水温,塩分,透明度,DO, COD,NO2-N,NO3-N,
NH4-N,PO4-P(月観測 値,水深5m層)
1987/4
~ 2004/3
注1
赤潮データ2) 図3.5
赤 潮 発 生 件 別 の 発 生 年 月日,終息年月日,発生 期間,赤潮生物種,発生 海域
1985~2004 注2
第 5 章
底質環境と底生 生物分布との関 連性の検討-湾 口海域を除く有 明海-
底質調査 データ
3),4),5),6),7),8),9),10)
図3.6
底質:中央粒径,含泥率,
強熱減量,COD,全窒素,
全リン,全硫化物,AVS
2003,2004 2005,2006 2007,2008 の各夏季
注3 注4 注5
底生生物調査
データ4),5),6) 図3.6 底生生物:種,個体数,
湿重量
2005,2006,
2007の各夏 季
注6
第 6 章
底質環境と底生 生物分布との関 連性の検討-湾 奥海域-
底質・底生生 物調査データ
11)
図3.7
底質:中央粒径,含泥率,
強熱減量,AVS 底生生物:種,個体数,
湿重量
2000夏季 注7
第 7 章
浮泥分布及び浮 泥と底生生物分 布との関連性の 検討
浮泥分布調査
データ12) 図3.8 浮泥厚(スケールを用い
た目視測定) 2009/7~11
赤潮データ2)
浮泥分 布調査 海域周 辺
赤 潮 発 生 件 別 の 発 生 年 月日,終息年月日,発生 期間,赤潮生物種,発生 海域
2009/7~11
底生生物調査
データ11) 図3.7 底生生物:種,個体数,
湿重量 2000夏季 注注7 8
注1:水質調査の時系列データとして,浅海定線調査データと公共用水域水質データがある.
浅海定線調査は沖合に広範な測点を有するが,公共用水域水質測定は測点が沿岸域に 限られることから,本研究では浅海定線調査データを使用する.
注2:赤潮の発生海域は,図 3.5に示すとおり各県の管轄海域別に整理されている.
注3:底質項目は,表 3.3に示すとおり調査機関により異なる.
注 4:底質粒度の物理特性として,中央粒径(Mdφ)と含泥率がある.含泥率と中央粒径 との相関は,図 3.1 に示すとおり細粒部分ではバラツキが大きくなる傾向があること から,本研究では泥化の指標として含泥率を使用する.
注5:底質の粒径による分類は,Wentworth粒度区分による分類14)(表 3.4)によっている.
また,砂(S),泥(M),粘度(Cy)の混合底質の分類は,堆積学の分野で用いられれ
ているShepard F. P.の分類基準15)(図 3.2)によっている.礫を含む底質の混合底質の
分類は,海上保安庁海洋情報部の分類基準16)(図 3.3)によっている.
注6:15cm四方の表面積のグラブ式採泥器により1地点当たり7回採取され,種の同定,
個体数と湿重量の計測が行われている.底生生物の同定と計測は1mm目のふるい上の 残差物中に含まれる底生動物(メガロベントス)を対象としている.
注7:底生生物調査は25cm四方の方形枠により1回採取され,種の同定,個体数と湿重量 の計測が行われている.底生生物の同定と計測は1mm目のふるい上の残差物中に含ま れる底生動物(メガロベントス)を対象としている.採取回数について,中村ら13) が 有明海の湾奥海域で行った採泥回数の違いによる底生生物の結果の違いについての調 査によると,3回採泥の種数は10回採泥のそれの50%強となったことを報告している.
このことから,採取回数が1回の場合,種数は過小評価の可能性がある.
注8:浮泥分布調査海域で,浮泥調査と同時期又は近い時期の底生生物調査データはないた め,第6章と同じデータを使用する.
