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自己資本・ネット DER 推移

代表取締役専務執行役員 代表取締役専務執行役員 CFO 兼 財経・リスクマネジメント管掌 兼 CFO 兼 財経・リスクマネジメント管掌 兼 主計・財務・為替証券担当 主計・財務・為替証券担当

茂木 良夫 茂木 良夫

 「中期経営計画 2014 」では、企業価値向上に向け、資産規 模を変えずに収益性を高め、自己資本の充実を通じて、積極的 に攻めに打って出られる体力を確立していくことを目指してい ます。すなわち、計画達成の最大の課題は、資産の入れ替えを 進めて資産の質の良化を図ることです。

 「中期経営計画 2014 」の初年度である 2013 年 3 月期は、

中国経済の成長率鈍化やエネルギー・金属資源価格の急落と いった事業環境の変化により、当初利益計画を下方修正するこ ととなりました。自己資本については、収益の積み上げに加え、

株価の回復と円安基調を背景に、大きく改善することができまし た。資産の入れ替えについても、計画どおりの資産圧縮・資金回 収を実現しており、期初見通しと比較すると PL 上の損失計上も 少なく、十分な成果を上げられたと認識しています。

 一方で、新規投融資については外部環境の変化などを背景 に、支払ベースでは若干の遅れが生じています。 「中期経営計画 2014 」策定時に掲げた ROA2% 以上という財務目標には、いま だ開きがある現状を踏まえても、良質な資産の積み上げが今後 の重点課題となります。財務の健全性が高まった現在、今後の調 達環境の見通しは明るいものと捉えていますが、昨今の円安基 調に鑑み、投融資を加速するため、外貨建ての調達にも積極的 に取り組んでいく考えです。また、今後の新規投融資では事業 投資案件が増えてくるため、投資先企業への社員の派遣が増加 するなど、リスク要因はますます多様化してきます。人材育成に はさらに注力していく必要があると捉えています。

 良質な資産を積み上げ、人材を育成し、より強靭な会社に 変革することで、一層大きく魅力的な事業ができるようになり、

それを求めて新たな良い人材が集まる ――― この繰り返し、

すなわち好循環を作ることができれば、 50 年、 100 年と成長を 続ける企業になれるのだと思います。

 この過程において、私たちの役割は、一歩でも二歩でも前へ 進んでいくことです。将来にわたる企業価値を向上していくた め、双日は着実に改革を進めてまいります。

CFO メッセージ

50 年、 100 年と成長を続ける企業となるため

資産の質を高め、自己資本を拡充していく改革を、

着実に進めてまいります。

単位:百万円 単位:千米ドル(*1

2013 (IFRS)

2012 (IFRS)

2011 (IFRS)

(日本基準)2011 2010

(日本基準) 2009

(日本基準) 2013 (IFRS) 経営成績

売上高(*2 ... 3,934,456 4,321,734 — 4,014,640 3,844,418 5,166,183 41,855,914 収益 ... 1,747,750 2,006,649 — — — — 18,593,085 売上総利益 ... 187,245 217,066 — 192,725 178,203 235,618 1,991,968 税引前利益 ... 28,052 58,457 — 39,312 18,895 37,071 298,425 当期純利益

(親会社の所有者に帰属) ... 13,448 △1,040 — 15,982 8,794 19,001 143,063 基礎的収益力(*3 ... 38,395 65,812 — 41,891 14,424 48,347 408,457

営業キャッシュ・フロー ... 55,124 88,723 — 67,863 107,223 103,729 586,425 投資キャッシュ・フロー ... △11,652 △42,280 — △19,903 28,439 △17,198 △123,957 財務キャッシュ・フロー ... △56,177 △29,530 — △72,054 △102,597 △5,958 △597,627 フリー・キャッシュ・フロー ... 43,471 46,443 — 47,960 135,662 86,531 462,457 財政状態(会計年度末)

総資産 ... 2,150,050 2,190,692 2,170,145 2,116,961 2,160,919 2,312,958 22,872,872 親会社の所有者に

