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②要介護4 同居 ⇒ 特養 HHS、DS G

(1年2月)

② (60前)

②息子・娘(なし)

② 夫(60前)

②要介護4 同居 DS、SS

H (1年5月)

② (80前)

②娘(50)

② 夫(80前)

②要介護3 同居 小規模多機能 I

(3年3月)

② (70後)

②娘(40後)

② 夫(70後)

②要介護5 別居 ⇒ 同居 DS,SS,VN

J (6年5月)

② (50前)

②夫(なし)

② 実母(80前)

②要介護4 同居 DS、SS

K (2年5月)

② (60後)

②息子(なし)

② 夫(80前)

②要介護3 同居 DS、SS

L (10年5月)

② (50後)

②義姉(70前)

② 姑(90後)

②要介護2 同居 小規模多機能 M

(5年5月)

② (50後)

②夫(なし)

② 実母(90前)

②要介護2 別居 ⇒ 同居 HHS、SS

N (2年6月)

② (50後)

②夫(なし)

② (80前)

②要介護2

別居 ⇒ 同居

⇒ 有料施設 HHS、DS、SS O

(1年6月)

② (50後)

②夫・娘(なし)

② 実母(80前)

②要介護1 別居 ⇒ 同居 小規模多機能

*介護年数はインタビュー時までの年数

*年代はインタビュー当時(前:年齢の1の位が0~4、後:5~9)

*介護関与者はインタビューで言及された人で、言及していない場合は「なし」と表記

*介護開始からインタビュー時までの経過に居住形態の変化を示す

*要介護度及び利用サービスはインタビュー当時で、死亡や施設入所の場合は在宅当時を表記

*HHS:ホームヘルパーサービス、DS:デイサービス、SS:ショートステイ、VN:訪問看護、

VM:訪問医療、小規模:小規模多機能型居宅介護、GH:グループホーム、特養:特別養護 老人ホーム、老健:介護老人保健施設、有料施設:民間の有料施設、未:未利用

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分析には、二つの分析手法を用いて行っている。一つの分析手法は、フィールドテクス トから家族介護者の介護の過程における「介護状況の変化とサービスの利用及び心理的変 容」を把握し、支援の介入内容と介入時期の検討をするため、介護状況の変化とサービス の利用及び心理的変容に対する表現であると考えられる文脈の記述について、介護状況変

化のtime-point(以下、time-pointと表記)を設定して、対象者別に検討を行った。

time-pointの設定について例えば、①状況変化の時点をtime-pointに設定した場合、「母

がおかしいと感じたのは平成3~4年くらいで、訪問販売などで購入した高額商品を頻繁に 送ってくれるようになりおかしいと思った。その間、家事を怠るようになり父が栄養失調 で緊急入院したが、医者に『心臓と肺も悪いが手術はリスクが高くできない。誰かが側に いて介護する必要がある』と言われて東京に来たのは平成9年で、母は1年半後、東京に 来るまで一人暮らしだった。」と語った場合、<平成 3~4>と、<1 年半後>の語りが

time-pointに該当する。また、②状況変化の場面をtime-pointに設定した場合、「1年半過

ぎたとき母から SOS(寒いのにストーブもつけなかったので)をもらって東京に来るよう になった。」と語った場合、<東京に来るようになった>の語りから<同居>という状況が 読み取れて<同居>がtime-pointに該当する。なお、time-pointの設定は、天田(1999;

2007)の論文を参考にして、心理的変容の命名は、杉山(2007)による心理的ステップを 参考にした。

もう一つの分析手法は、家族介護者の実践体験に関する語りの中から、その本質的な意 味について構成要素を抽出し、科学的な言語による構造化を図るために、家族介護者の実 践経験の記憶で構成されたフィールドテクストを何度も読み返し、意味のある単位を抽出 し、意味を統合して構造を導いていくというGiorgi6)(1975;1979;2009=2013)とParse7)

6)【Giorgiの分析方法】①研究者は、全体の意味を得るために全記述をありのままに徹底的に読 む。これは、単にある単語に現前することではなく、対象者によって述べられた状況に現前する。

