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一  ﹁固関﹂とは

四  固関木契の類例

  宮内庁書陵部には︑この時期よりやや後代に作成された固関木契が所蔵されている︒この木契については︑平林盛得氏がその概要を紹介するとともに︑固関そのものについても要を得た説明がなされている︵平林盛得﹁資料紹介  固関木契﹂﹃書陵部紀要﹄三九︑一九八七年︶︒同論文によると︑書陵部所蔵の木契は伊勢国宛の左右と美濃国︑近江国宛のそれぞれ右片の三件四片が伝わる︒伊勢国宛のものは左右合わせて故実どおりの長三寸︑方一寸に当たる全長九・二センチメートル︑底の一辺三センチメートルで︑郵政資料館所蔵品とも体裁が合致する︒昭和三十二年に宮内庁の所蔵に帰した九条家旧蔵の史料中に含まれていたもので︑伝来が明らかな点︑史料的な意義が深い︒木契および附属した包紙には年次が明示されていないが︑平林氏は包紙に記された上卿の名の一字から宝永六年︵一七〇九︶六月の東山天皇の譲位の際のものと推定されている︒

  固関は江戸時代を通じて宮中の儀式として行われ︑弘化三年︵一八四六︶の仁孝天皇崩御の時まで続くが︑その実施は天皇や院︑女院の崩御や譲位の際に限られることであり︑今回確認された木契は︑故実に則った公家の儀式の用具として貴重な一事例と言えよう︒

︵補注︶﹃後西天皇実録﹄は︑東京大学史料編纂所﹁近世編年データベース﹂によった︒

  ︵たらしま さとし 東京国立博物館  書跡・歴史室長︶

割断面 左右を合わせた状態

包んだ状態 固関木契 左片 固関木契 右片

『郵政資料館 研究紀要』投稿規定(平成23年度)

1 応募資格

   「郵政事業及び通信の歴史と文化に関する諸問題」に関する研究者であること。

2 論文等テーマ

   「郵政事業及び通信の歴史と文化に関する諸問題」について自由に論題を設定した研究論 文・研究ノート・資料紹介とする。

3 応募の条件

   郵政資料館の資料、またはそれと同様な基礎資料を活用したものとする。

   「日本語」で書かれたものとする。

   応募は、1人1編(共同執筆は可)のみとする。

   応募原稿は、未発表のものに限る。また、他の学会誌などとの二重投稿は認めない。

   応募原稿の返却はしない。

4 論文等応募方法

   論文等の投稿を希望する執筆者は、あらかじめ所定の「論文応募用紙」を編集委員会へ提 出し、投稿についての許諾を得た上で、投稿すること。

5 応募要項の入手方法

   論文応募用紙は、2011年4月14日(木)以降に、下記入手先宛に、返信用封筒(角2サイ ズ)を同封の上、郵送をもって請求すること。その際、封筒表には「応募用紙希望」と赤 字で記入すること。

   なお、返信用封筒は、返送先住所・氏名のほか、140円切手(速達希望の場合はプラス270 円)を貼付した上で同封すること。送付先記入、および切手貼付がない場合は発送しかね る。

6 応募要項入手先

   日本郵政株式会社郵政資料館内「郵政資料館 研究紀要」編集委員会     〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目3番地1号

7 応募用紙提出方法および期限

   2011年5月26日(木)午後5時必着にて、氏名・連絡先等必要事項を記入した「論文応募 用紙」を編集委員会宛に送付すること。

8 応募結果の通知

   応募された「論文応募用紙」に基づき、「郵政資料館 研究紀要」編集委員会が指名する 専門家において学術的な視点から審査を行い、その意見を踏まえて編集委員会が投稿の可 否を判断の上、応募者にその結果を通知する。

   なお、審査および判断に関する問い合わせには応じかねる。

9 原稿提出方法および期限

   上記8の投稿許諾の連絡があった場合は、2011年11月3日(木)必着にて、MS-WORD2003 で読み書き可能なファイル形式で作成したファイル(図を掲載する場合は原図ファイルを 含む)を保存したメディア(CD-R等)および打ち出し原稿1部を提出すること。

   なお、原稿は完全原稿とすること。

10 原稿執筆要項(概要)

   原稿の作成は、パソコンを使用すること。

   文字量は、論文原稿についてはA4用紙(1行40字×40行)15〜20枚程度、研究ノート・

資料紹介については、A4用紙(1行40字×40行)15枚以内とする。いずれの原稿につい ても、図表・注は枚数に含むものとする。

   文字数の算出に当たっては、図表については完成原稿に掲載する大きさにより文字換算す ることとし、注についてはその記載文字数とすること。

   写真・図版等の掲載・転載許可は、執筆者の責任において処理すること。

   詳細は投稿承諾者に対して送付する「執筆要領」を参照すること。

11 提出先

   日本郵政株式会社郵政資料館内「郵政資料館 研究紀要」編集委員会  12 その他

   上記9の期限までに投稿された原稿は、編集委員会が指名する専門家において査読を実施 し、その結果を踏まえて編集委員会が掲載の可否を決定する。

   査読の結果、掲載可となった場合でも、掲載種別(研究論文・研究ノート等の別)の変更 や、投稿された原稿に対して、分量や内容の修正を求めることがある。

   なお、査読および掲載可否の決定に関する問い合わせには応じかねる。

13 著作権の帰属

   本誌に掲載された論文等の著作権は郵政資料館に帰属するものとする。

新刊紹介

郵便史研究会編

 『郵便史研究 第29号 郵便史研究会紀要』

  発行:郵便史研究会  発行年:2010年3月  会員外頒価:2,000円

和泉清司編

 『近世・近代における地域社会の展開』

  発行:岩田書院  発行年:2010年3月

  ISBN:978‑4‑87294‑619‑2  定価:15,540円(本体14,800円+税)