帰属する持分 ... 382,589 329,962 346,285 330,028 352,627 318,991 4,070,095

資本 ... 411,298 355,180 373,223 355,511 377,404 355,503 4,375,510

有利子負債 ... 1,077,008 1,118,046 1,115,823 1,116,303 1,193,518 1,286,960 11,457,531 ネット有利子負債 ... 643,323 676,336 697,146 700,608 737,790 865,330 6,843,861

単位:円 単位:米ドル(*1

1株当たり情報

基本的1株当たり当期利益 又は損失(親会社の所有者

に帰属) ... 10.75 △0.83 — 12.77 7.08 15.39 0.11

1株当たり親会社所有者帰属

持分/1株当たり純資産(*4 ... 305.81 263.74 — 263.79 281.69 256.17 3.25 1株当たり配当額(*5 ... 3.00 3.00 — 3.00 2.50 5.50 0.03 財務指標

ROA(%) ... 0.6 △0.0 — 0.7 0.4 0.8

ROE(%) ... 3.8 △0.3 — 4.7 2.6 4.8

親会社所有者帰属持分

比率(%) ... 17.8 15.1 16.0 15.6 16.3 13.8

ネットDER(倍) ... 1.7 2.0 2.0 2.1 2.1 2.7

連結配当性向(%)(*56 ... 27.9 — — 23.5 35.6 35.7

(注)当社は、2013年3月期より、2011年4月1日を移行日として国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表を作成しております。

日本基準による用語では「当期純利益(親会社の所有者に帰属)」は「当期利益」、「親会社の所有者に帰属する持分」は「自己資本」、「資本」は「純資産」、「基本的1株当たり当期利益又 は損失(親会社の所有者に帰属)」は「1株当たり当期純利益又は損失」、「親会社所有者帰属持分比率(%)」は「自己資本比率(%)」を示しております。

(*1)米ドル金額は、読者の便宜のため、2013年3月31日現在の東京外国為替市場での円相場1米ドル = 94円で換算しています。

(*2)「売上高」は、日本の会計慣行に従い、当社グループが当事者として行った取引額及び当社グループが代理人として関与した取引額の合計を示しております。

(*3)基礎的収益力 = 売上総利益 + 販売管理費(貸倒引当金繰入・貸倒償却を除く)+ 金利収支 + 受取配当金 + 持分法による投資利益

(*4)IFRSでは「1株当たり親会社所有者帰属持分」、日本基準では「1株当たり純資産」を示しております。

(*5)当社の普通株式に係る年間配当金額です。連結会計年度末の発行済株式数をもとにした連結配当性向を記載しています。

(*6)2012年につきましては当期純損失(親会社の所有者に帰属)が計上されているため、配当性向を記載しておりません。

2013年、2012年、2011年、2010年および2009年3月期

財務サマリー

双日の経営戦略 双日の営業戦略 経営体制 双日グループの

社会的責任 組織情報 財務セクション

双日株式会社 アニュアルレポート2013 95

1. 概況

 当連結会計年度(以下、

2013

3

月期という)において は、日米欧いずれにおいても景気回復の見通しが立たず、

新興国においても内需の伸長による成長期待はあるもの の先進国への輸出の減少や投資資金の流入減少の影響を 受けるなど、世界経済は不透明な中でスタートしました。

 米国では、金融緩和による下支えやシェール革命の恩恵 もあり、年度後半からは個人消費が堅調となり、失業率の 低下や設備投資に回復が見られました。他方、財政面では いまだ根本的な解決には至っておらず、不安定要素を抱え たままの状況が続きました。

