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天災その他の事由により法定スキャンツール(クラウド型)による検査が円滑に処理することが困難な次 に掲げる場合は、公示等により整備工場に周知する。

① 機構サーバーがダウン(定期的なメンテナンスの場合を除く。)し、法定スキャンツールから機構サー バーにアクセスできない場合。

② 天災・停電等により広範囲にネットワーク障害が起きた場合。

検査官等は、上記の場合において、運転席の警告灯が点灯していないときは、当該受検車両はOBDに 係る基準に適合するものとして取り扱って差し支えないものとする。

指定整備工場の検査員は、上記の取扱いをしたときには、視認による確認である旨を指定整備記録簿 に記載するものとする。(※指定整備記録簿の様式については、今後検討する。)

特定DTC判定サーバーの使用者①

1.特定DTC判定サーバーの使用者について

機構に設置予定のサーバー(以下「特定

DTC

判定サーバー」という。)に法定スキャンツールを用いて 接続し、自動車に記録されている

DTC

に特定

DTC

が含まれているか照会することができる者は以下の者 とする。

自動車技術総合機構(機構)

軽自動車検査協会(軽検協)

指定自動車整備事業者(指定工場)

自動車分解整備事業者(認証工場)

自動車製作者等

ツールメーカー

2.使用目的(検査・整備)に応じたデータ管理について

(ア)検査のための使用について

機構・軽検協・指定工場が検査のために使用する場合、照会時にその旨のフラグを立てて判定結果を 管理する。この場合において、指定工場が使用する際には、指定工場コード及び自動車検査員IDを入力 してもらい判定結果と共に記録する。

(イ)点検・整備等のための使用について

指定工場又は認証工場が点検・整備のために使用する場合、その結果は(ア)とは別のデータとして管

上記以外の者から特定DTC判定サーバーの使用についての要望が多く寄せられた場合には、市販のスキャンツールでもDTCの読 取りは可能であること等を十分説明し、それでもなおニーズがあるとすれば、そのニーズの規模、不正防止のための担保措置等を踏まえ、

関係者と協議の上、使用可能者の範囲の拡大や検査とは別の特定DTC確認サービスの提供について議論することとする。

特定DTC判定サーバーの使用者②

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(考え方)

(1)不正対策について

OBD検査においては、受検車両と同型式の他の自動車にスキャンツールを接続して特定DTC判定

サーバーへ照会を行う不正(いわゆる替え玉)、故障箇所のECUの機能を一次的に停止し特定DTCを 検出させないようにする不正、法定スキャンツール以外のツールを使用し特定

DTC

判定サーバーへ接 続する不正等のおそれがある。

車検制度を公正かつ厳格に運用するためには、これらの不正が行われにくい環境を整備するとともに、

万が一、行われた場合には厳正に対処することが不可欠である。これらの観点から、特定DTC判定 サーバーの使用者は道路運送車両法が適用され、国土交通省の監督下に置かれる指定工場・認証工 場に限ることが適当である。

(2)サーバー負荷及びセキュリティーについて

不特定多数のユーザーによる特定DTC判定サーバーへのアクセスを可能とした場合、アクセスの集 中によるサーバー負荷の増大や、悪意を持った者によるDoS攻撃(サーバーへの過剰アクセスにより想 定以上の負荷をかけてシステムをダウンさせるサイバー攻撃)のリスク等が懸念される。

このように、不特定多数のユーザーによるアクセスを前提とした場合、超大なサーバー容量の確保や、

不正行為への防衛措置を講じた特定DTC判定サーバーの構築等のために多額の費用がかかる一方、

接続を認めることによる効果(不特定多数の者が特定DTCを確認できることによるメリット)は限定的と 考えられることから、自動車の電子装置の点検整備及び検査を業として行う、機構、軽検協、指定工場 及び認証工場等の関係者に限り接続を認めることが適当である。

「特定 DTC」の選定に係る検証実験の結果

1. 「特定 DTC」の選定に係る検証実験について

中間とりまとめにおいて「特定 DTC」の実施面(フィージビリティ)における技術 面、負担面の課題を指摘する意見があったことを踏まえ、中間とりまとめで示された

「特定 DTC」の定義に従い、(一社)日本自動車工業会において国内自動車メーカー12 社が販売する車両について「特定 DTC」の選定に係る検証作業を実施した。

(1)検証方法

AEB および ESC/ABS を対象装置とし各車両メーカーより同システムの開発実務経 験者を招集、2018 年 7 月~10 月の間で 4 回の会議を開催。

各社、現状の量産車種を検証対象とし、特定 DTC の選定作業を実際に進め、その 選定根拠として不明瞭な事項を抽出して上記会議で共有した。

選定においての不明点は、特定 DTC の定義(中間とりまとめ)に基づき同会議で協 議のうえで解釈し、また、専門家 WG 会合を通じて国との整合のうえ、選定根拠と して集約し共有した。

