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動圧 0. 25kPa 0.26kPa 0.18kPa

6.5.4 システムの運転状態

図6.5.4(a)~(d)に,case1に関して計算された各システムの運転状態を空気線図とp-h線図

に示す.各線図に見られる各システム間の傾向はcase1~case4で大きな違いは無いことから,

ここではcase1に注目し,各システムの特徴を述べる.

(a)の冷却除湿式では,冷却コイルに入る空気②’は室内還気と全熱交換および混合させる

ことで約28℃,0.012kg/kg(DA)と比較的低温低湿にできるものの,冷却コイル内部での除湿

時に露点温度である約 14.8℃まで下げる必要がある.そのため冷却コイルによる除湿は

2.3(4)節に示す温度効率を与えると約7℃と非常に低温な冷水を要する.

(b)の標準型デシカント除湿では,室内還気に水噴霧した空気⑥を顕熱交換器に入れるこ とによって,冷却コイル入口の空気③を冷却除湿式と同等である約 28℃まで冷却すること ができる.さらにデシカント除湿では冷却コイルでの除湿を必要としないため,冷却コイ

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ルの冷水温度は約 17℃と比較的高温な冷水を用いればよい.さらに冷却コイルの冷水温度 は放射パネルを流れる冷水温度とほぼ同等であるため,冷凍機で生成する冷水温度を高く することができる.しかしながら,除湿ロータの再生に要する空気⑧の温度は約 74℃とな り,除湿にはヒートポンプの冷媒を約15MPaまで圧縮する必要がある.

(c)の二段除湿外気冷却型デシカント除湿では,除湿時の吸着熱を外気で冷却するため標 準型デシカント除湿と比較して冷却コイル入口温度を3℃程度下げることができ,冷却コイ ルで必要となる冷却量が減少する.また,除湿サイクルを 2 段階に分割することで,再生 空気温度を約54℃で除湿可能となり,ヒートポンプの冷媒圧力は約10Mpaまで下げること ができる.

(d)の全熱交換型デシカント除湿では,外気①を室内還気⑤と全熱交換することで低温低 湿になるため,除湿ロータにおける除湿量が削減でき,再生空気⑧の温度は約 58℃に抑え ることができる.しかし,気化冷却器入口空気⑤’は全熱交換によって高温高湿となるため,

水噴霧された空気⑥は標準型ほど低温にならない.したがって,顕熱交換器出口空気③は 33℃程度までしか冷却できず,冷却コイルでの冷却量は他のデシカント除湿式と比較して 増加する.ヒートポンプの冷媒圧力は約13MPaであり,標準型と二段除湿外気冷却型の中 間程度の圧力となる.

冷却除湿に対してデシカント除湿はヒートポンプ排熱を除湿に用いることができるもの の,標準型では除湿に必要となる再生空気温度が高いため冷媒を非常に高い圧力まで圧縮 する必要があり,後述するようにヒートポンプCOPは1.5~2.0まで低下し,冷却除湿と比 較して消費電力が増加してしまう.しかし二段除湿外気冷却型と全熱交換型は,標準型と 比較して再生空気温度が低く,冷媒圧力10~13MPa程度で運転が可能であるため,ヒート

ポンプCOPが4.5~6.0程度となり,ヒートポンプの性能を低下させることなく除湿が行え

る.

図6.5.4(a) 冷却除湿システム

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図6.5.4(b) 標準型デシカントシステム 図6.5.4(c) 二段除湿外気冷却型 デシカントシステム

図6.5.4(d) 全熱交換型デシカントシステム

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6.6 case1~4における各システムの評価

図6.6(a)~(j)に各システムにおけるcase1~4で得られた解析結果を示す.

(a)に各条件下における放射パネルと外調機の除去熱量と外調機が処理する熱負荷の SHF

を示す.空調が処理する室内の除去熱量はcase1,case3,case2,case4の順で高い結果とな っており,外気条件よりも室内条件の影響が大きいことがわかる.しかし(b)に示す消費電 力に着目すると,冷却除湿式では除去熱量に比例して消費電力が減少するのに対して,デ シカント式ではcase2とcase3が逆転する結果となった.これは図6.5.4(a)~(d)に示すように,

冷却除湿式が多くの室内還気を室内に再循環させるため室内条件の影響が大きい.しかし デシカント式は外気を処理して室内に取り込むため外気の影響が大きくなることから,冷 却除湿式とデシカント式では消費電力に見られるこのような特性の違いが生じる.したが って,外気条件が高負荷であるcase1とcase2においてはデシカント式の二段除湿外気冷却 と全熱交換型は冷却除湿式と同等かわずかに下回る程度だが,外気条件が低負荷となる

case3とcase4 においてデシカント式は冷却除湿式に対して全てのシステムで下回る結果と

なり,二段除湿外気冷却型と全熱交換型は冷却除湿式の高効率チラーと比較して消費電力

量が40.7~46.7%削減できる結果となった.

(c)に各システムにおける冷凍機の COPを示す.外気負荷が高い case1とcase2において

はデシカント式で用いるCO2冷媒ヒートポンプの冷凍機COPは冷却除湿式の空冷チラーよ り低くなっているが,外気負荷が低いcase3とcase4では冷却除湿式と同等もしくは上回る 結果となっている.また,デシカント式ではCOPは二段除湿外気冷却型が最も高く,全熱 交換型,標準型の順で低くなる結果となった.これは温水温度が影響しており,(f)に示す 冷水温度がデシカント式では約17~20℃とほぼ同等であるものの,(g)に示すように温水温

度がcase1とcase2では二段除湿外気冷却型が61~66℃,標準型が101~106℃,全熱交換型

が約85~88℃と高温になるためCOPが低下する.しかしながら,case3とcase4での温水温

度は二段除湿外気冷却型が46~51℃,標準型が67~71℃,全熱交換型が60~65℃となる.

