21.2 直線
21.2.4 図形への応用
ここまでで紹介した知識を,いくつかの図形の性質に応用してみせましょう。
垂直二等分線
例題 86 2点A(4, −5), B(2, −3)に対して,線分 ABの垂直二等分線の方程式を 求めよ。
解説 線分の垂直二等分線は,その線分の中点を通り,その線分に垂直な直線で す。本例題の場合,まず線分 AB の中点の座標を求め,次に直線AB の傾きを計 算すれば,求める垂線の傾きが出せます。
解答例 線分 ABの中点 M の座標は
³4 + 2
2 , −5−3 2
´
より,M(3, −4)。
また直線 ABの傾き m は,
m= −3 + 5
2−4 =−1
よって垂直二等分線の傾きは 1。ゆえに求める方程式は y+ 4 =x−3
より
y=x−7 · · ·(答)
(解答例終)
練習 232 2点 A(6, −3), B(−2, 7) とするとき,線分 ABの垂直二等分線の方程 式を求めよ。
例題 87 直線2x−5y−16 = 0 に関して,点A(1, 3)と対称な点の座標を求めよ。
線対称
解説 2点がある直線に関して対称であるとは,直線がその2点の垂直二等分線 になっているときです。ここでは,この条件を読み替えていくことになります。
さて,先の例題でやったように,与えられた2点の垂直二等分線は,まず2点の 中点の座標を通り,与えられた2点を通る直線に垂直なものであるということか ら求めることができました。
求める点を B(x, y) とでもおきましょう。
するとまず線分ABの中点を垂直二等分線は通っているので,これからx, y に 関する方程式が一つ得られます。
次に与えられた直線と直線 AB が垂直です。直線 AB の傾きは x, y を用いて 表すことができるので,これらのことからもう一つ方程式が得られます。
後はこれらを連立させて解けばよい。
解答例 求める点の座標を B(x, y)とすると,線分 ABの中点が与えられた直線 上にあるので,
2× x+ 1
2 −5× y+ 3
2 −16 = 0 分母を払うなどして整理すると,
2x−5y= 45 · · ·(1)
与えられた直線の傾きは 2
5 で,この直線と直線 ABは垂直に交わるので,
5
2 × y−3
x−1 =−1
分母を払って整理すると,
5x+ 2y= 11 · · ·(2) (1) と (2) を連立させて解くと,
x= 5, y =−7 · · ·(答)
(解答例終)
練習 233 直線x−y−2 = 0 に関して,A(−1, 1)と対称な点の座標を求めよ。
21.2.5 点と直線の距離
直線に関する話題の最後として,点と直線との距離を計算する公式を紹介しま しょう。
そのためにまず点と直線との距離の定義を復習しておきましょう。
定義 (点と直線との距離) 点 A と直線l との距離 d とは,A から l に下ろした 点と直線との
垂線の足を H とするとき, 距離
d= AH
と定義する。 (定義終)
注意
(1) 垂線の足 とは,(上の記号を使って説明するなら) 点 Aから直線 l に引いた垂線と l 垂線の足 との交点のことをいいました(次図)。
A
l
H
(2) 上の定義を関数的に表現すると次のようになります。直線 l 上の点 P をとるたびに 定まる2点間の距離AP の最小値をA とl との距離と定義する8。
8この考え方は後で例題としてとりあげることになるでしょう。
(注意終)
さてこのような定義のもとで次の定理が成り立ちます。
定理 (点と直線との距離) 点 (x0, y0)と直線 ax+by+c= 0 との距離 d は d = |ax0+by0+c|
√a2+b2
証明 点 (x0, y0) から直線 ax+by+c= 0に下ろした垂線の足を H(x1, y1) と する(図を描け)。求めるべきは AH であり,2点間の距離の公式より
AH =p
(x1−x0)2+ (y1−y0)2 を計算すればよい。
(I) b 6= 0, a6= 0 の場合 直線の傾きは−a
b である。一方直線 AH の傾きは y1−y0
x1−x0 で,これらは垂直である。よって
y1 −y0 x1 −x0 ×
³
−a b
´
=−1
より, y1 −y0 x1 −x0 = b
a よって x1 −x0
a = y1−y0 b この式の値をk とおくと,
x1−x0 =ak, y1−y0 =bk · · ·(1) さらに変形して,
x1 =x0+ak, y1 =y0+bk (x1, y1) は直線ax+by+c= 0 上の点なので,
a(x0+ak) +b(y0+bk) +c= 0 これをk について解くと,
k=−ax0+by0+c
a2+b2 · · ·(2)
さて,(1) を AH の式に代入すると,
AH =p
(ak)2+ (bk)2 =p
(a2+b2)k2 これに(2) を代入して
AH =
r(ax0+by0+c)2 a2+b2 AH>0に注意すると,
AH = |ax0+by0+c|
√a2+b2
(II) b = 0 の場合(この場合は a6= 0) 直線の方程式はax+c= 0,つまり
³
−c a, 0
´
を通り,y 軸に平行。
このとき点と直線との距離 d は d =
¯¯
¯x0−³
−c a
´¯¯¯= |ax0+c|
|a|
一方 |ax0+by0+c|
√a2+b2 = |ax0+c|
√a2 = |ax0+c|
|a|
よって公式は成立する。
(III) a= 0 の場合(この場合は b6= 0) 問 130 上を真似して証明を書き下せ。
(証明終)
例 点 (1, −2) と直線4x−3y−3 = 0 の距離d は d = |4×1−3×(−2)−3|
42+ (−3)2
= |7|
5
= 7 5
(例終)
練習 234 次の点と直線との距離を計算せよ。
(1) 点 (2, 2) と直線4x−3y−3 = 0 (2) 点 (−1, −3)と直線 2x+y−3 = 0 (3) 原点と 直線 3x−2y+ 1 = 0
21.3 円
直線に関する話は以上で一段落とし,次に円に関する話題に移りましょう。