②研究者は、もう一度記述をゆっくり読み、本質的な意味の単位meaning unitを決定する。こ れは、コンテクストを持たない職別を意味する要素elementではなく、全体を心に留めるよう な方法で部分を職別する構成要素constituentを意味する。③構成要素を他の構成要素あるいは 全体の意味と関係づけることによって、構成要素の意味を記述する。これは、対象者の具体的な 言語で表現されたものである。④各単位の意味を対象者の日常の素朴な言語から現象学的科学の 言語に変換する。⑤達成された洞察から本質的で重複しないテーマを結び付けて総合し、統合す るsynthesize and integrate。この段階では二つの方法がある。ひとつは状況的situated記述で、

実際に用いられた研究状況の具体性と固有性を含むレベルでの記述であり、対象者の世界を理解 しようとするときに価値がある。もうひとつは、一般的general記述で、固有の状況の事項を除 外したレベルでの記述である。たとえ普遍的ではなくても、状況や固有性を越えたものである

(Giorgi 1975:74-75,84-97)。

7)【Parseの分析方法】①本質的な意味の単位natural meaning unitsを決定する:記述が吟味 され、ある概念の始まりから終わりまでの本質的な意味の単位あるいは場面に分けられる。②テ

ーマthemesを決定する:各場面における本らのテーマが対象者の使っている言葉で明らかにさ

れ、それはその場面の中心的要素となる。③中心的意味focal meaningを明らかにする:テーマ からのこの移行は、抽象化のレベルへの変換を意味する。それは研究者の言葉で記述される。④ 状況的構造的記述situated structural descriptionsに総合する:中心的意味を統合し、各対象 者のパースペクティブからの現象の意味を明らかにする。⑤一般的構造的記述に総合する:すべ ての対象者の状況的構造が総合される。これは、全対象者のパースペクティブから研究された現 象の生きられた経験の意味となる(Parse et al.1985:23-24,43)。

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(1985;1998=2004)による「現象学的アプローチ」の手法を用いて、以下の5つの手順 で行った。

① フィールドテクストを何度も繰り返し読む。単にあるテクストの単語を現前する事では なく、対象者によって述べられた状況を現前する。

② 意味のある単位を抽出し、本質的な意味単位natural meaning unitsを決定する。これ はコンテクストを持たない識別を意味する要素elementではなく、全体を心に留めるよ うな方法で部分を識別する構成要素constituentを意味する。

③ 本質的な意味単位を調査協力者の日常的な言語から高齢者の介護を視野に入れた現象 学的科学の言語に変換する。

④ 変換された言語を統合し、中心的意味focal meaningを明らかにする。

⑤ 中心的意味からテーマthemesを設定する。テーマを結びつけて再統合integrateし、

マスターテーマmaster themeを設定する。

現象学は、哲学者のHusserl(1859年―1938年)によって創設・発展された理論で、心 理学や看護学と精神医学を含む、社会諸科学において応用され、さらに一層の拡張を見て いる(Spiegelberg & Schulmann 1982)。「哲学としての現象学は、何事であれ、人が持つ 意識を通して『所与8)』として経験されうるあらゆる物事―それが対象であれ、人間であれ、

あるいは、複雑な事情であれ―を、その経験をしつつある意識的人間の視点から理解する ことを求める。したがって、現象学は、経験者を除外するような『所与』の客観主義的な 分析には関心がないが、『所与』が経験者によってどのように経験されているかの正確な分 析に関心がある(Giorgi 2009=2013:4-5)。」事象そのものがその人にとってどう現れるか を主題とするものであり、その事象が現実的・経験的に存在すると否とにかかわらず、意 識の中に現れ出る現象そのものに着目している(Kleinman 1988)。現象学的方法は、生き られた「体験 9)」としての現象の「本質 10)」を明らかにしていくことを探究する「現れて いるままに行う現象の研究」である(Parse et al.,1985:15-16;1998=2004:111)。

