第3章 「清水森ナンバ」の生産・加工・販売の取り組みについて
第2節 「在来津軽清水森ナンバブランド確立研究会」の活動 について
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第2節 「在来津軽清水森ナンバブランド確立研究会」の活動
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④行政機関
青森県の行政機関として、県総合販売戦略課、中南県民局地域農林水産部農業振興課、
中南県民局地域農林水産部農業普及指導室、県農業試験場、社団法人青森県ふるさと食品 振興協会、弘前市の行政機関として、弘前市農政課、弘前市りんご農産課が支援組織とし て研究会の活動を支えている。これら支援組織は、栽培指導、生産データの収集、広報紙 などによる研究会活動の紹介などを行っている。
図 4「在来津軽清水森ナンバブランド確立研究会」の構成・役割
出所:「産学官連携で弘前のトウガラシをブランド化 生産者最後の1人から反転攻勢」独立行政法人 科学技術振興機構『産学官の道しるべ』HP
(http://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2009/03/articles/0903-02-5/0903-02-5_article.html) より
より抜粋。
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⑤生産者
生産者は、特産品センターからの苗を利用してナンバを生産する。生産したナンバは、
特産品センターに買い取ってもらうほか、直売所で自由に価格を設定して販売することも できる。特産品センターに買い取ってもらったナンバは、特産品センターから食品製造業 者へ販売される。
⑥食品製造業者
特産品センターから買い取ったナンバを使って、加工品の製造、新製品の開発も行って いる。加工品の製造・開発は、青森県ふるさと食品研究センターの指導の下、食品製造業 者、飲食店が共同で進めてお り、開発された商品は約50品 目あるという。写真の前段に あるのが、「一味唐辛子」、中 段の左から「さもだし南蛮漬 け」、「清水森ナンバ醤油漬」
である。
この他、地元の飲食店が開 発した商品には、新聞や雑誌 で取り上げられているものも 多い。例えば、弘前市にある
「 ア ジ ア ン エ ス ニ ッ ク 居 酒 屋・弦や」では清水森ナンバ を使ったグリーンカレーを提 供しているという。また、清 水森ナンバを使ったスイート チリソースやラー油などの商 品も開発している。商品を開発した弦やの坂本美弦氏は、「清水森ナンバの香りやほどよい 辛さが良い」と素材の良さを認め、消費者の嗜好に合った商品づくりに力を入れていると いう6。また、弘前市のそば店「彦庵」では、清水森ナンバを練り込んだうどんを開発して いる。開発した石戸谷店主は、「地元の産品を使った弘前ならではの商品を作ることで、産 品の良さを知ってもらいたい」と商品づくりへの思いを寄せている7。
以上、研究会の構成と各主体の役割について概観した。研究会には地域の多様な主体が 参画しているが、このことについて研究会会長である中村氏は、「一つの産品に関し、ここ まで大がかりな組織を形成し、活動するのは全国でも例を見ないだろう」と語っている。
また大学・研究者の立場で研究会に参与してきた渋谷氏は、多様な主体が参与することで 図 5 清水森ナンバ加工品の一部
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生まれる効果として社会的信用の向上を挙げ、それにより行政・大学などからの支援獲得 が円滑化し、さらにマスコミに注目されることで研究会活動や作物・商品の認知度が高ま ってきたことを指摘している8。農業・商業・工業、さらには行政や JA、大学など、地域 内の多様な組織・団体が参画することで行政支援が受けやすくなり、さらに一般市民への 社会的信用を高める点でも、大学や行政が関与している意義は大きいという。
このように、地域の多様な主体が参画することにより、農業を軸としたネットワーク形 成がなされること、それにより生産・加工・販売、研究など幅広い活動が可能になってい る点に注目したい。
次節では、清水森ナンバの取り組みに見られる「地域資源の有効活用」、「多様な主体の 参画」という2つの視点について、更なる検討を加えていきたい。