また,保育園と幼稚園を比較すると,保育園では「作成している・作成中である」が86%
であることに対して,幼稚園では
100%と全ての施設で防災マニュアルが整備されているこ
とが把握された。(図3- 15)
図3- 14 防災マニュアルの作成状況
図3- 15 防災マニュアルの作成状況(保育園と幼稚園比較)
(2)防災マニュアルの保管について
防災マニュアルの保有数は,
1
冊である施設が最も多く,「1
~10
冊」が63%
,次いで「11~20冊」が
22%,「31~40
冊」が7%,「41
冊以上」が4%,「その他」が 4%であ
った。その他の内容は,「各担任が保管している。」であり,クラスごとに参照できる体制 が整えられていることが把握された。(図3- 16)
また,保管場所は,「職員室」が
77%で最も多く,次いで「園長室」,「各保育室」が 29%であり,常に職員が配置される場所での保管が多い傾向にあることが把握された。「そ
の他」は
29%であり,内容は,「職員が各自保管している。」や職員室以外に,「事務室」
や「管理室」,「園バス」が挙げられ,職員室だけでなく,普段利用する場所にも保管する ことでいざという時に参照できる体制が整えられていることが把握された。(図
3- 17)
95% 8%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
作成している・作成中である 作成していない
100%
86% 14%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
作成している・作成中である 作成していない 保
育 園 幼 稚 園
(n=38)
(n=16) (n=22)
第
3
章 保育園・幼稚園等の防災マニュアルの整備状況と活用方法39
図3- 16 防災マニュアルの保有数
図3- 17 防災マニュアルの保管場所
4%
4%
7%
0%
22%
63%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
1〜10冊 11〜20冊 21〜30冊 31〜40冊 41冊以上 その他
29%
0%
0%
0%
29%
29%
77%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
職員室 園長室 各保育室 体育館 園庭 玄関 その他 (n=27)
(n=35)
第
3
章 保育園・幼稚園等の防災マニュアルの整備状況と活用方法40
(3)防災マニュアルの活用方法について
防災マニュアルの防災訓練や引き渡し訓練での活用は,全体で
82%が「活用している」
となり,防災マニュアルを作成する目的に,訓練等での活用が見込まれていることが推察さ れた。(図
3- 18
)また,保育園と幼稚園を比較すると,保育園では「活用している」が74%であることに対 して,幼稚園では
93%であり,より防災マニュアルと防災訓練の関係性がうかがえる結果と
なった。 (図3- 19)
さらに,防災マニュアルの防災訓練以外での参照や活用は,全体で
38%
が「参照・活用し ている」となり,半数以上が防災マニュアルを活用していない,または防災訓練での活用に とどまることが把握された。(図3- 20)
図3- 18 防災マニュアルの防災訓練における活用状況
図3- 19 防災マニュアルの防災訓練における活用状況(保育園と幼稚園比較)
図3- 20 防災マニュアルの防災訓練以外の活用状況
82% 18%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
活用している 活用していない
93%
74%
7%
26%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
活用している 活用していない 保
育 園 幼 稚 園
38% 63%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
参照・活用している 参照・活用していない
(n=34)
(n=15)
(n=32) (n=19)
第
3
章 保育園・幼稚園等の防災マニュアルの整備状況と活用方法41
(4)防災マニュアルの改訂について
防災マニュアルの改訂は,全体で
66%が「改訂したことがある」となり,半数以上がこ
れまでに防災マニュアルを改訂および改善したことが把握された。(図3- 21)
また,保育園と幼稚園を比較すると,保育園では
72%
が改訂の経験がある一方,幼稚園で は,57%であり防災マニュアルの更新に差がみられることが把握された。(図3- 22)
図3- 21 防災マニュアルの改訂経験
図3- 22 防災マニュアルの改訂経験(保育園と幼稚園比較)
66% 34%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
改訂したことがある 改訂したことがない
57%
72%
43%
28%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
改訂したことがある 改訂したことがない 保
育 園 幼 稚 園
(n=32)
(n=14) (n=18)
第
3
章 保育園・幼稚園等の防災マニュアルの整備状況と活用方法42
(5)災害対応に関わる保護者への周知について
保護者向け配布物の作成は,全体で
58%が「作成している」となり,半数以上の施設で
災害対応に関するお知らせを行っていることが把握された。(図3- 23)
また,保育園と幼稚園を比較すると,保育園では「作成している」が
42%
であることに対し て,幼稚園では79%であり,大幅に差がみられることが把握された。(図 3- 24)
さらに,災害対応に関する保護者への説明の場や機会は,全体で
82%が「説明の場がある」
となり,多くの施設で保護者に対して説明を行っていることが把握された。(図
3- 25)
日常時および災害時に活用している情報連絡ツールは,「
E
メール」が54%
