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▲ 初期モデル

2. 変動要因を分析

 複数プロジェクトで共通に影響度の高い要因の有無 3. 共通要因の軽減・解消に向けた対策の検討

 各要因ごとに改善計画

変動要因 データ

プロジェクト プロジェクト

プロジェクト

共通要因

分析

対策検討 プロジェクト

プロジェクト プロジェクト

変動要因 影響の軽減策の例 チームの経験・知識 ●メンバ教育

●要員確保計画の策定・実施 プロジェクトマネー

ジャの経験・知識

●プロジェクトマネージャの教育

●プロジェクトマネージャの支援体制の整備 システムの複雑さ ●システム可視化ツール等の導入

信頼性要求のレベル

●業務要求に応じた妥当な品質レベルを提案

(過剰品質の回避)

●高信頼性技術・手法の導入 見積り時の要求内容

の曖昧さ

●プロトタイピングプロセスの導入

●顧客の意思決定支援

2.CoBRA法の概要

3.CoBRAモデルの構築方法 4.CoBRAモデルの応用

5.事例紹介

CoBRA法の実績:公開事例

 IPA/SECとIESEの共同研究

 沖電気殿、2005年

SEC Journal No.7 「ハイブリッドなコスト見積りモデルの反復的な構築方法について」、2006年

 「CoBRA法入門」の事例(2007年)

 日立製作所殿

SEC Journal No.13 「CoBRA法に基づく工数見積りモデル構築への取り組み」、2008年

プロジェクトマネジメント学会誌、Vol 10、No.6、2008年

 NTTデータセキスイシステムズ殿

 三菱電機殿

 アイネス殿

 日新火災海上保険殿

 日本IBM殿(2010年)

 社内のアプリケーション開発部門が開発要求元に提出する見積り

SEC Journal No.26 「CoBRA法を使った見積りモデル構築のポイント」、2011年

 NTTデータセキスイシステムズ殿(2007年~現在)

 部内でCoBRAモデルによる見積りを制度化

SEC見積りセミナー

 三菱電機殿(2011年~現在)

オフショアパートナー企業への導入と活用事例:三菱電機殿

 背景

 2007年に自社内向けのCoBRAモデルを構築

 構築には成功したが、見積りプロセスとして組み込むまでにはいかなかった。

 ソフトウェア開発においては、国内パートナー会社に加えて、2004年度から海外 オフショアの活用が拡大傾向

 海外オフショアの作業見積りは、プログラム開発が中心であり、発注元の事業分 野にはあまり影響されない

 モデルを一つ作れば、すべての案件に適用できる可能性

 目的

 従来の標準生産性による見積りと平行して、変動要因(リスク)を考慮した見積り を作成し受発注側で共通認識を実現すること

 継続的に開発を委託している会社とは同じゴールを目指すWin-Winの関係が構

築できている。CoBRA法による見積りを通じて、両者でリスクの影響度、優先度

及び対応策について認識を合わせ、力を合わせてリスクをコントロールできるよう

になることを期待

CoBRAモデルの構築

【モデル構築体制】 オフショア先 合計10名

(マネージャクラス:2名、開発リーダークラス:8名)

【モデル構築支援】 委託元 2名

【対象プロジェクト数】 17プロジェクト

(内3プロジェクトはモデル構築途中に除外)

【抽出された要因数】 12個

【導入のポイント】

 双方トップレベルで、目的の確認と共通認識(重要!)

 双方で、推進体制の構築、標準プロセスへの組込み

 現地での説明会(関係者への周知)

IPA/SEC ツールの活用

モデル(変動要因)

プロジェクト要因

プロダクト要因

プロセス要因 人的要因

C01

オフショアメンバーの開発技術スキル

C04

当社(日本側)とオフショアチームの コミュニケーション

C02

当社(日本側)の業務経験・知識

C03

オフショアメンバーの開発プロセスの 経験・知識

C05

オフショアメンバーの業務経験・知識

C06

オフショアPLのマネージャ経験・知識

C07

オフショア担当の開発期間の制約

C08

見積り時の要求内容の曖昧さ

C09

業務(データ)の複雑さ

C10

システムの複雑性

C11

フレームワークの利用可能度

C12

当社(日本側)の参画度合い

工数

CO# レベル0定義 レベル1定義 レベル2定義 レベル3定義

C01 80%以上確保(例.6人のうち5人以上) 65%以上80%未満確保(例.6人のうち4人) 50%以上65%未満確保(例.6人のうち3人) 50%未満確保(例.6人のうち2人以下)