 欧州では、財政危機を脱したものとみられましたが、キプ ロスでペイオフが起こるなど、新たな混乱も散見され、経 済成長率は引き続きマイナスとなりました。

 中国では、世界的な経済情勢から鑑みると依然として高 い経済成長率を持続したものの、公共投資が抑制されたこ とや欧州向けの輸出不振を受け、

1999

年以来の低い成長 率となりました。

ASEAN

経済は、欧米や中国経済の減速を受けて輸出 が減少しましたが、堅調な内需が補完する形で成長率の低 下を抑え、比較的好調でした。

 日本経済は、昨年末より新政権発足への期待感から市 場は円安・株高傾向に転じ、さらに安倍政権の経済政策発

表を受けて景気回復への期待が広がりましたが、全般的に は、世界経済の低成長の影響を受けた年度となりました。

2. 業績

 当社グループは

2015

3

月期を最終年度とする

3

ヵ年 計画「中期経営計画

2014

Change for Challenge

〜」を策定し、その初年度である

2013

3

月期は、欧州債 務問題の長期化や中国をはじめとする新興国における景 気減速懸念などにより当社の取扱商品についても需要の 減少や価格の下落があり、税引前利益は

281

億円と前期 比

304

億円の減益となりました。一方、当期純利益(当社 株主帰属)は、前期に税制改正に伴う繰延税金資産の取り 崩しがあったことにより、

134

億円と前期比

145

億円の改 善となりました。

 当期の経営成績を分析しますと、次のとおりです。

①収益

 収益は、

1

7,478

億円と前期比

12.9%

の減少となりま した。セグメント別では、機械では

9.5%

、エネルギー・金属 では

17.5%

、化学では

13.3%

、生活産業では

10.8%

とそ れぞれ前期比減少となりました。その他では前期比

13.2%

の増加となりました。

25,000

20,000

15,000

10,000

5,000

0

(億円)

20,066

17,478

12.3 13.3

150

100

50

0

50

(億円)

△10

134

12.3 13.3

売上総利益 当期純利益 (当社株主帰属)

収益

2,500

2,000

1,500

1,000

500

0

(億円)

2,171

1,872

12.3 13.3

財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析

双日の経営戦略 双日の営業戦略 経営体制 双日グループの

社会的責任 組織情報 財務セクション

②売上総利益

 取扱数量減少や価格の下落などによるエネルギー・金属 の減益などにより、前期比

298

億円減少の

1,872

億円とな りました。

③営業活動に係る利益

 販売費及び一般管理費が減少したものの、売上総利益の 減益により前期比

320

億円減少の

255

億円となりました。

④税引前利益

 営業活動に係る利益の減益などにより、前期比

304

億円 減少の

281

億円となりました。

⑤当期純利益(当社株主帰属)

 税引前利益

281

億円から、法人所得税費用

111

億円を 控除した結果、当期純利益は

170

億円となりました。また、

当期純利益(当社株主帰属)は前期比

145

億円改善し、

134

億円となりました。

3. 事業セグメントの状況

 セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 なお、

2013

3

月期より、従来は「生活産業」の区分に 属していた国内不動産関連事業を、「その他」へ事業区

分を変更しています。また、従来の「化学品・機能素材」を

「化学」へ変更しています。

①機械

 船舶関連取引の減少などにより、収益は

3,265

12

百万円と前期比

9.5%

の減少となりました。当期純利益(当 社株主帰属)も前期比

70

49

百万円減少し、

7

74

百万 円の損失となりました。

 自動車分野においては、米国が緩やかながらも景気回復 傾向にあることなどから、全世界規模で自動車需要が拡大 している中、当社の取扱いについては、東南アジア、中南 米向けは順調に進捗しましたが、一方で計画した販売台数 に届かなかった地域も一部では見られ、収益は前期比減少 しました。今後も成長著しい東南アジア、中南米市場での 事業強化を図るとともに、持続的成長に向けた新たな価 値を創出していきます。

 インフラプロジェクト・産機分野においては、ベトナム、ロ シアなど、当社が強みを持つ新興国で受注残高を積み上 げています。また、

2011

3

月期に出資参画したサウジア ラビア、オマーンにおける大型

IPP

(独立系発電事業)が商 業運転を開始、アジアにおける

IPP

でも優先交渉権を獲得 するなど、中長期的な安定収益基盤の構築に向けた取り 組みも進めています。そのほかにもアフリカにおいて日本 企業として初めてとなるガーナでの海水淡水化事業に参 入するなど、新興国の発展に貢献していきます。

販売費及び一般管理費 (単位:百万円)

2012. 3 2013. 3 従業員給付費用 ... 80,111 80,654 旅費及び交通費 ... 6,927 6,740 賃借料 ... 11,598 10,584 業務委託費 ... 10,772 10,179 減価償却費及び償却費 ... 6,632 6,616 その他... 37,621 36,316 合計 ... 153,663 151,091

双日株式会社 アニュアルレポート2013 97