(2)選定基準

今回、各社間で“選定根拠”として共有した主な内容として以下がある。

A)“故障”と推断できない DTC

【非特定】検知した異常状態から原因部位を”故障”と推断できない DTC(修理・

修復が必要な状況(破損部位とその状態)断定できないもの)

(例)カメラ前のくもり、レーダー前の汚れ B)未調整・未学習・部品組み付け未完了の DTC

【非特定】学習値(例:センサのゼロ点等)が記録されていないときに記録され る DTC であって、車両の通常使用の過程で自己学習するもの(バッテ リ交換等で学習値が消えてしまった状態を想定)

【特定】学習値等が記録されていない DTC であって、サービス診断ツール等で の対処が必要となるもの

(例)未エーミング、関連 ECU との間でソフウェア Ver.が不一致 [システム稼動させるために、修理相当の作業を要するもの]

C)暫定の異常状態を示す DTC

【非特定】センサ入力の異常を検知し、仮の異常状態としてシステムの作動を一 時的に停止するもの(後に異常状態を確定した時点で当該 DTC は消去 されるか、もしくは、異常確定を示す DTC の追加記録により無意味化 するもの)

D)被けん引車関連の DTC

【非特定】けん引車が記録する被けん引車側の部品に関する DTC、けん引車側に 設置された被けん引車用部品に関する DTC 及び被けん引車の連結装置 に係る DTC

E)システムの電源電圧の異常を示す DTC

【非特定】12V(24V)バッテリの劣化、環境温度の低下(寒冷地等)及び車両電 気負荷過大などの悪条件が重なり、一時的に電源電圧が規定値を下回 った状態を示す DTC

別添4

【特定】電源電圧監視のための電圧計測回路周りの故障を想定した検知をする DTC(ECU から電圧値が読めない、変化しない等)

F)現状の車検で検査が可能な異常

【非特定】当該システムの警告表示器の表示不能

G)車両組み立てライン等の特定条件下で実行される診断に係る DTC

【非特定】特殊な生産設備と連携して作動するのみで、市場での車両運行におい て診断実行されないもの

2.検証結果

(2)センシング系ECUに設定されている

DTC 全数と特定DTC選定結果(DTC個数)

【20km/h走行を想定時およびENGアイドル・停車時】

H社 G社 F社 E社 D社 C社 B社 A社

DTC全数 20km/h走行

アイドル 0 20 40 60 80 100

L社 K J社 I社

DTC全数 20km/h走行 ア イ ド ル 普通乗用

センシング系ECU 大型

センシング系ECU

0 500 1000

L社 K社 J社 I社

DTC全数 20km/h走行 アイドル

0 50 100 150

H社 G社 F社 E社 D社 C社 B社 A社

DTC全数 20km/h走行 アイドル

普通乗用ABS/BAS/ESC ECU 大型

ABS/BAS/ESC ECU

(1) ABS/BAS/ESC ECUに設定されている DTC 全数と特定DTC選定結果(DTC個数)

【20km/h走行を想定時およびENGアイドル・停車時】

※ 各社の DTC の個数に差が見られるが、これは、1つの故障部位に対して症状毎に 複数の DTC を設定している場合がある事、また、システム構成装置構造の根本的な違 い(例:ブレーキシステムでの油圧式、HV 回生併用、エア式)などによる。

3.検証を踏まえての課題

(1) 今後、車両の走行を想定する前提で車載診断を検査に活用していくためには、

場合により、車両速度はもとより、操舵角度やブレーキの作動条件までも含め ての特定 DTC 選定作業にもなり得るため、ECU に組み込まれたソフトウェアの 車載診断の仕様を十分な粒度で確認する必要がある。

(2) 同じ観点で、自動運転技術の進化などから制動制御・操舵制御の連係動作仕 様が変更され、車載診断の実行条件も副次的に変更され得る事から、新型車の 特定 DTC 届出の際は、対象装置全体にわたっての見直しが必要となる。

以上

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自動車検査場における

OBD 検査に関する実証実験について

平成 30 年4月

(独)自動車技術総合機構 軽自動車検査協会

別添5

1.実証実験の実施体制 2.実証実験の概要

3.実験結果

4. OBD 検査導入に向けた課題と解決策

目次

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