現象学的アプローチの社会福祉領域における応用は今始まったばかりともいえる。広瀬 は、家族介護者への質的研究について、介護全体に対する評価として捉える際にはその要

8) 現象学における現象の意味は、人は、「所与given」に対して、それが現前するがままに自ら 現前しなければならず、「所与(与えられているもの)」に加えることも、そこから差し引くこと もなしに、そうしなければならないということである(Giorgi 2009=2013:10)。

9) 体験とは、その体験をしたその人によって生かされているということを意味する。時間的、

空間的、社会文化的、対人関係的、身体的、そして、概念的なもろもろの地平のすべてが、同時 に働いて、人が生きているがままの生きられた経験をつくりだし、それはすべて、その人によっ て黙示的に理解されている(Keen 1975:76)。

10) 本質とは、ある与えられた脈略にとってもっとも大変な意味のことである。具体的な記述は 常に変動するが、本質は、一群の具体的な意味からもっとも不変な意味を得る方法である。例え ば“椅子”の本質を考えてみると、「黒い椅子」があったとき、椅子は黒くなければならないだ ろうが、赤い椅子、緑の椅子など、どれも可能だから、色彩は「椅子であること」にとって本質 的ではない。脚はどうか。脚がない球体の椅子を考えると脚も本質的ではない。次に座席は、座 席のない椅子は想像できない。つまり、椅子の本質は座席があることになる(Giorgi 1990:13)。

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因や説明を探求するという立場ではなく、「言葉の放つ意味に近づく」ことを趣旨としたア プローチにより、本質に近づくことから、客観性よりも主観性を重視し、実在論より認識 論的な立場から介護者の世界をより文脈的に読みとる作業が必要と述べている(広瀬

2010:138-139)。認知症高齢者を支える家族介護者の体験そのものについて現象的アプロ

ーチを応用することは、家族介護者の本質に近づき「特定の生きられた意味の明瞭化(Giorgi 2009=2013:118)」によって日常的状況をより深い理解ができると思われる。なお、分析 の結果について、質的研究の経験のある同領域の研究者及び他領域の研究者の 2 人によっ て確認した。

3.結果

(1)対象者の属性

主介護者のすべてが女性で、介護者の平均年齢から高齢世代に位置していて、ほとんど の配偶者関係は「老々介護」に該当していた。介護期間は、最短の1年2ヶ月から最長10 年 5 ヶ月と非情に幅広く、対象者間に大きな差異がみられた。また、被介護者は、男性の 割合も高く、すべての人が75歳以上の後期高齢者層で、利用サービスは、介護サービスの 3柱といわれる通所型と短期入所介護、訪問型で、小規模の利用者も3(16.7%)人であっ た(表3-2-2)。

表3-2-2 対象者の属性

人数(%) 人数(%) 人数(%) 家族介護者の性別 n=15 被介護者の性別 n=15 被介護者の続柄 n=15

女性 15 (100.0) 女性 9(60.0) 実の親 6(40.0)

男性 0(0.0) 男性 6(40.0) 配偶者 5(33.3)

配偶者の親 4(26.7) 家族介護者の年齢 n=15 被介護者の年齢 n=15

40~65歳 11(73.3) 65歳未満 0(0.0) 利用サービス n=18

65~75歳 1(6.7) 65~75歳 0(0.0) 訪問型 4(22.2)

75歳以上 2(13.3) 75~100歳 15(100.0) 通所型 4(22.2)

平均年齢±SD 61.20±11.24 平均年齢±SD 82.87±7.47 短期入所 6(33.3) 小規模多機能 3(16.7) 介護年数 n=15 要介護度 n=15 未利用 1(5.6)

1~3年未満 6(40.0) 要介護1 2(13.3)

3~5年未満 3(20.0) 要介護2 5(33.3) 介護状況 n=15

5~10年未満 3(20.0) 要介護3 3(20.0) 在宅 10(66.7)

10年以上 3(20.0) 要介護4 4(26.7) 入居・死亡 5(33.3)

平均介護年数±SD 4.37±3.44 要介護5 1(6.7)

*利用サービス【複数回答】の中で「死亡・入所」は除外

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