C02 リーダに知識・経験があり、メンバの誰かは サポート可能。

リーダのみ知識・経験がある。 リーダに知識・経験がないが、メンバの誰か はサポート可能。

全員が初めての業務。

C03 下記のすべてを満たす。

・過去一緒に同じプロセスでした経験がある。

・様式も既に確定している。

・設計基準、コーディングが確定している。

下記のいずれか2つを満たす。

・過去一緒に同じプロセスでした経験がある。

・様式も既に確定している。

・設計基準、コーディングが確定している。

下記のいずれか1つを満たす。

・過去一緒に同じプロセスでした経験がある。

・様式も既に確定している。

・設計基準、コーディングが確定している。

プロセスは経験なし、様式、設計基準、コー ディングも確定していない。

C04 日本側プロジェクトPM、PLと一緒にプロジェ クト開発経験があり。

日本側プロジェクトPMまたはPLのどちらか と一緒にプロジェクト開発経験があり。

日本側プロジェクトのTL、メンバーと一緒に プロジェクト開発経験があり。

日本側PJ担当部署とのプロジェクト開発経 験がない。

C05 リーダに知識・経験があり、メンバの誰かは サポート可能。

リーダのみ知識・経験がある。 リーダに知識・経験がないが、メンバの誰か はサポート可能。

全員が初めての業務。

C06 プロジェクトマネージャの経験本数が6件以 上、又は経験年数で丸3年以上。

プロジェクトマネージャの経験本数が3件以 上(6件未満)、又は経験年数で丸2年以上

(3年未満)。

プロジェクトマネージャの経験本数が1件以 上(3件未満)、又は経験年数で丸1年以上

(2年未満)。

プロジェクトマネージャを未経験(今回が初 めての経験)。

C07 妥当な工期どおり。またはそれ以上の期間 がある。

妥当な工期から、10%未満圧縮。 妥当な工期から、10%以上30%未満圧縮。 妥当な工期から、30%以上圧縮。

C08 要求仕様書があり、設計仕様をイメージで きる要求事項の比率が9割以上。

要求仕様書があり、設計仕様をイメージで きる要求事項の比率が7割以上9割未満。

要求仕様書があり、設計仕様をイメージで きる要求事項の比率が5割以上7割未満。

下記のいずれかを満たす。

・要求仕様書がない(口頭のみ)。

・設計仕様をイメージできる要求事項の比 率が5割未満。

C09 ・テーブル数:10未満。

・外部I/Fのフォーマット数:0(なし)。

・テーブル数:10以上45未満。

・外部I/Fのフォーマット数:1以上15未満。

・テーブル数:45以上100未満。

・外部I/Fのフォーマット数:15以上30未満。

・テーブル数:100以上。

・外部I/Fのフォーマット数:30以上。

CO10 画面、帳票、アルゴリズムのすべてにおい て複雑なものがない。

画面、帳票、アルゴリズムのいずれか1つが 複雑。

画面、帳票、アルゴリズムのいずれか2つが 複雑。

画面、帳票、アルゴリズムのすべてが複雑。

CO11 過去に使用したフレームワークがそのまま 使用できる。

日本側の案件で過去に使ったものが流用で きる。

日本側の案件では流用できるフレームワー クがないが、オフショア側には類似のフレーム ワークがある。

全く新規に利用するフレームワークである。

CO12 下記のすべてを満たす。

・日本側窓口が専任

・日本側窓口のレスポンスが良い。(3日間

下記のいずれか2つが満たされる。

・日本側窓口が専任である。

・日本側窓口のレスポンスが良い。(3日間

下記のいずれか1つが満たされる。

・日本側窓口が専任である。

・日本側窓口のレスポンスが良い。(3日間

下記のすべてを満たす。

・日本側窓口が兼任。

・日本側窓口のレスポンスが悪い。(3日間

変動要因の定義 参考

モデル構築と改善~最終モデル完成

工数算定式 工数= α × 規模 × (1 + ΣCOi) α=0.44

参考

変動要因モデルの特徴

CO#

要因名称 カテゴリ 変動要因の主な関係先

オフショア側 日本側 システム要件 C01 オフショアメンバーの開発技術スキル 人的要因 ●

C02 当社(日本側)の業務経験・知識 ●

C03 オフショアメンバーの開発プロセスの経験・知識 ●

C04 当社(日本側)とオフショアチームのコミュニケーション ● ●

C05 オフショアメンバーの業務経験・知識 ●

C06 オフショアPLのマネージャ経験・知識 ●

C07 オフショア担当の開発期間の制約 プロジェクト要因 ●

C08 見積り時の要求内容の曖昧さ プロダクト要因 ●

C09 業務(データ)の複雑さ ●

CO10 システムの複雑性 ●

CO11 フレームワークの利用可能度 ●

CO12 当社(日本側)の参画度合い プロセス要因 ●

オフショア先は物作りが主体作業のため、開発作業を進める「人的要因」と、

開発のインプットとなる「システム要件」の変動要因を重視

→開発する「システム要件」の明確化と、オフショア側の適切な「開発体制」

作りがポイント

導入・活用の効果:結果

 見積り工数に大きく影響する変動要因を「全て」「定量的に」相互に共通認 識できるようになった。

 その結果、プロジェクト推進中に適切にリスクをコントロールすることにより、プロ ジェクトを成功(品質、工期)へと導く確率が向上

 変動要因の共通認識の深化

 完了時点で、再度変動要因(CO)の状況を評価することにより、「見積り時点、計 画時点の問題」を再認識

 完了時点で、再度変動要因(CO)の状況を評価することにより、「プロジェクト遂 行時の変動要因コントロールの問題」を再認識

 パートナー企業との相互信頼関係強化

 コミュニケーションのツールとして、お互いに主なリスクの認識に効果

 パートナー内部として、リスクを明記することで、リスクを軽減

 CoBRA手法の運用に伴って、過去の分析結果により見積精度の改善に役立つ

関連したドキュメント