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第 3 章 各学年の目標及び内容 第 1 節 第1学年の目標と内容

第 1 節  国語

2 内 容

⑴ A 表 現

歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 歌唱表現に関わる知識や技能を得たり生かしたりしながら,曲にふさわ しい歌唱表現を創意工夫すること。

イ 次の❞及び❟について理解すること。

曲想と音楽の構造や歌詞の内容及び曲の背景との関わり

声の音色や響き及び言葉の特性と曲種に応じた発声との関わり ウ 次の❞及び❟の技能を身に付けること。

創意工夫を生かした表現で歌うために必要な発声,言葉の発音,身体 の使い方などの技能

創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の声などを聴きながら他者と 合わせて歌う技能

ここでは,第2学年及び第3学年における歌唱に関する指導事項を示しており,

以下の,題材を構想する上で必要となる配慮事項を踏まえて指導することが求めら れる。

(指導計画の作成と内容の取扱い)

指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

第2の各学年の内容の⽛A表現⽜の⑴,⑵及び⑶の指導については,

ア,イ及びウの各事項を,⽛B鑑賞⽜の⑴の指導については,ア及びイの 各事項を適切に関連させて指導すること。

第2の各学年の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共 通に必要となる資質・能力であり,⽛A表現⽜及び⽛B鑑賞⽜の指導と併 せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。

第2学年及び第3学年の歌唱分野では,〔共通事項〕に示す資質・能力と併せて,

アに示す⽛思考力,判断力,表現力等⽜に関する資質・能力,イに示す⽛知識⽜に 関する資質・能力,ウに示す⽛技能⽜に関する資質・能力を育てていくことが指導 のねらいとなる。したがって,歌唱の学習は,ア,イの❞❟のいずれか又は両方,

ウの❞❟のいずれか又は両方の各事項を組み合わせた題材を設定して行うこととな る。

第3章各学年の 目標及び内容

例えば,ア,イの❟,ウの❞❟を組み合わせた題材を設定する場合,⽛声の音色 や響き及び言葉の特性と曲種に応じた発声との関わりを理解するとともに,それら を生かした曲にふさわしい歌唱表現を創意工夫しながら合わせて歌うこと⽜という 内容を指導することとなる。これは,従前の指導事項⽛声部の役割と全体の響きと のかかわりを理解して,表現を工夫しながら合わせて歌うこと⽜において育成を目 指す資質・能力を,今回の改訂で明確化したものと考えることができる。

ア 歌唱表現に関わる知識や技能を得たり生かしたりしながら,曲にふさわし い歌唱表現を創意工夫すること。

この事項は,歌唱分野における⽛思考力,判断力,表現力等⽜に関する資質・能 力である,曲にふさわしい歌唱表現を創意工夫することができるようにすることを ねらいとしている。

歌唱表現に関わる知識はイに,技能はウに示すものを指す。

歌唱の学習では,歌唱表現を創意工夫する過程で,様々な表現を試しながら,新 たな知識や技能を習得することと,既に習得している知識や技能を活用することの 両方が大切になるため,第1学年と同様,知識や技能を得たり生かしたりしながら としている。このように,新たな知識や技能の習得は,創意工夫の過程で行われる ものであることから,創意工夫に必要な知識や技能を習得してから創意工夫をする といったような一方向的な授業にはならないよう留意する必要がある。

第1学年は⽛歌唱表現を創意工夫すること⽜としているが,第2学年及び第3学 年は⽛曲にふさわしい歌唱表現を創意工夫すること⽜としている。

曲にふさわしいとは,多くの人が共通に感じ取れるような,曲固有のよさや特徴 の捉え方を意味している。

したがって,本事項は,多くの人が共通に感じ取れるような,曲固有のよさや特 徴を捉えた上で,その曲について解釈し,第1学年よりも更に自らの価値判断を伴 ったより豊かな音楽表現の創意工夫ができることを目指している。

指導に当たっては,創意工夫する過程を大切にして,生徒の思考の流れを把握し ながら,適切な手立てを講じ,その曲にふさわしい歌唱表現に対する思いや意図の 質を高められるよう留意する必要がある。

イ 次の❞及び❟について理解すること。

曲想と音楽の構造や歌詞の内容及び曲の背景との関わり

この事項は,歌唱分野における⽛知識⽜に関する資質・能力である,曲想と音楽

第2学年及び 第3学年の 目標と内容

の構造や歌詞の内容及び曲の背景との関わりを理解できるようにすることをねらい としている。

第1学年は⽛曲想と音楽の構造や歌詞の内容との関わり⽜としているが,第2学 年及び第3学年では⽛曲の背景⽜を加えて示している。

曲の背景とは,歌詞や曲の成立背景,作詞者や作曲者にまつわる事柄,曲が生み 出され育まれてきた風土,文化や歴史などのことである。例えば,四季折々の情景 を表した歌,生活に根付いた仕事歌などは,歌が生まれた当時の人々の感性や価値 観などと結び付いている。

