7 国際活動
7.1 大学間協定
45 ビソーレ
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系の研究領域までも含めた総合的な研究を必要としている。国際北極圏研究センターは、こうした研究 を可能とする場としてその活用が期待されている。一方 本学においても 1996年度に東北アジア研究セ ンターが全学の共同研究の場として設立され、文科系の研究者と理科系の研究者の共同研究によって東 北アジアとその周辺地域の研究が総合的に進められようとしている。こうした情勢の下で、本字とアラ スカ大学の学術交流協定に基づく共同研究と学生の交流は、地球環境と北方圏の研究に新たな視点を切 り拓くものとして大きな成果が期待される。
アラスカ大学について
アラスカ大学は、 1917年にフェアバンクス市に創設されたアラスカで最も古い州立大学である。 1975 年にはアンカレッジ市とジュノー市のキャンパスが独立した大学となり、フェアバンクス校(University of Alaska Fairbanls,UAF)、アンカレッジ校(University of Alaska Anchorage, UAA)、サウスイースト 校(University of Southeast,UAS)からなるアラスカ大学システムがつくられた。フェアバンクス校は その中心としての役割を今日も果たしており 3大学を統括するアラスカ大学システム事務局はフェア バンクス校の中にあり、総長はここで職務を遂行している。
フェアバンクス校のメインキャンパスは,10万平方メートルの広さをもつ。学生数は9000で、内、男子 学生が58%で 女子学生が42%である。また、92%が学部学生で、8%が大学院学生である。 8学部、 6 研究所、博物館、図書館をもち、教官スタッフは約1l00名である。 6研究所の一つ、地球物理学研究所 は地球物理学の総合的な研究所で、オーロラ、雪水 大気、地震、火山等の研究で世界的に有名である。
この他、北極圏生物研究所や海洋研究所などが北極圏環境の研究を活発に行っている。アンカレッジ校 のメインキャンパスはアンカレッジ市にあり、学生数は約20,000でアラスカ最大の大学である。 5学部 の他 アメリカロシアセンター、環境 資源研究所などの付属研究施設をもつ。サウスイースト校のメイ ンキャンパスはジュノー市にあり、学生数は約2200である。
7.1.2 モンゴル科学アカデミー
交流の経緯
理学研究科地球物理学専攻では、従来よりモンゴル科学アカデミー及び国立モンゴル大学付属地球物理 学センターとの間で、北半球中高緯度地域におけるオゾン減少の原因とその影響を解明するために、共 同研究の準備を進めてきた。1996年度にはモンゴル側研究代表者のKhalter教授を日本学術振興会外国人 招へい研究者として招へいし、共同研究の内容について議論した。
1996年11月 工学研究科佐藤源之助教授(現東北アジア研究センター教授)がモンゴル科学アカデミー地 質学・鉱物資源研究所を訪問し、情報交換を行った。
1997年2月7日 モンゴル国立科学アカデミー東洋・国際研究所所長ツェデンダムバ・バトバヤル
(Tsedendamba Batbayar)博士が東北アジア研究センターを訪問し、研究会で報告を行った。
1997年10月1日 モンゴル国立科学アカデミー歴史研究所所長アユーダイ・オチル(Ayudai Ochir)教 授が東北大学東北アジア研究センター客員教授(III種)として招聘され、着任した。オチル教授は、1998 年3月31日まで在任した。この間オチル教授は、11月27日開催のセンター共同研究会で報告を行い、研 究成果をセンターの刊行物に発表したほか、国内の関係学会・研究会において講演・報告を行った。
1997年9月 理学研究科生物学専攻ではモンゴル草原植物群集の生産構造に及ぼす気候と遊牧の影響 について明らかにしていくために、モンゴル科学アカデミー生物学研究所・畜産研究所・モンゴル国立 大学に対して共同研究を申し入れた。これを受けて同畜産研究所で、両研究所の所長を含むモンゴル側 研究者10名と会見。研究計画を説明し、モンゴル研究者の賛同を得た。科学アカデミー生物学研究所で さらに研究計画の具体化をはかり、科学アカデミー生物学研究所をモンゴル側の窓口として研究を進め ることにした。
1998年6月10日 モンゴル国立科学アカデミー歴史研究所研究員ツォグト=オチル・イシドルジ
(Tsogt-Ochir Ishdorj)氏が東北アジア研究センターを訪問し、センター共同研究会で報告を行った。
1998年6月17日〜22日 東北大学東北アジア研究センター長(当時)吉田忠教授・佐藤源之教授・岡洋 樹助教授の三名は、モンゴル国立科学アカデミーの各研究所を訪問し、その学術研究活動の概要に触れ、
今後の学術交流に関して意見を交換した。