表 3.3 調査機関と底質項目(○は実施項目,-は実施していない項目を示す)
調 査 機 関 中央
粒径 含泥率 強熱
減量 COD 全窒素 全リン 全硫
化物 AVS 九州農政局3) ○ ○ - ○ ○ - ○ - 九州農政局4) 5) 6) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ - 九州農政局7) - ○ ○ - - - ○ - 九州農政局8) ○ ○ ○ - - - ○ - 西海区水産研究所9) ○ ○ ○ - - - - ○ 佐賀県10) ○ ○ ○ - - - - ○
46
y = 0.0655x + 0.6031 R² = 0.9335
y = 0.0447x + 1.0199 R² = 0.6051
y = 0.052x + 1.8579 R² = 0.5271
‐2 0 2 4 6 8 10
0 20 40 60 80 100
中央粒径(φ)
含泥率(%)
図 3.1 含泥率と中央粒径との相関4),5),6),7)
(有明海,2004~2007)
図 3.2 混合底質の分類基準15) (礫を含まない底質)
粒径(mm) φ(ファイ) 粒子の区分
256以上 -8以下 巨礫
64 -6 大礫
4 -2 中礫
2 -1 細礫
1 0 極粗粒砂
0.5(1/2) 1 粗粒砂
0.25(1/4) 2 中粒砂
0.125(1/8) 3 細粒砂
0.063(1/16) 4 極細粒砂 0.032(1/32) 5 粗粒シルト 0.016(1/64) 6 中粒シルト 0.008(1/128) 7 細粒シルト 0.004(1/256) 8 極細粒シルト
0.004以下 8以上 粘土
φ=-log2d/do (d:粒径mm、do:1mm)
表 3.4 ウェントウォース粒度区分 による分類14)
(本論文では,SILTY SANDを砂泥,SANDY SILTを泥砂と呼ぶ)
図 3.3 混合底質の分類基準16) (礫を含む底質)
(本論文では,M Sを泥砂,S Mを砂泥と呼ぶ)
48
調査地点(1987/4~2004/3)
福岡県 海域 佐賀県 海域
熊本県 海域 長崎県
海域 六角川
菊池川 矢部川
島原半島 筑後川
白川
緑川
図 3.4 浅海定線調査地点1)(水深 5m 層) 図 3.5 赤潮発生海域区分2)
10 km 六角川 筑後川
菊池川 矢部川
島原半島
図 3.6 底質・底生生物調査地点3),4),5),6),7),8),9),10) 九州農政局(2004)
九州農政局(2005,2006,2007)
西海区水産研究所(2003)
九州農政局(2007)
九州農政局(2008)
佐賀県(2005)
[参考文献]
[研究に使用したデータ]
底質データ
底質データ 底質・底生生物データ
底質データ 底質データ 底質データ
3)
4)5)6)
8)
7)
9)
10)
[実施機関と調査年]
10 km ● 調査地点 六角川
筑後川
10 km 六角川
筑後川
● 調査地点
図 3.7 底質・底生生物調査地点11) 図 3.8 浮泥調査地点12)(2009)
(底質:1989,2000,2005 底生生物:2000)
3.3 水質項目,底質項目,浮泥項目の説明
(1) 水質項目 a) 水質の富栄養化
元来は湖沼等閉鎖水域が,長年にわたり流域から窒素化合物及び燐酸塩等の栄養塩類を 供給されて,生物生産の高い富栄養湖に移り変わっていく自然現象をいう.近年人口およ び産業の集中等により,湖沼に加えて有明海,東京湾,瀬戸内海等の閉鎖性海域において 窒素,リン等の栄養塩類の流入により急速に富栄養化している.富栄養化が進むと植物プ ランクトンの異常繁殖によって赤潮の発生をもたらす.
・窒素化合物
水中に含まれる全ての窒素化合物(総窒素:T-N)は無機態窒素と有機態窒素に大別さ れ,さらに無機態窒素はアンモニウム態窒素(NH4-N),亜硝酸態窒素(NO2-N),硝酸態窒
素(NO3-N)に,有機態窒素はタンパク質に起因するもの(アルブミノイド窒素など)と非
タンパク性のものに分けられる.
・アンモニウム態窒素(NH4-N):
水中にアンモニウム塩として含まれている窒素をいい,大部分はアンモニウムイオン
(NH4+)で存在する.アンモニウム態窒素は,主としてし尿や家庭下水中の有機物の分解 や工場排水に起因するもので、それらによる水質汚染の有力な指標となる.アンモニウム 態窒素は,自然水中では次第に亜硝酸態窒素や硝酸態窒素に変化して行くので,アンモニ ウム態窒素が検出されるということは,汚染されてから間もないか,有機汚濁の程度が大 きいために溶存酸素が欠乏していることを示す.
・亜硝酸態窒素(NO2-N):
亜硝酸塩に含まれている窒素のことで,水中では亜硝酸イオン(NO2-)として存在する.