 『伊予史談 357号』

  発行:伊予史談会  発行年:2010年4月  定価:750円(本体715円+税)

白井二実著  『維新の郵便』

  発行:株式会社鳴美  発行年:2010年5月  定価:2,800円(本体2,667円+税)

 『小判切手―未納・不足―秋元信二郎コレクション』

  発行:株式会社鳴美  発行年:2010年5月  定価:3,000円(本体2,857円+税)

戸沢克比古、土岐寛、澤まもる共編  『日本記号入切手カタログ』

  発行:株式会社鳴美  発行年:2010年5月  定価:3,000円(本体2,857円+税)

行徳国宏著

 『戦後の郵便エンタイアと消印(戦後の郵政資料第6集)』

  発行年:2010年8月 ※私家本

行徳国宏著

 『年賀切手を集める』

  発行年:2010年8月 ※私家本

坂本慎一著

 『玉音放送をプロデュースした男下村宏』

  発行:株式会社PHP研究所  発行年:2010年8月

  ISBN:978‑4‑569‑79031‑2  定価:2,415円(本体2,300円+税)

郵便史研究会編

 『郵便史研究 第30号 郵便史研究会紀要15周年記念号』

  発行:郵便史研究会  発行年:2010年9月  会員外頒価:2,500円

立川憲吉追悼集編集委員会編

 『「沖縄」とともに 立川憲吉追悼集』

  発行:日本郵趣協会  発行年:2010年10月

  ISBN:978‑4‑88963‑723‑6  定価:5,250円(本体5,000円+税)

藪内吉彦、田原啓祐著

 『近代日本郵便史 創設から確立へ』

  発行:明石書店  発行年:2010年10月

  ISBN:978‑4‑7503‑3272‑7  定価:9,450円(本体9,000円+税)

岡田厚正監修 高安礼士編

 『産業技術誌―科学・工学の歴史とリテラシー』

  発行:裳華房 発行年:2010年11月

  ISBN:978‑4‑7853‑6025‑2  定価:2,625円(本体2,500円+税)

ジョン=レニー=ショート著 小野寺淳、大島規江監訳

  『世界の地図の歴史図鑑 岩に刻まれた地図からデジタルマップまで岩に刻まれた地図から デジタルマップまで』

  発行:柊風舎  発行年:2010年11月

  ISBN:978‑4‑903530‑40‑6  定価:13,650円(本体13,000円+税)

北出博編

 『てつゆうⅠ』

  発行:株式会社鳴美  発行年:2010年12月  定価:4,000円(本体3,810円+税)

展覧会紹介

◆郵政資料館が主催した展覧会

 特別展「鉄道と郵便」―秘蔵の鉄道資料を公開!―

  期間:2010年6月18日(金)〜7月25日(日)

  会場:ていぱーく1階

  概要: 「郵便の父」として知られる前島密の数ある功績の一つである鉄道と100年以上もの 長きに渡り深く関わってきた郵便との関係を紹介。前島密の功績に関する資料、車 両図面、初期の鉄道線路計画図、鉄道停車場図、写真、鉄道関係資料、郵便切手に 描かれた鉄道関係切手及び切手原画のほか、汽車模型やNゲージ鉄道模型を配した ジオラマなどを展示。

 特別展「〈てがみ〉で〈えがお〉を奏でよう♪meets葉加瀬太郎」

  期間:2010年9月11日(土)〜11月7日(日)

  会場:ていぱーく1階

  概要: 画家としても活躍中の音楽家、葉加瀬太郎氏が「世界中がスマイルでいっぱいにな る日をゆめみて」行っている活動を基に、「てがみ」と「えがお」をテーマとした 作品を紹介。葉加瀬氏が手がけた絵画・CG作品約70点、「えがお」手紙、氏と子ど もたちとのコラボレーション作品のほか、絵はがきや「えがお」が描かれた切手等 を展示。

 特別展「年賀博覧会」〜ツタエマス。オメデタイキモチ。オメデタイカタチ。〜

  期間:2010年11月27日(土)〜2011年1月30日(日)

  会場:ていぱーく1階

  概要: 年賀に関する展示を通して日本における 年賀の風習 を紐解きながら年賀状のデ ザインの歴史と文化を紹介。歴代の年賀用切手やお年玉くじ付年賀葉書、小倉遊亀、

片岡珠子ら日本画の巨匠が原画を手がけた「絵入り年賀はがき」、庭訓往来、江戸 から大正期までの絵封筒、著名人の年賀状など約500点を展示。

◆郵政資料館が協力した展覧会  特別展示「鉄道と郵便」

  主催:博物館明治村

  期間:2010年9月18日(土)〜10月17日(日)

  会場:博物館明治村・宇治山田郵便局舎内及び三重県庁舎内1階特別展示室

  概要: 当館が開催した「鉄道と郵便展」の巡回展示。博物館明治村内の「宇治山田郵便局 舎 (重要文化財) 」内では、郵便切手に描かれた鉄道、郵便輸送と宇治山田郵便局、

鉄道と郵便に関する文書や写真など168点を展示。三重県庁舎内では、郵便輸送の 主な手段となっていた鉄道郵便車と鉄道郵便車による郵便物の授受の様子に関する 資料、模型、写真など81点を展示。

 企画展示「第45回全国切手展〈JAPEX ʻ10〉」

  主催:(財)日本郵趣協会受託