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1999年4月 共同研究を実施する協定を科学アカデミー生物学研究所植物部門(Dugarjav部長)と東北大学 理学研究科生物学専攻(広瀬教授)との間で締結した。同年6月に気候の異なる3地点に実験調査区を設置、
8月に1回目の調査を実施した。
1999年7月31日〜8月18日 東北アジア研究センター岡洋樹助教授が同アカデミーの招きで同国を訪 問し、モンゴル国ヘンティ県ガルシャル郡において歴史調査を実施した。この際、同アカデミー歴史研 究所より、Ts.イシドルジ研究員が同行した。
1999年11月28日〜12月5日 モンゴル国立科学アカデミー総裁バータル・チャドラー(Baatar Chadraa)
博士が東北アジア研究センターの招きで来仙し、東北大学の阿部博之学長と会見した。また学内の研究 所・研究科を訪問し、東北大学の研究教育活動を視察し、研究者と交流を行ったほか、東北アジア研究 センター主催の学術講演会において、講演を行った。また滞在期間中、学術協定締結について科学アカ デミーから提案があり非公式な協議を行った。
1999年12月9日〜25日 東北アジア研究センター栗林均教授・岡洋樹助教授が、モンゴル国立科学アカ デミー歴史研究所の招きで同国を訪問した。岡助教授は、同研究所所蔵資料の調査及びモンゴル国立歴 史中央文書館における清代歴史資料調査を実施した。
2000年3月9日〜3月18日 東北アジア研究センター北風嵐助教授・岡洋樹助教授が同アカデミーの招き で同国を訪問し、アカデミー総裁バータル・チャドラー博士と会見し、学術交流等に関する意見交換を 行うとともに、アカデミーの各研究所を訪問し、研究状況と使用機材を視察した。
2000年4月 これまでの東北大学とモンゴル科学アカデミーの学術協力の実績を踏まえ、大学間学術協 定締結に向けた具体的検討作業を開始した。
モンゴル科学アカデミーの概要
モンゴル科学アカデミーの前身は、1921年設置の典籍委員会である。この組織は、当初の職員が8名で あったといい、外国の科学・政治文献の翻訳、歴史・文学等古典籍の収集、歴史遺産の登録等を任務と した。典籍委員会は、1930年に科学研究所となり、さらに、学術研究と高等教育の有機的な連関を確保 する目的から、1957〜58年に国立大学と統合されて、科学・高等教育研究機関となった。モンゴルが、
純粋な研究以上に、外国(主としてソ連)からの知識・技術導入と人材養成を先決課題としていたこと が伺える。この組織には、国立大学のほか、師範大学・農業大学・経済大学・医科大学等、後のモンゴ ルの高等教育機関の多くが含まれた。1961年には再び教育機関から分離され、現在の国立科学アカデミ ーとなる。最初は言語文学・歴史・自然科学・医学・農牧業の五研究所から成っていたが、1960〜70年 代に、地理学・氷河研究所(1962年)、経済研究所(1963年)、地質学研究所(1966年)、自然科学研 究所、東洋学研究所(1976年)、哲学・社会学・権利研究所(1972年)、物理学・技術研究所(1973年)、
植物学研究所(1974年)、数学研究所(1974年)、生産力発展・配置研究所(1976年)、情報室(1972 年)等が相次いで設立されている。これらの研究所はその後も再編・分離・統合等複雑な経緯を経てい る。80年代になるとさらに、道路・橋梁設計製造研究所、再生エネルギー研究所、バイオ・テクノロジ ー研究所等が加わった。1990年代には、市場経済への移行に伴う経済困難から、研究環境が悪化し、1997 年には研究所の大幅な統廃合が実施された。アカデミーも含めた同国研究機関勤務者の数は、民主化直 前の1990年の6400人から、94年の3917人に減少したという。また、1990年から、競争原理を導入するた めに、プロジェクト方式による予算配分に変わったため、かつては潤沢だった研究資金が不足しがちな 状況が続いている。しかしその一方で、米独日等西側諸国との研究交流は格段に進んでいる。東北大学 東北アジア研究センターでも、現アカデミー総裁バータル・チャドラー博士の訪問や、歴史研究所所長 アユーダイ・オチル教授の客員教授招聘等を通じて、アカデミーとの協力関係の構築を進めている。
組織の規模
現在アカデミーは、バータル・チャドラー総裁の下、18の研究所・研究センターを擁している。文系 の研究所としては、歴史研究所、言語文学研究所、哲学・社会学・法学研究所、国際研究所、地理学研 究所、バヤン=ウルギー社会経済研究センターがある。理系の研究所では、物理学・物理テクノロジー 研究所、化学・化学テクノロジー研究所、天文学・地球物理学研究センター、情報工学研究所、生物学 研究所、地質学・鉱物学研究所、古生物学研究センター、植物学研究所、数学研究所が設置されている ほか、近年国家の政策立案に関与するシンクタンクとして、国家開発研究所が設置されている。