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多元配置分散共分散分析

ドキュメント内 第2章 MS-Windowsって何だろう? (ページ 57-61)

4. 統計処理のための準備作業

7.1 多元配置分散共分散分析

先に取り上げた一元配置分散分析では、1つの定量的変数(例では主介護者の精神的負担感)に 対する1つの独立変数(主介護者の職業の有無)の影響(あるいは関連)を分析しました。

これに対して、多元配置分散分析では、ある1つの定量的変数を従属変数とし、2つ以上の定性 的変数を独立変数として、各独立変数が従属変数にどの程度の影響(あるいは関連)をもっているか を明らかにする多変量解析の方法です。また、独立変数に定量的変数(共変量という)を加えた分析 方法が、多元配置分散共分散分析です。

ここでは、一元配置分散分析の場合と同じsample2.savのデータの次の変数を用いた多元配置 分散共分散分析の例を示しましょう。

従属変数(定量的変数): 精神的負担感(スケール得点)

独立変数(定性的変数):

主介護者の職業(有職か無職か)

高齢者の性別

高齢者の身体的障害程度 高齢者の精神的障害程度

独立変数(定量的変数)=共変量 情緒的サポート得点

なおSPSSでは、多元配置分散共分散分析は、次のようなシンタックス・プログラムを書いて分析 を実行します。

〔シンタックス・プログラム〕

anova vars=精神的負担感得点

by 主介護者の職業(1,2)

高齢者の身体的障害程度(1,4) 高齢者の精神的障害程度(1,4) 高齢者の性別(1,2)

with 情緒的サポート得点 /maxorders=none /method=experimental /statistics=all.

注)1.anova vars= は、多元配置分散分析の変数構成を定義する命令語です。

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最初に従属変数の精神的負担感得点を書きます。

2.by 以下には、独立変数(定性的変数)を列記します。( )内は、各独立変 数の欠損値を除いた変数値の最小値と最大値を書きます。

3.with 以下には、共変量を列記します。

4./maxorders= 以下に交互作用の次元を指示します。ここでは、交互作用 なしという分析モデルなので、=noneとします。

5./methods= 以下には、要因(独立変数としての定性変数)のカテゴリーの 調整を行う方法の指示をします。ここでは、標準的な方法として、

=experimentalを指示します。

6./statistics= 以下には、追加統計を指示しますが、ここでは、後で説明する 多重分類分析(MCA)を含めるため、=allとします。

7.最後のallの後に必ずピリオドを入れる。

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(1) ファイル(F)新規作成(N)シンタックス(S)でSPSSシンタックスエディタを起動する。

(2)プログラムを記入する。

(3)プリグラムを実行する。

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(4)結果が出力されました。

MCA とは多重分類分析のことで、4つの定性的独立変 数のそれぞれが、従属変数に対してどのような内容の影 響をもっているかを示しています。

「調整済み」の欄が最終的な結果を示しています。従属変数の精神 的負担感得点の標準化された平均値(ゼロ)からの偏差の正負の値 の大きさから判断します。例えば、主介護者の職業は、有職が

-.665、無職が .358であるので、有職の方が、精神的負担感を小さく

し、無職がそれを大きくする方向に影響(関連)していることを意味し ています。

1行目に共変量の従属変数に対する影響(関連)がF 値の大 きさから見て、有意確率 .000で有意であることを示しています。

回帰係数‐.609 は、従属変数(精神的負担感)を小さくする方向 に影響(関連)があることを意味しています。

2 行目の主効果(結合された)は、定性的変数としての4つの 独立変数全体の従属変数に対する影響(関連)を示していま す。これも有意確率 .000で有意であることを示しています。

4つの独立変数のそれぞれが、有意確率に一定の違いがある ものの、すべて有意な影響(関連)があることを示しています。

R は重相関係数で、従属変数に対する4つの 定性的独立変数および共変量全体の影響(関 連)を示しています。R2 乗は、従属変数の変 動全体に対して、4つの独立変数がもっている 説明率を示しています。その値が、.182 という ことは、変動全体の約18%を説明していること を意味しています。

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