亜硝酸態窒素は,主にアンモニウム態窒素の酸化によって生じるが,きわめて不安定な物 質で,好気的環境では硝酸態窒素に,嫌気的環境ではアンモニウム態窒素に,速やかに変 化する.したがって、亜硝酸態窒素を検出するということは,し尿や下水による汚染を受 けてから間もないことを示す.
・硝酸態窒素(NO3-N):
硝酸塩に含まれている窒素のことで,水中では硝酸イオン(NO3-)として存在する.種々 の窒素化合物が酸化されて生じた最終生成物であり,自然の浄化機能の範囲ではもっとも 浄化が進んで安定した状態といえるが,アンモニウム態窒素,亜硝酸態窒素と同様に富栄 養化の直接原因となる.水中に硝酸態窒素が多量に存在することは,その水が過去におい
50
て窒素系物質による汚染を受けたことを示し,水の履歴を示す指標として重要である.
・溶存無機態窒素(Dissolved Inorganic Nitrogen,DIN):
水中に溶存して存在する無機態窒素の総量で,NH4-N,NO2-N,NO3-Nの合計値である.
・リン化合物:
水中のリン化合物は,無機態と有機態,溶解性と粒子性に区別され,無機態リンはさら にオルトリン酸塩と重合リン酸塩に分けられる.
・オルトリン酸態リン(Po4-P):
正リン酸あるいは単にリン酸ともいう.(オルト)リン酸イオン(PO43-)として存在する リンで,pHによって,HPO42-,H2PO4-,H3PO4などの形になる.水中の無機態リンの大部 分はこの形で存在している.溶解性のものは,栄養塩として藻類に吸収利用されるため 富栄養化の直接的な原因物質となる.粒子性のものは,カルシウム,鉄,アルミニウムな どの金属とリン酸イオンが結合した不溶性の塩で,藻類に利用されることなく沈澱してゆ くが,富栄養化が進んで底層水が嫌気化すると,溶出して富栄養化を促進する.水中のリ ン酸の起源は,自然的には岩石や土壌からの溶出や動植物の死骸,又は排泄物中の有機態 リンの分解があるが,通常の水域ではそれらの寄与はごくわずかである.人為的負荷源と しては,流出した土壌,森林や農地に過剰散布された肥料や農薬,家庭排水やし尿,工場 排水、畜産排水などがある.また,通常の排水処理(いわゆる二次処理まで)ではリンは ほとんど除去されないので,し尿処理場や下水処理場からの放流水も大きな負荷源となる.
リンはもともと自然水中にはごくわずか(1~100ppbのオーダー)しか含まれておらず,
わずかな濃度の変動が藻類の消長を左右する.
・栄養塩:
植物プランクトンや海藻などの植物体を形成し,増殖に必要な物質のうち,ケイ素,リ ン,窒素の無機塩類,すなわち,ケイ酸,リン酸,硝酸,亜硝酸,アンモニウムのイオ ンを総称して栄養塩という.そのため,栄養塩が多いと植物プランクトンが増殖しやす く,富栄養化の指標となる.
b) 水質の有機汚濁化
有機物による汚濁のことを言う.産業排水,生活排水に含まれている汚濁物質の多くが 有機物のため,人間の活動によって河川や海洋では有機汚濁が進むことになる.有機物が 分解されるときに酸素を消費するので,有機物の量が多いと水中の酸素がなくなり無酸素 状態になる.
・COD(Chemical Oxygen Demand,化学的酸素要求量):
海水や湖沼の有機汚濁物質等による汚れの度合いを示す.水中の有機物の汚染源となる 物質を、酸化剤で酸化するときに消費される酸素量㎎/L で表したものであり、数値が高い ほど水中の汚染物質の量も多いことを示す.海域および湖沼の環境基準が設定されている.
測定には,酸性法とアルカリ法がある.
・酸性法:過マンガン酸カリウムを酸化剤に用いて,試料を酸性で反応させ測定する 方法.
・アルカリ法:試料をアルカリ性で反応させて測定する方法(アルカリ性過マン酸カ リウムによる酸素消費量
(2)底質項目
a) 底質の有機汚濁化
有機物による汚濁のことを言う.産業排水,生活排水に含まれている汚濁物質の多くが 有機物のため,人間の活動によって河川や海洋では有機汚濁が進むことになる.底質中に 過度の有機物が存在すると,分解のために大量の酸素が消費され貧酸素状態となるため,
底生生物の生息に影響が及ぶ.底質の有機物関連項目には,COD,強熱減量,全窒素,全