2. アンケート調査結果
2.2 液状化による管路施設被害
2.2.3 埋め戻し部の液状化による被害
(1) 被害の概要
埋め戻し部の液状化(部分液状化)による被害形態を整理すると以下のとおりである。
埋め戻し部の液状化で管路に被害を受けている自治体は61自治体であり、管きょ被害では滞
水が52%、人孔被害では突出が52%であった。
3,721 40.5%
4,735 51.5%
64 0.7%
672
7.3% 路面異常(箇所)
滞水(箇所)
土砂堆積(箇所)
本管破損(箇所)
埋め戻し部の液状化による被害(管きょ)
113 2.3%
1,337 26.9%
2,602 52.4%
273 5.5%
640 12.9%
鉄蓋(個)
躯体(個)
突出(個)
沈下(個)
管接合部(個)
埋め戻し部の液状化による被害(人孔)
図2-9 埋め戻し部の液状化(部分液状化)による被害形態
栃木県真岡市人孔突出、路面異常 栃木県大田原市人孔突出、路面異常
写真2-2 埋戻し部の液状化による管路施設の被害状況
31 (2) 管きょ被害と震度階級
管きょ被害と震度階級の状況を整理すると、震度7で1.83%、震度6強で1.58%、震度6弱で
1.66%、震度5強0.96%の被害率であり、全体では1.60%の被害率と、震度階級にほぼ比例して
被害率が増加する傾向となった。
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2
5弱 5強 6弱 6強 7
東北地方太平洋沖地震
被害率(%)
震度階級
図2-10 震度階級と被害率の関係(埋戻し部の液状化)
震度階級毎に管きょの被害内容を整理すると、震度6弱を超えるとほぼ同じ比率で被害が発生 しいる。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
5弱 5強 6弱 6強 7
本管破損 土砂堆積 滞水 路面異常
被被害比率
震度階級
図2-11 震度階級と管きょ被害内訳の関係(埋戻し部の液状化)
震度階級によって、ほぼ比例して被害が増加する傾向が見られるが、管きょの被害内容の比率は 震度6弱を超えてからは、ほぼ同じであることがアンケート結果より得られた。
32
一方、人孔被害では、震度6弱を超えるとさまざまな部位で被害が発生しており、人孔の沈下 被害も発生していることが確認された。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
5弱 5強 6弱 6強 7
管接合部 沈下 突出 躯体 鉄蓋
被害比率
震度階級
図2-12 震度階級と人孔被害内訳の関係(部分液状化)
(3) 管種別の被害率
埋戻し部の液状化の管種別被害率は、ヒューム管で 0.83%、塩ビ管で2.34%、陶管で 3.95%で あった。埋戻し部の液状化で管種別の被害率が異なるのは、埋設深、管の重量、管の構造、強度 等の違いによるものと考えられる。
埋め戻し部の液状化被害は、埋戻し部が液状化することによる管きょの浮き上がり被害が特徴 的な被害となっており、単位体積重量の軽い塩ビ管の方がヒューム管よりも被害率が高い。
また、陶管での被害は、仙台市で発生している。
表2-4 埋戻し部の液状化による管種別被害率
項目 ヒューム管 塩ビ管 陶管 整備延長(km) 5,283 8,311 328 被害延長(km) 44 195 13 被害率(%) 0.83 2.34 3.95
対象団体数 33 55 1
図2-13 埋戻し部の液状化による管種別被害率
0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50
ヒューム管 塩ビ管 陶管
被害率
部分液状化による管種別被害率
33
(4) 過去の地震との比較
埋戻し部の液状化が原因で下水道施設に大きな被害を発生させた新潟県中越地震の被害事例 との比較を行う。
新潟県中越地震では、震度7で21.6%、震度6強で16.7%、震度6弱で4.1%、震度5強で3.8%、
震度5弱0.8%の被害率で、全体では4.7%の被害率であった。
一方、今回の地震では、埋戻し部液状化被害は震度7で 1.8%の被害率であった。被害率は新 潟県中越地震の被害より低い傾向であった。
表2-5 過去の地震動との比較(埋戻し部の液状化)
新潟県中越地震 東北地方太平洋沖地震
【管渠】
第1位 路面異常 5,908箇所 第2位 人孔滞水 3,149箇所
【人孔】
第1位 突出 1,453箇所 第2位 躯体 604箇所
【管渠】
第1位 人孔滞水 4,735箇所 第2位 路面異常 3,721箇所
【人孔】
第1位 突出 2,602箇所 第2位 躯体 1,337箇所
図2-14 震度階級と被害率の関係
埋戻し部の液状化による被害を、今回の地震と新潟県中越地震とで被害内容を比較すると、管 きょ被害では、路面異常と人孔滞水が上位2位を、人孔被害では突出と躯体が上位2位を占め、
両地震の被害状況は同様な傾向であった。
(5)埋戻し部の液状化による被害整理
・管きょ被害では、路面異常や滞水被害が大半を占めている。
・人孔被害は、躯体や突出の被害が多くなっている。
・管きょは震度階級にほぼ比例して被害率が増加する。
・管種別の被害率は、ヒューム管、塩ビ管、陶管の順で大きくなっていく。
0.8
3.8 4.1
16.7
21.6
0 1.0 1.7 1.6 1.8
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0
5弱 5強 6弱 6強 7
新潟県中越地震 東北地方太平洋沖地震
被害率(%)
震度階級
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