一、第一類増値電信業務
(一)オンラインデータ処理及び取引処理業務(在线数据处理与交易处理业务)
(二)国内多地点通信服務業務(国内多方通信服务业务)
23 中欧增值电信业务研讨会(北京, 2007 年4月25日)の資料に添付の「关于重新调整《电信 业务分类目录》的通告」(電信業務分類目録)(国務院工業和信息化部、2003年2月21日公布、
2003年4月1日施行)参照。
(http://www.euchinawto.org/index.php?option=com_docman&task=doc_download&gid=13 4)
(三)国内インターネットVPN業務(国内因特网虚拟专用网业务)
(四)インターネットデータセンター業務(因特网数据中心业务)
二、第二類増値電信業務
(一)データ蓄積、転送業務(存储转发类业务)
(二)コールセンター業務(呼叫中心业务)
(三)インターネット接入(接続)服務業務(因特网接入服务业务)ISP
(四)情報服務(情報サービス)(信息服务业务)
移動増値電信業務(移动网增值电信业务): SP インターネット情報服務業務(因特网信息服务业务):ICP
(国務院工業・情報化部「電信業務分類目録」、JETRO資料を基に作成)
同目録では、「増値電信業務」をさらに「第一類増値電信業務」と「第二類増値電信 業務」とに分類しているが、後者の「第二類増値電信業務」の中に、さらに「情報服務 業務」(信息服务业务:情報サービス)というカテゴリーが設けられており、固定網、
移動網、インターネットを通したエンドユーザーに対するコンテンツサービス、エンタ ーテイメント/ゲームなどの情報サービス、ビジネス情報、位置情報等のサービスなど は、この「情報服務業務」というカテゴリーに属すこととなる。
そして、さらにこの「情報服務業務」という分類の中に位置づけられるのが、「移動 網付増値電信業務」(移动网增值电信业务:一般にSP [service provider] と呼ばれる 事業者により実施される業務)という事業カテゴリーであり、また「インターネット情 報サービス業務」(因特网信息服务业务:一般にICP [ internet content provider] と呼 ばれる事業者により実施される業務)24という事業カテゴリーである。
24「移动网信息服务业务」(移動網情報サービス)という名称が用いられる場合もあるようであ る。例えば広東省通信監理局のウェブサイト参照。(http://www.gdca.gov.cn/promise/index.asp)
図表 中国のモバイルコンテンツ配信サービスの法的位置づけ
ここで注意しなくてはならないのは、情報服務業務(情報サービス)として見た場合、
モバイルコンテンツ配信サービスとは、「移動網増値電信業務」(移动网增值电信业务)
と、「インターネット情報サービス業務」(因特网信息服务业务)の二つの事業カテゴ リーが関連するサービスとしてとらえる必要があるという点である。この点は後述する。
電信業務 増値電信業務
信息服務業務(情報サービス)
移動網付増値電信業務 (移动网增值电信业务:
SPが実施)
インターネット情報サービス業務 (因特网信息 服务业务:ICPが実施)
4-2-3. 移動網付加価値電信業務及びSP
「SP」(value added mobile Service Provider)とは、電信条例及び「電信業務分類目 録」によって定められた「情報服務業務」(情報サービス)としての移動網増値電信業 務を実施する電信事業者である。
移動網増値電信業務は、中国移動などキャリアのプラットフォームを利用して行われ る事業である。当該事業を行うためには、「電信業務経営許可証管理弁法」(「电信业 务经营许可证管理办法」(国務院工業・情報化部、2001年12月26日)に基づき、「増 値電信業務経営許可証」を得る必要がある。25 この移動網増値電信業務を実施するた めの増値電信業務営業許可証が、一般に「SP免許」と呼ばれているものである。
日本の場合、モバイルインターネット上でモバイルコンテンツビジネスを展開する場 合、キャリアの公認サイトを運営するか、あるいは一般サイト(勝手サイト)を運営す るという二つのかたちがある。中国のSPも、これと似たようなコンテクストにおいて 理解することができるであろう。すなわち、中国のモバイルコンテンツビジネスは、中 国移動などのキャリアと正式に提携関係を組んでビジネスをする事業者、すなわちSP と、そうではなくいわゆる「フリーWAP」などと呼ばれる一般サイトなどでビジネス をする場合とに分けて考えることができるということである。
SPとして事業を展開するためには、SPとしての増値電信業務経営許可証(SP免許)
を国務院工業・情報化部(複数地域をカバーするサービスの場合)あるいは省、自治区、
直轄市の通信管理局(特定地域内でのサービスの場合)から得る必要がある。
携帯キャリアとの SP提携
SP免許を獲得することにより、当該事業者は、キャリアのモバイルネットワークお よびプラットフォームにアクセスして、そこでサービスを展開する資格を得たというこ とになる。
しかしこのライセンスは、あくまでも資格を得たということを意味するのであり、実 際にSPとして事業するためには、さらにモバイルキャリアとのあいだで、「合作」(提
