第 4 章 触れた位置の線の方向提示による図形輪郭認識
4.4 図形探索実験
現できるようになった.また,同様に,2点の音で線分を繰り返し提示する際 も,提示の終点と,次の提示の始点の間に,1スピーカ提示分の無音を挟むこ とで,始点,終点を明確にでき,線分の傾きだけでなく,方向も示すことがで きることがわかった.
知ることができる.ペンタブレットと画面の四隅は一致しているため,被験者 は,ペンタブレット上でペンを動かすことで,画面上の確認したい位置を動 かせる.ユーザは自分の触れている
PC
のディスプレイ上の位置を,ペンタブ レットの位置から知ることが出来る.これは,ペンタブレットの4
隅とPC
の4
隅が一致するようにしているためである.被験者が触れた位置に対応する画 面上の位置に線があれば,オーディオ・インタフェースを経由してその線の向 きを,移動音を4個のスピーカから提示する.このときのペン(手)の動きに より,図形の輪郭を認識させるものである.4.4.2 刺激
今回は,基礎検討として,水平,垂直,斜め
(45
°,135°)の線からなる図 形を定時し,これらの移動方向を示す音を用いて輪郭認識実験を行った.移動方向は,2スピーカ距離を
20cm,1スピーカの提示時間を 60ms
の音 で提示した.また,触った位置の周囲に線分がある際,ガイド音が鳴るように設定した.ガ
イド音は
500Hz
の純音とした.触った位置の上下左右に線分があった場合,線がある方向を4個のスピーカ
(s-l,s-r,s-u,s-d)
で提示した(Fig. 4.6).ガイド音が
鳴る範囲は,触った位置の周囲であり,半径10pixel
から200pixel
まで10pixel
刻みで,被験者が変更できるようにした.本実験において全ての被験者は,ガ イド音が鳴る範囲を100pixel
と設定した.Fig. 4.6: Loudspeaker matrix which displays direction of a line segment by sound presentation
提示図形の種類は直角二等辺三角形(左下を直角とする二等辺三角形,右 下を直角とする二等辺三角形),正方形の3種類である.各提示図形は,縦
300pixel
,横300pixel
の正方形(1辺が約7.5cm)
に内接する大きさとした.提 示図形は,45pixel(約1cm)
の太さの線で描画した.Fig. 4.7: Line and diagram stimuli
4.4.3 実験手順
実験を行うに当たり,まず被験者をスピーカマトリクスの前に座らせ,ペン タブレットを持たせた.実験を始める前に,被験者にはこれらの図形が提示さ れることを教示した.
次に,
Fig.4.7
に示すような図形のいずれかをディスプレイ上に表示した.また提示エリアの左下隅に対応するペンタブレットの位置を凸点で教示した上 で,輪郭探索を行わせた.
その上で,被験者がたどったペンの軌跡を記録した.
被験者には,ペンタブレットをペンでなぞるよう教示し,なぞりながら音を 聞くことで,知覚された図形を答えさせた.その上で,1図形ごと,正答する まで形状知覚を続けさせ,被験者のペンの軌跡を記録した.
よって本実験は,練習5回,本番:3
(図形数)
×3(繰り返し回数) =
9回 で構成された.4.4.4 結果・考察
実験者が探索を指示してから,被験者が輪郭をなぞり,いずれの図形である か応答するまでのペンの軌跡を
Fig.4.8
に示す.白の太い線は提示図形,細い 線は被験者のペンの軌跡を表している.いずれの被験者も,直線部分については,線の方向を正しく認識した上で,
ペンを動かしていることがわかる.また,角周辺では,ペンを細かく左右上下 に動かして,次に進む線を探している.
Fig. 4.8: Loci examples of subject’s trace on diagram stimuli. Black, while and grey parts represent vacant, line, trace areas, respectively
また