本事項は,⽛曲想と音楽の構造との関わり⽜,⽛曲想と歌詞の内容との関わり⽜,

⽛曲想と曲の背景との関わり⽜の理解を求めている事項である。⽛曲想と歌詞の内容 との関わり⽜については,⽛曲想と音楽の構造との関わり⽜と関連付けて学習する ことが大切である。⽛曲想と曲の背景との関わり⽜については,その背景が⽛音楽 の構造⽜や⽛歌詞の内容⽜とも関わっていることに配慮して学習することが大切で ある。また,曲想音楽の構造歌詞の内容曲の背景はそれぞれ関連するもので あることから,これらを一体的に理解する学習をすることも考えられる。

このように,その音楽固有の雰囲気や表情,味わいなどが,どのような音楽の構 造や歌詞の内容及び曲の背景によって生み出されているのかを捉えていくことが,

この事項で求めている理解である。

第2学年及び第3学年において,⽛曲想と曲の背景との関わり⽜の理解を加える ことは,生徒が教材曲のよさを捉え直し,更に曲に対する捉え方を質的に深め,自 分にとっての意味を見いだしたり,⽛人はなぜ歌うのか⽜,⽛歌が人々の生活や社会 に果たす役割は何か⽜などについて考えたりすることにつながるものである。

声の音色や響き及び言葉の特性と曲種に応じた発声との関わり

この事項は,歌唱分野における⽛知識⽜に関する資質・能力である,声の音色や 響き及び言葉の特性と曲種に応じた発声との関わりを理解できるようにすることを ねらいとしている。

本事項は,第1学年に示した内容と同様であるが,第2学年及び第3学年では,

更に学習内容の充実を図り,声の音色や響き及び言葉の特性と曲種に応じた発声と の関わりについての理解を一層深めていくこととなる。

例えば,我が国の伝統的な歌唱の一つである長唄の発声,言葉と節回しとの関わ りなどの特徴を理解する。さらに,諸外国の音楽を取り上げ,表現の相違点や共通 点などを調べたり考えたりすることにより,世界には多様な音楽があり,それぞれ に声の音色や響き及び言葉の特性と曲種に応じた発声との関わりがあることを理解 第3章各学年の

目標及び内容

できるような展開が考えられる。その際,曲の背景となる風土,文化や歴史など が,それぞれの曲種における発声や言葉の特性と音楽との関わりにどのような影響 を与えているのかを考えることも大切である。

このように,第1学年の学習を基盤とし,更に学習内容を充実するとともに,声 には,その発声の仕方などによって生まれる様々な音色や響き,言葉の抑揚や言語 のもつ質感などがあり,そのことが曲種の特徴を生かして歌唱表現することと密接 に関わっていることを捉えていくことが,この事項で求めている理解である。

ウ 次の❞及び❟の技能を身に付けること。

創意工夫を生かした表現で歌うために必要な発声,言葉の発音,身体の 使い方などの技能

この事項は,歌唱分野における⽛技能⽜に関する資質・能力である,創意工夫を 生かした表現で歌うために必要な発声,言葉の発音,身体の使い方などの技能を身 に付けて歌うことができるようにすることをねらいとしている。

本事項は,第1学年に示した内容と同様であるが,第1学年における学習を基盤 とし,創意工夫の質的な高まりに応じて,身に付ける技能も高まっていくことに留 意する必要がある。

例えば,生徒が⽛力強さを感じるこの歌の歌詞は,作詞者が中学生に向けて強く 語りかける気持ちで書いた詩なので,一つ一つの言葉を大切にしながら,言葉が一 つ一つ切れてしまわないように,フレーズのまとまりを大切にして歌いたい⽜とい う思いや意図をもったとき,言葉が伝わりやすい発音の仕方とフレーズを意識した 息の使い方とを関わらせるなど,複数の技能を関わらせて,よりふさわしい歌い方 を工夫しながら技能を身に付けていく学習が考えられる。

このように,本事項では,第1学年の学習と同様,技能の習得に関する学習を創 意工夫の過程に位置付けることによって,生徒が必要性を感じながら,発声,言葉 の発音,身体の使い方などの技能を身に付けられるようにすることを求めている。

創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の声などを聴きながら他者と合わ せて歌う技能

この事項は,歌唱分野における⽛技能⽜に関する資質・能力である,創意工夫を 生かし,全体の響きや各声部の声などを聴きながら他者と合わせて歌う技能を身に 付けて歌うことができるようにすることをねらいとしている。

本事項は,第1学年に示した内容と同様であるが,第1学年における学習を基盤

第2学年及び 第3学年の 目標と内容