全保障」という演題で口頭発表を行い、大会の成功に大いに貢献し た。また、GLOCOLの外国人招へい研究員として来日中であったフセイン・ソロモン准教授(プ レトリア大学)も参加した。
「コンソーシアム設立のための話し合い」は、参加を表明した機関のみが集まる会議であっ た。同会議では参加機関の代表者で設立趣旨文書を検討し、コンソーシアムの性格、今後の運営 について討議を行った。この会議で、峯副センター長が2008年度の第2回大会は大阪大学で実 施したいと発議を行った。発議に対し他の参加機関代表者からの異議はなく、承認された。2008 年度大会は2008年9月20日・21日に大阪大学豊中キャンパスで開催される予定である。
2)地域研究コンソーシアムへ幹事組織として参加
2007年10月、GLOCOLは地域研究コンソーシアム(Japan Consortium of Area Studies, 以下JCASという)に幹事組織として参加することとなった。JCASには、地域研究にかかわる 全国の教育研究組織、研究プロジェクト、学会、市民団体などおよそ 80 団体が加盟している。
全国の主要な地域研究組織をほぼ網羅するネットワーク組織であり、地域研究の情報ハブとして の機能を果たしている。
JCASの運営は、GLOCOLを含む8つの幹事組織を中心とする運営委員会、理事会、事務局 が行っている。2008年度より、GLOCOLセンター長が理事、2名のスタッフが運営委員を務め ることが決まった。
JCASには、研究活動としての「情報資源共有化研究会」「地域情報学研究会」「社会連携研究 会」「地域研究方法論研究会」に加えて、若手研究者を育成する「大学院教育・次世代支援プロ グラム」がある。和文雑誌やメールマガジンの発行により、加盟組織を通じたさまざまな研究情 報が交換されている。JCASを通じて、GLOCOLが全国の地域研究組織と連携をし、研究を発 展させる役割を果たすことが期待される。
運営体制:地域研究コンソーシアム(JCAS)の組織
運営体制 自己評価委員会
理事会
その他の加盟組織
北海道大学スラブ研究センター
東北大学東北アジア研究センター
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文 化研究所
上智大学アジア文化研究所・イベロアメリ カ研究所
京都大学東南アジア研究所
京都大学地域研究統合情報センター
大阪大学グローバルコラボレーション センター
大学附置研究所/センター
大学共同利用機関
その他の研究機関
21 世紀 COE 拠点形成プロジェクト
大学院研究科/研究科専攻/学部
NGO、NPO、学会など
コンソーシアムの意思決定 組織。幹事組織の長と加 盟組織の代表で構成
事務全般を統括。運営委員会 副委員長が事務局長を兼務。
当分の間、京都大学地域研究 統合情報センターに置く コンソーシアムの活動を評価。
委員は理事会が任命
コンソーシアムの運営・活動を総括。各幹事組織か ら 1 ないし 2 名、加盟組織から若干名の委員で構成
運営委員は、年次集会、ホームページ・ウエッブアーカイブ、和文雑誌『地 域研究』、ニューズレター・要覧、大学院教育・次世代育成プログラム、ジャ ーナル検討、将来プログラム検討などの役割を分担
事務局
史資料の効果的・効率的な共同利用 の方策について検討
進展著しい情報学を取り入れて地域 研究に新たな可能性を開拓 地域研究の蓄積を広く社会で活用する 方策を検討
継承可能な地域研究の方法論を構築 し、その体系化を推進
幹事組織
加盟組織
事務局: 京都大学地域研究統合情報センター
〒606-8501 京都市左京区吉田本町 Tel:075-753-9603 Fax:075-753-9602 ホームページ:http://www.jcas.jp/ 問い合わせ:[email protected]
情報資源共有化研究会 地域情報学研究会 社会連携研究会 地域研究方法論研究会 運営委員会