Q1.
海外建設事業の見通しa. 2016
年の見通しアメリカやユーロ圏においては経済の回復、景気 の持ち直しが続くことなどにより、引き続き建設事 業への設備投資は見込まれるであろう。一方アジア においては中国の経済成長の落ち着きにより、輸出 において中国への依存度が高い国々では建設事業へ の設備投資の伸びはそれほど期待できないものと思 われる。
ODA
案件については引き続き2015
年同様の出 件が見込まれるであろう。b.
今後3
〜5
年の見通し欧米の経済回復が今後も順調であれば、民間の建 設設備投資も安定してなされると思われる。
ODA
供与は東南アジアを中心にまだまだ続くであろう。国内の建設投資が減少の一途をたどり危機感を募 らせた業者が海外に活路を見出そうとする傾向は今 後さらに強まり、業者間の競争もより厳しいものに なるだろう。
c.
今後有望と思われる海外市場(地域)1.
ミャンマー、カンボジア、ラオス2.
スリランカおよび南アジア地域3.
サブ・サハラ地域d.
その理由1.
ミャンマー、カンボジア、ラオス:東西回廊やSEZ
(ティワラ経済特別区)の開発関連工事およびインフ ラ整備関連を中心に
ODA
案件が多く見込まれる ため。2.
スリランカおよび南アジア地域:当地は当社の営 業基盤であることにより、当社の建設事業の核た る海洋土木工事だけでなく、橋梁などの陸上土木 工事や建築工事においても、ODA
・民間を問わず 優良な建設サービスが提供できるため。また市場 としてもインフラ需要が多く存在すると考える ため。3.
サブ・サハラ地域:潜在的なインフラ需要が多数 あると考えるため。Q2.
海外建設事業の展開に対する今後の構想当社では近年、①顧客の満足、②リスク管理、③ 適正利益の確保を念頭に事業展開を行っているとこ ろである。現地企業だけでなく中国企業との競争が 依然として厳しい中、顧客に対して当社の技術およ び適正価格をアピールし長期的な信頼を得るよう営 業活動を行っていきたい。また国際事業に関わる社 員への再教育制度のさらなる充実に努め、有能なス タッフ陣の構築・育成を図りたい。
Q1. 海外建設事業の見通し a. 2016年の見通し
国内建設市場は、東日本大震災の復興、2020年の東京オ リンピック・パラリンピックに向けた建設需要、リニア中央新 幹線の建設、さらに都心における再開発事業およびリニュー アル市場の伸びなど一定の社会資本整備が見込めることか ら、建設需要は中期的には堅調に推移すると予想される。一 方、沈静化傾向が見えるものの労務費や材料費などによる建 設コストの高騰、また、施工管理技術者や労働者などの職人 不足、若手人材の確保・育成に対する差し迫った対応など懸 念要素もあるとしている。
海外建設市場は、「手持ち海外工事を着実に施工し、適正 な利益を確保すること、主要な活動地域である東南アジアを 中心に、海外事業を拡大することを目指す」との回答が多く 見られた。
中国経済鈍化の影響による、新興国の景気減速などから、
今後の世界経済の成長に不透明感があるものの、米国経済 の拡大基調にともない、先進国を中心に緩やかな回復が期 待され、TPPやAECなどの多国間貿易の枠組みの拡張から、
世界経済は、堅調に推移し、これにともない世界の建設需要 も拡大していくと予想している。
国別として、ミャンマーは法整備後の新規市場として期待、
インドネシアはODAを活用したインフラ整備の建設需要など の回答が多く見られ、また、米国は堅調、アフリカ地域は、引 き続きODAに関わる旺盛なインフラ整備需要が続くとの回 答が挙げられている。
b. 今後3〜5年の見通し
3〜5年の見通しでは、今後もアジアを中心とした新興国で の公共・民間による建設需要は、底堅く推移し、TPP締結後 の好影響により、域内の経済活動は、ますます活発化し、わ が国建設業にポジティブな影響をおよぼすとしている。
今後、国内建設市場は、東日本大震災に関わる復興需要や 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに関わる施設建設 やインフラ整備の終焉にともない需要は縮小し、これによって、
建設各社の活動は海外へとシフトしていくと予想している。し かしながら、海外での受注競争が激しさを増しており、安定し た受注・利益の確保の観点から、人材の確保・育成の強化 は喫緊の課題とする回答が各社から多く挙げられている。
c. 今後有望と思われる海外市場(地域)
d. その理由