25 「电信业务经营许可证管理办法」については中国互联网络信息中心(China Internet Network
Information Center:CNNIC)のウェブサイトで本文を参照。
(http://www.cnnic.net.cn/html/Dir/2003/12/12/1987.htm)
携)関係を結ぶ必要がある。つまり、SPとしての事業展開、キャリアのプラットフォ ームへのアクセスのためには、2段階の承認のプロセス(規制当局の許認可及びキャリ アとの提携)が必要なのである。
図表 SPとキャリアとの関係
キャリアとの間のSP提携については、その基本的な枠組みに関する規則がキャリア によって設けられている。中国移動(チャイナモバイル)のモンターネット(移动梦网)
の場合、「モンターネットSP提携管理弁法」(移动梦网 SP 合作管理办法)という提 携に関する諸規則があり、SPになるためには、同規則に基づいて、提携のための協定 をキャリアとの間で締結することが必要となる。26
上述のように、移動網増値電信業務を実施するための増値電信業務経営許可証(SP 免許)とは、キャリアのプラットフォームを利用してビジネスを行うことができるとい う資格として考えることができる。SP自体がエンドユーザーへの有料コンテンツ配信 を実施するためのサイトを持ったり、また規制対象である諸コンテンツを扱うことにな ったりする場合は、さらなる許認可が必要となる点には注意が必要である。
26 モンターネットのSP合作管理弁法については、以下のサイトを参照。
http://www.monternet.com/moneditor/cs/SP/cmcc/
4-2-4. インターネット情報サービス業務及びICP
「インターネット情報サービス管理弁法(互联网信息服务管理办法:国務院、292号、
発行/施行2000年9月25日)27に基づき、モバイルインターネット上で配信サービス を実施する場合、そのサービスはインターネット信息服務業務とみなされる。特に営利 を目的としたサービス(「経営性」と呼ばれる)の場合、いわゆるICP免許(正確に は「互联网信息服务增值电信业务经营许可证」(インターネット情報サービス増値電信 業務経営許可証)を必要とすることになる。ICPとはインターネット・コンテンツ・プ ロバイダー(internet content provider)の意である。SP免許同様に、これも増値電信 業務のカテゴリーに置かれているが、SP免許とはその適用範囲を異にするサービスで ある。
SPであれ、フリーWAPを運営する事業者であれ、あるいはポータルサイトを運営す るキャリアでさえ、「インターネットを通じてネットユーザーに対し、情報又はホーム ページの制作等を有償にて提供するサービス活動」すなわち「経営性」の事業者について は、ICP免許が必要となる。
なお、「非経営性」のサービスの場合ICP免許は必要ないが、届出が必要となる。
インターネット情報サービスの経営性、非経営性の違いは、以下の通りである。28
経営性インターネットサービス増値電信業務
- インターネットを通じてネットユーザーに対し、情報又はホームページの制作 等を有償にて提供するサービス活動
非経営性インターネットサービス増値電信業務
- インターネットを通じてネットユーザーに対し、 公開性、共有性を有する情 報を提供するサービス活動
27 JETRO「インターネット情報サービス管理弁法」第三条参照。
(http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/law/pdf/invest_036.pdf)。原文は工业和信息化部のサ イトを参照
(http://www.miit.gov.cn/n11293472/n11293877/n11301753/n11496139/11537440.html)。
28 同上。
この区分は、より具体的には、概ね次のように理解することができるであろう29。す なわち、有料課金コンテンツを提供するWAPサイトなどは、「経営性」ということで ICP免許が必要になり、一方、そうでないサイトについては、「非経営性」ということ で、届出が必要となる、といったような理解である。
例えば、コンテンツをダウンロードやストリーミングによって有料でエンドユーザー に提供する事業者は、経営性とみなされる可能性がある。
しかし、事業を営んでいるが、そのプロモーションのためのサイトであったり(一般 的な企業サイトなど)、エンドユーザーからはは料金を取らず、であり求人募集を実施 する企業の側から広告掲載料等を徴収するといったかたちの求人サイトなどは、ICP免 許の取得は必要ではなく、非経営性として届出のみでサイトを開くことができる可能性 が高い。
ただし、この区分の実際の運用については、各地域の当局毎に解釈が異なる、あるい は行政官によっても解釈が異なるようであり、要するにグレーゾーンが存在することを 理解しておかなくてはならない。
29 以下の理解は、あくまでも事業者等に対するヒアリングベースでの情報に基づく理解であり、
実際の許認可においては中国当局の判断を考慮する必要があり、慎重に対処することが重要であ る。