と最も多く,次いで「HP(ホームページ)」が
35%,「Facebook」が 7%,「Twitter」が 4%であり,
保護者宛てに直接連絡できる
E
メールの活用が半数以上を占めていることが把握された。ま た,複数のツールを組み合わせて活用している施設もあり,近年SNS(ソーシャル・ネッ
トワーキング・サービス)の利用が増加する中で,保育園・幼稚園等においても多様な手段 による情報発信が行われていることが把握された。(図3- 26)
図3- 23 災害対応に関する保護者への配布物作成状況
図3- 24 災害対応に関する保護者への配布物作成状況(保育園と幼稚園比較)
図3- 25 災害対応に関する保護者への説明機会の有無
58% 42%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
作成している 作成していない
79%
42%
21%
58%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
作成している 作成していない 保
育 園 幼 稚 園
82% 18%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
説明の場がある 説明の場がない
(n=33)
(n=14)
(n=33) (n=19)
第
3
章 保育園・幼稚園等の防災マニュアルの整備状況と活用方法43
図3- 26 普段の情報発信としての活用ツール
0%
0%
0%
4%
7%
35%
54%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
Eメール HP(ホームページ) Facebook Twitter LINE Instagram その他 (n=29)
第
3
章 保育園・幼稚園等の防災マニュアルの整備状況と活用方法44
(6)保育園・幼稚園等における災害対応に関する現状と課題について
災害対応に関する課題や関心について,すでに実施している取り組みや今後の方針も含め 記述された内容について以下,表
3- 6
に示す。東日本大震災以降,災害対応に関する危機感は増し,園外保育時の対応方法や備蓄の充実 化,多様な想定のシミュレーションなど,すでに防災訓練や平常時の活動の中で試行錯誤が 行われていると考えられる。しかし,これまで経験した以上の想定外が発生することに対す る不安を感じていることや保護者が帰宅困難者になった場合の保育体制,保護者と連絡が取 れない場合の対応など災害に付随して発生する障害に対する関心や課題が多いことが把握さ れた。また,今後の災害対応に向けた方針では,防災マニュアルを更新すると同時に全職員 の情報共有について検討していく予定であるという意見があり,保育園・幼稚園等の災害対 応に多くの改善余地があることが示唆された。
表3- 6 災害対応に関する現状と課題
第
3
章 保育園・幼稚園等の防災マニュアルの整備状況と活用方法45
3-4-2. 防災マニュアルの整備状況と内容評価
3-4-2-1. 防災マニュアルの整備状況と項目間の関係性
防災マニュアルの整備状況について,防災マニュアル項目別
0,1
点評価の集計結果をも とに以下,に示す。また,集計結果を<参考資料-2>に示す。(
1
)防災マニュアルの全体水準総合得点の集計結果について,33施設中,最高点は
27
点,最低点は8
点,平均点は15.9
点であった。また,保育園では,最高点は23
点,最低点は8
点,平均点は15.4
点,幼稚園では,最高点は
28
点,最低点は11
点,平均点は16.5
点であった。以上より,防災 マニュアルの整備状況について,保育園に比べ,幼稚園の水準がやや高いことが把握され た。(2)防災マニュアルの項目ごとの集計結果
小項目ごとの整備状況について,最も高い割合を示した項目は,全体では「初動対応方法
(地震・火災)」であり
97.0%の施設が防災マニュアルの内容に取り入れていることが把握
された。次いで,「情報連絡運用体制」が84.8%,「情報収集方法」が 81.8%,「指揮権の
明示」および「マニュアル改訂」が78.8%,「園外避難・避難場所」および「保護者への説
明」が
72.7%であった。(図 3- 27)
これらの
7
項目中3
項目は,「初動対応期の体制」に該当し,2項目は,「組織内外の情報 通信」に該当したことから,保育園・幼稚園等の防災マニュアルにおいて,災害対応におけ る初動対応期の体制構築と情報発信や取り扱いを重視している傾向であることが把握され た。また,保育園と幼稚園を比較すると,「情報収集方法」が保育園では
89.5%であることに
対して幼稚園では71.4%であり,災害時の情報収集に関して特に保育園で重要視されている
傾向にあることが把握された。また,「保護者への説明」が保育園では63.2%であることに
対して幼稚園では85.7%
であり,災害時および平常時における保護者との情報共有に関して 特に幼稚園で重要視されている傾向にあることが把握された。(図3- 28)
次に,最も低い割合を示した項目についてみると,全体では「施設の特徴」であり,0.0%
であった。各施設の建物形態や他施設との複合などについて言及されていないことから,防 災マニュアル内での内容としては重要視されていないことが把握された。また,次いで低い 割合を示した項目は,「BCP」が
3.0%,「地震規模の想定」,「風水害規模の想定」およ
び「職員に対する心のケア」が6.1%であった。(図 3- 29)
さらに,保育園と幼稚園を比較すると,「施設内の危険把握」が保育園では
5.3%である
ことに対して,幼稚園では28.6%であり,「給食対応」が保育園では 21.1%であることに対
して,幼稚園では0.0%であり,「保育需要への対応」が保育園では 26.3%であることに対
して,幼稚園では0.0%であった。(図 3- 30)
以上のことから,その他の項目に比べると,全体としてそれほど重要視されていない,も しくは整備が進んでいない項目ではあるが,保育園と幼稚園を比較すると,平常時および災