今後有望とされる地域は、一昨年(2014年)と同じく東南 アジアが圧倒的に多く、理由として、「経済成長が続き、今後 も堅調な市場規模が続く」、「人口増加にともない、大型イン フラ整備需要の拡大が見込まれる」、また「今後も民間投資
やODA案件に期待できる」などの意見が挙げられている。
次に、難しい市場ではあるが、アフリカおよび中東に期待す る回答も多かった。理由として、「豊富な地下資源を有する」、
「TICADによる支援策の具体化にともないインフラ案件が見 込まれる」、「わが国から積極的なODAに関わる支援も引き 続き期待される」、「インフラ関連投資が計画されている」など の意見が挙げられている。
また、国別ではミャンマーを最も有望な市場としており、大 きな理由としては、「ODA案件中心による市場の拡大が見込 まれる」、「今後も日本政府の積極的な支援と経済成長にとも ない、インフラ整備需要が引き続き大きく期待される」、「法制 度の整備後、国内外からの投資が期待される」などが挙げら れている。次に回答の多かった国は、インドネシアで、理由と して、「都市高速鉄道、港湾、道路などのインフラ整備への建 設投資が引き続き期待される」、「経済成長にやや鈍化傾向が 見られるが、今後も建設需要は見込まれる」などとしている。
一方、政権交代により、「国内建設市場のコスト競争が厳しく なる」など、今後の懸念事項の回答も多く見られた。
Q2. 海外建設事業の展開に対する今後の構想 今後、国内建設市場の縮小にともない、国内事業と海外事 業のバランスを考慮し、経営資源の選択と集中を適切に行う 必要がある。海外事業では、得意分野・拠点地域での事業 体制を強化し、「収益性・採算性」を重視した、安定的な事 業運営を積極的に展開していくとの回答が多く見られた。ま た、昨今、建設会社にとって切迫した課題となっている「人材 育成(日本人若年層の養成)」、国際競争力を強化する観点 からの「組織・拠点および周辺国の基盤強化(現地従業員の 確保および育成、現地協力会社との関係構築)」が今後の海 外戦略への必要不可欠な事項とする回答が多かった。
土木分野では、「アフリカにおけるODA案件の事業強化」、
また、建築分野では、「アジア(特に東南アジア)における本 邦法人を主とした民間建築工事の拡大受注」などが挙げら れている。そのほか、海外事業展開の拡大、脱請負の取り組 みとして、「投資開発・環境・インフラPPPなどへの新ビジネ スへの取り組み強化」などの回答も見られた。
その他の回答として、次のような「キーワード」も挙げられている。
・危機管理能力(政情・治安急変、テロ対策)の向上による 駐在員・現地職員のケア
・5年以内に海外事業を会社全体事業比の10%に引き上げる
・海外からの技能実習生の受け入れ
・アジア・アフリカの人口増加にともなうインフラ整備への期待
・コーポレートガバナンスや内部統制の強化
・海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)を活用した新 規ビジネス
2016
年新年アンケート〈総括〉海外受注実績
月 2015年度 2014年度 伸び率(%)
*受注額に 件数 受注額 件数 受注額 よる
4
本邦法人 35 7,854 18 10,254 -23.4%
現地法人 128 103,513 145 109,913 -5.8%
計 163 111,367 163 120,167 -7.3%
5
本邦法人 29 24,863 50 74,947 -66.8%
現地法人 124 135,649 97 56,902 138.4%
計 153 160,512 147 131,849 21.7%
6
本邦法人 52 51,869 60 31,825 63.0%
現地法人 111 24,125 112 86,370 -72.1%
計 163 75,994 172 118,195 -35.7%
7
本邦法人 29 9,623 42 90,273 -89.3%
現地法人 104 52,061 93 50,075 4.0%
計 133 61,684 135 140,348 -56.0%
8
本邦法人 45 11,809 36 162,974 -92.8%
現地法人 123 145,707 116 48,164 202.5%
計 168 157,516 152 211,138 -25.4%
9
本邦法人 65 66,783 36 24,784 169.5%
現地法人 141 84,857 117 62,023 36.8%