このように,外気負荷が低く除湿量が少ないケースにおいては温水温度を低くできるため,

ヒートポンプの低温熱源と高温熱源の温度差が小さくなってCOPが向上する.冷却除湿式 の空冷チラーも外気温度が低くなるとCOPが向上するものの,二段除湿外気冷却型と全熱 交換型のCO2冷媒ヒートポンプのCOPが大きく向上し,case3とcase4で冷却除湿式の空冷 チラーのCOPを超える結果となった.

(h)と(i)に示すシステムの運転に必要な冷却量と加熱量は,冷却量はデシカント式の各シ ステム間で大きな差はないものの,加熱量において二段除湿外気冷却型は他のシステムと 比較して概ね高い結果となっている.しかしながら(g)に示すように低い温水温度で運転が 可能であるため,COP を加味した消費電力量では二段除湿外気冷却型は他のシステムより 低くなる傾向がある.

(d)に示す室内熱負荷に対する COP は(a)の全体の室内除去熱量を(b)の消費電力量で割っ

たものである.case1とcase2ではデシカント式の標準型のCOPは1.2程度となり冷却除湿

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式を下回るものの,二段除湿外気冷却型と全熱交換型は 1.7~2.0 程度となり冷却除湿式の 高効率チラーと同等以上となる.また,case3 とcase4では全てのデシカント式は冷却除湿

式より0.8~1.4程度上回る.これは冷却除湿式が除湿時に空気を露点温度である約15℃ま

で冷却する必要があるため,(f)に示すように放射パネル冷水温度は 17~20℃程度であるも のの,冷却コイルに必要な冷水温度が7℃程度と比較的低い.さらに冷却除湿式の冷却量が デシカント式に比べて3.6~5.2kW程度多くなるため,冷却除湿式の冷凍機COPはデシカン ト式より高いにもかかわらず消費電力量は大きくなる.したがって,冷却除湿式において はCOPが3.0を超える高効率なチラーを用いた場合であっても,室内熱負荷に対するCOP

が1.6~1.8程度と低い結果となる.

(j)に各システムにおける冷凍機の負荷率を示す.空冷チラーの冷却能力は比較的高負荷で

あるcase1における運転時に負荷率が1に近いように選定した.また,CO2冷媒ヒートポン

プにおいて,本報では定格出力を定めていないため空冷チラーと同様にcase1における負荷 率を0.9として,各ケースの負荷率を算出した.いずれのケースにおいても負荷率は0.3~

0.9程度となっている.このことから,冷却除湿式の運転には定格冷却能力が118kWの空冷 チラー,各デシカント式の運転には定格加熱能力がそれぞれ二段除湿外気冷却型では

91.3kW,標準型では116.6kW,全熱交換型では99.0kW程度のCO2冷媒ヒートポンプを用い

ればよい.

以上のことから,デシカント式における二段除湿外気冷却型と全熱交換型は冷却除湿式 に対して高い省エネルギー性を有していることが分かった.

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(a) 室内の除去熱量 (b) 消費電力量

(c) 冷凍機のCOP (d) 室内の除去熱量に対するCOP

(e) 再生空気温度(デシカント式のみ) (f) 冷水温度

(g) 温水温度(デシカント式のみ) (h) 冷却コイルの冷却量

(i) 加熱コイルの加熱量(デシカント式のみ) (j) 冷凍機の負荷率

図6.6 室内PMVを一定としたときの各システムの解析結果

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(a)消費電力量 (b) 冷凍機COP

(c) 室内の除去熱量に対するCOP (d) 熱源機器の負荷率

6.7 case5~8における各システムの評価

図6.7(a)~(d)にcase1とcase4の室内PMVをそれぞれ変化させて解析を行った結果を示す.

なお,case5とcase6はcase1を基準として室内PMVをそれぞれ+0.5と-0.5したものであり,

case7とcase8も同様にcase4を基準に室内PMVを変化させた場合である.

(a)に示す各システムの消費電力量に着目すると,case5,1,6においてはcase6で冷却除

湿式の高効率チラーがデシカント式の全熱交換型をわずかに下回る結果となった.これは

(b)に示すようにデシカント式のCOPがcase6において著しく低下するためであるが,室内

PMVの変化によって各システムの優位性が大きく変化するとは言い難い.また,case7,4,

8における全てのデシカント式は冷却除湿式に比べて消費電力量が30.0~42.6%削減できる 結果となった.このことから(c)に示す室内の除去熱量に対するCOPの優位性も同様の結果 となる.case7,4,8でデシカント式の二段除湿外気冷却型の冷凍機COPが全熱交換型より高 いにも関わらず,室内の除去熱量に対するCOPが低くなる原因としては,送風機の消費電 力量の差が顕著に現れたためである.デシカント式においては,低負荷時では各システム 間の省エネルギー性に大きな差はないものの,冷却除湿式に対しては省エネルギー性が高 い.また高負荷時においても,二段除湿外気冷却型と全熱交換型は高効率チラーを用いた 冷却除湿式と同等もしくはそれ以上の省エネルギー性を有している.

(d)に示す負荷率においては,case6で標準型と全熱交換型の負荷率が1.0をわずかに超え

るものの,6.6節で選定した熱源機器の能力で運用可能といえる

図6.7 室内PMVを変化させた場合の各システムの解析結果

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