• 検索結果がありません。

固有関数展開による Green 関数の構成法

ドキュメント内 応用音響学 第9回 音場の境界値積分表現 (ページ 52-62)

音場の境界値積分表現 境界条件を与えた場合のGreen関数

音場の境界値積分表現 境界条件を与えた場合のGreen関数

固有関数展開による Green 関数の構成法

このような

Green

関数を使うと,

Kirchhoff–Helmholtz

積分方程式 が単純化される。

p(r) = Z

∂Ω

p(r ) ∂G D (r | r )

∂n dr

ここで,領域

3

次元固有関数

Ψ q (r)

が既知であるとする。この 固有関数は

G D

と同じ境界条件を満たし,

k q = ω q /c

で与えられる固 有周波数を持つものとする。ここで

q

は固有関数の番号である。

これらの固有関数が完全直交系をなすと仮定すると,領域

内の任 意の音圧分布が固有関数の線形和として表現できる。係数を

A q (r )

とすれば,

G D (r | r ) = X

q

A q (r q (r)

小山 翔一 応用音響学 第

音場の境界値積分表現 境界条件を与えた場合のGreen関数

固有関数展開による Green 関数の構成法

Ψ q

は領域

の固有関数なので,斉次

Helmholtz

方程式を満たす固 有値

k q

を持つ。

2 Ψ q + k q 2 Ψ q = 0

G D

の固有関数展開の式を非斉次

Helmholtz

方程式に代入し,上式 を用いると,

X

q

A q (−k q 2 + k 2q (r) = −δ(r r )

両辺に

Ψ q (r)

をかけて,領域

にわたって積分すると,

A q (k 2 k 2 q ) Z

Ψ q (r)Ψ q (r) dr = Ψ q (r )

したがって,

A q = Ψ q (r ) (k 2 k q 2 ) R

Ψ q (r)Ψ q (r) dr

音場の境界値積分表現 境界条件を与えた場合のGreen関数

固有関数展開による Green 関数の構成法

以上の結果から,

Dirichlet

Green

関数が以下のように得られる。

G D (r|r ) = X

q

Ψ q (r)Ψ q (r ) (k 2 q k 2 ) R

Ω Ψ q (r)Ψ q (r) dr

Neumann

Green

関数についても同様の手続きで導出できる。

(最終的に同じ形になる)

ただし,

k = k q

の場合,境界面

∂Ω

での音圧が

0

となり,内部音圧 を計算することができない。これは

Dirichlet

Green

関数の分母 が

0

になることにも表れている。

これは固有関数を用いる場合以外の方法でも共通の問題であるが,

閉じた境界面に対する

Neumann

型・

Dirichlet

Green

関数は禁 止周波数において計算できない。

また,固有関数をどのように得るかという問題が残っているが,こ れを具体的な関数として得られるのは

が単純な形状の場合に限ら れる。

小山 翔一 応用音響学 第

音場の境界値積分表現 Single layer potentialによる音場の積分表現

本日の目次

1

音場の境界値積分表現 境界値積分表現とその応用

Green

関数とその性質

Kirchhoff–Helmholtz

積分方程式 境界条件を与えた場合の

Green

関数

Single layer potential

による音場の積分表現

音場の境界値積分表現 Single layer potentialによる音場の積分表現

Single layer potential による音場の積分表現    

Kirchhoff–Helmholtz

積分方程式は,領域の境界面上の音圧と音圧 勾配を用い,自由空間

Green

関数の項とその法線方向微分の項の和 による境界値積分により,内部あるいは外部の音場を決定できると いうものであった。

自由空間

Green

関数の項のみを用いる積分表現として,

single layer potential

(あるいは単純波源の定式化:

simple source formulation

,等価音源法:

equivalent source method

とも呼ぶ)

がある。

小山 翔一 応用音響学 第

音場の境界値積分表現 Single layer potentialによる音場の積分表現

Single layer potential による音場の積分表現    

境界面

∂Ω

とその内部領域・外部領域をそれぞれ

Ω int

Ω ext

として 定義し,以下の積分表現を考える。

p(r) = Z

∂Ω

µ(r )G(r | r )dr

つまり自由空間

Green

関数の項のみを用いる。ここで法線方向が逆 になっていることに注意。

音場の境界値積分表現 Single layer potentialによる音場の積分表現

Single layer potential による音場の積分表現    

µ(r)

を具体的に導出するため,外部・内部問題における

Kirchhoff–Helmholtz

積分方程式を思い出すと,

p ext (r) (r Ω ext ) p ext (r)/2 (r ∂Ω)

0 (r Ω int )

 

= Z

∂Ω

G(r | r ) ∂p ext (r )

∂n p ext (r) ∂G(r | r )

∂n

dr 0 (r ext )

p int (r)/2 (r ∂Ω)

p int (r) (r Ω int )

 

= Z

∂Ω

G(r|r ) ∂p int (r )

∂n p int (r) ∂G(r | r )

∂n

dr

法線方向が領域の内側を向いているため,内部問題に関しては正負 が逆になっている。

小山 翔一 応用音響学 第

音場の境界値積分表現 Single layer potentialによる音場の積分表現

Single layer potential による音場の積分表現    

r ∂Ω

において,

p ext (r) = p int (r)

∂p ext (r)/∂n ̸= ∂p int (r)/∂n

して,外部問題の式から内部問題の式を引くと,

p ext (r) (r Ω ext ) p int (r) = p ext (r) (r ∂Ω)

p int (r) (r int )

 

= Z

∂Ω

∂p ext (r )

∂n ∂p int (r )

∂n

G(r | r )dr

したがって,

µ(r)

は外部・内部領域の

∂Ω

上の音圧勾配の差となる。

µ(r) = ∂p ext (r)

∂n ∂p int (r)

∂n

この関係式は

jump relation

と呼ばれる。

Single layer potential

は内部問題・外部問題どちらかに対して適用 できるものであり,両方同時に適用できるわけではない。

音場の境界値積分表現 Single layer potentialによる音場の積分表現

Single layer potential による音場の積分表現    

Single layer potential

を用いて境界面

∂Ω

上の音圧勾配を導出する 場合は,外部・内部音場で音圧勾配が不連続であることに注意が 必要。

不連続面における音圧勾配を両側の値の平均として定義すれば,

Z

∂Ω

µ(r ) ∂G(r | r )

∂n dr = 1 2

∂p ext (r)

∂n + ∂p int (r)

∂n

(r ∂Ω)

このとき,

µ(r)

の定義より,

1 2

∂p ext (r)

∂n + ∂p int (r)

∂n

= µ(r)

2 + ∂p ext (r)

∂n

よって,例えば外部問題の場合,

∂p ext (r)

∂n = µ(r) 2 +

Z

∂Ω

µ(r ) ∂G(r | r )

∂n dr (r ∂Ω)

小山 翔一 応用音響学 第

音場の境界値積分表現 Single layer potentialによる音場の積分表現

ドキュメント内 応用音響学 第9回 音場の境界値積分表現 (ページ 52-62)

関連したドキュメント