計 206 151,640 153 86,807 74.7%
累計
本邦法人 255 172,801 242 395,057 -56.3%
現地法人 731 545,912 680 413,447 32.0%
総合計 986 718,713 922 808,504 -11.1%
1. 月別の海外工事受注実績 (単位:百万円)
地域別 2015年度 2014年度 伸び率(%)
*受注額によ 件数 受注額 構成比(%) 件数 受注額 構成比(%) る
アジア
本邦法人 136 112,250 15.6% 147 362,824 44.9% -69.1%
現地法人 541 253,165 35.2% 534 210,268 26.0% 20.4%
計 677 365,415 50.8% 681 573,092 70.9% -36.2%
中東
本邦法人 10 3,980 0.6% 2 2,366 0.3% 68.2%
現地法人 0 0 0.0% 0 0 0.0% 0.0%
計 10 3,980 0.6% 2 2,366 0.3% 68.2%
アフリカ
本邦法人 9 3,039 0.4% 4 3,729 0.5% -18.5%
現地法人 0 0 0.0% 0 0 0.0% 0.0%
計 9 3,039 0.4% 4 3,729 0.5% -18.5%
北米
本邦法人 9 10,853 1.5% 8 2,469 0.3% 339.6%
現地法人 99 240,269 33.4% 85 164,186 20.3% 46.3%
計 108 251,122 34.9% 93 166,655 20.6% 50.7%
中南米
本邦法人 71 33,173 4.6% 64 18,223 2.3% 82.0%
現地法人 14 9,794 1.4% 24 11,034 1.4% -11.2%
計 85 42,967 6.0% 88 29,257 3.7% 46.9%
欧州
本邦法人 2 386 0.1% 1 806 0.1% -52.1%
現地法人 33 3,370 0.5% 16 7,089 0.9% -52.5%
計 35 3,756 0.6% 17 7,895 1.0% -52.4%
東欧
本邦法人 0 0 0.0% 1 132 0.0% -100.0%
現地法人 38 11,094 1.5% 20 20,820 2.6% -46.7%
計 38 11,094 1.5% 21 20,952 2.6% -47.1%
大洋州その他
本邦法人 18 9,120 1.3% 15 4,508 0.6% 102.3%
現地法人 6 28,220 3.9% 1 50 0.0% 56,340.0%
計 24 37,340 5.2% 16 4,558 0.6% 719.2%
累計 本邦法人 255 172,801 24.0% 242 395,057 48.9% -56.3%
現地法人 731 545,912 76.0% 680 413,447 51.1% 32.0%
総合計 986 718,713 100.0% 922 808,504 100.0% -11.1%
2. 地域別海外工事受注実績 (単位:百万円)
3. 本邦・現法主要工事〈10億円以上〉
国 名 件 名 契約金額
台湾 会館新築工事 1,190
ベトナム C社倉庫新築工事 1,018
ラオス 国際空港ターミナル拡張事業 7,336
タイ 商業施設建設工事 11,011
タイ Chang Mai Rajabhat 大学校舎建設工事 1,417
タイ S社新倉庫 1,210
シンガポ−ル G社データセンター新築工事(躯体、仮設、一部設備工事) 6,328
シンガポ−ル T社商業ビル改修 13,216
インドネシア N社工場新築 1,225
インド 貨物専用鉄道(西線)建設工事鋼橋パッケージ(15ABC) 9,405
インド 工場新築 1,424
米国/カリフォルニア州 住宅施設建設工事 2,976
米国/カリフォルニア州 鉄道施設建設工事(追加) 9,368
米国/カリフォルニア州 鉄道施設建設工事(追加) 7,676
米国/ジョージア州 病棟・駐車場新築工事 3,710
米国/ジョージア州 ホテル新築工事 4,160
メキシコ C社メキシコ工場増築工事 1,788
メキシコ 工場新設計画 4,980
メキシコ D4社工場新築工事 15,148
メキシコ E4社工場新築工事 2,596
オ−ストラリア 住宅建設 3,040
オ−ストラリア 住宅建設 7,030
〈9月受注分〉 (単位:百万円)