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ドキュメント内 ビール業界 (ページ 35-89)

総資本経常利益率 4.45% 5.66% 7.65% 7.51% 6.99%

売上高経常利益率 4.18% 5.03% 6.60% 6.40% 6.20%

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

【図表4-15】

【図表4-15】はキリンホールディングスの過去5年間の、総資本経常利益率、売上高経 常利益率、総資本回転率の推移をまとめたものである。左軸に総資本経常利益率、売上高 経常利益率の数値をとり、右軸に総資本回転率の数値をとる。

総資本経常利益率、売上高経常利益率はほぼ同じ推移で右肩上がりある。一方、総資本 回転率は大きく変動し、過去5年間で見れば減少している。2005年の減少は投資有価証券 の増加により総資本が増加したことが起因している。

キリンホールディングスは利幅を上げ利益率を改善しているが、総資本回転率が低いこ とから多くある資本をうまく活用できていないことが分かる。企業の総合評価を示す総資 本経常利益率には利幅を示す売上高経常利益率が大きく影響していた。

次にアサヒビールを見る。

【図4-16】

キリンホールディングス

0.00%

2.00%

4.00%

6.00%

8.00%

0.8 0.82 0.84 0.86 0.88 0.9 0.92

(回)

総資本経常利益率 4.84% 5.30% 5.84% 5.92% 6.16%

売上高経常利益率 5.33% 5.93% 6.44% 7.03% 7.26%

総資本回転率 0.91 0.89 0.91 0.84 0.85

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

【図表4-16】はアサヒビールの過去5年間の、総資本経常利益率、売上高経常利益率、

総資本回転率の推移をまとめたものである。左軸に総資本経常利益率、売上高経常利益率 の数値をとり、右軸に総資本回転率の数値をとる。

キリンホールディングスと同様に、総資本経常利益率、売上高経常利益率はほぼ同じ推 移である。総資本回転率は年々改善傾向であったが2006年に減少した。これは成長性でも 述べたように「和光堂株式会社」の株式公開買い付けによる総資本の増加が起因している。

アサヒビールは、企業の総合業績を示す総資本経常利益率に売上高経常利益率が大きく 影響している。しかし売上高経常利益率の伸びより総資本経常利益率の伸びのほうが大き い。これは総資本回転率の伸びも影響しているからである。

【図表 4-15】【図表4-16】よりキリンホールディングスの収益力は利幅を示す売上高 経常利益率が影響していたのに対して、アサヒビールは利幅を示す売上高経常利益率、効 率を示す総資本回転率の両方が影響していた。

それでは両社を比較するために、総資本経常利益率、売上高経常利益率、総資本回転率 の順に各比率を見ていく。

まず、企業の総合業績を示す総資本経常利益率から見ていく。

【図表4-17】

【図表4-17】は、過去5年間の総資本経常利益率の推移をまとめたものである。総資本 経常利益率は比率が高いほど良好であり、資金をうまく活用でき、かつ総合業績が良い企 業であることを示す。

キリンホールディングスは、2004 年以降は緩やかではあるが上昇傾向にあり、5年間で 見ても年々右肩上がりで成長している。キリンホールディングスの比率で2004年以降の伸 びが緩やかであるのは、経常利益の増加に伴い総資本も増加したためである。ちなみに、

総資本経常利益率

0.00%

2.00%

4.00%

6.00%

8.00%

10.00%

業界平均 3.86% 4.64% 6.00% 5.76%

キリンホールディングス 4.84% 5.30% 5.84% 5.92% 6.16%

アサヒビール 4.45% 5.66% 7.65% 7.51% 6.99%

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

キリンホールディングスは2002年から2006年にかけての5年間で経常利益が約40百万 円増加したのに対し、総資本が約 200 百万円も増加している。総資本が年々増加している 主な原因は、成長性で触れたように、海外展開が進展し、新たに工場を新設し、投資有価 証券も増加しているためである。

一方、アサヒビールは2002年から2004年にかけて急上昇しているが、2004年以降は減 少している。2004年の比率が最も高い理由は、成長性で触れたように猛暑の影響による販 売数量が増加し、売上高が増加したのに加え製造原価や物流費等のコストダウンにより、

経常利益が大幅に増加したからである。

以上のことを踏まえ、キリンホールディングスは海外展開やM&Aを積極的に展開してい るため総資本は多いが、その資本をうまく活用できていないことが分かる。アサヒビール はキリンホールディングスよりも資金は少ないが、その少ない資金をうまく活用し利益を あげることができている。

次に、総資本経常利益率を分解し、各社の戦略や強み・問題点について分析していく。

まず、利幅を表わす売上高経常利益率を見ていく。

【図表4-18】

【図表4-18】は、過去5年間の売上高経常利益率の推移をまとめたものである。売上高 経常利益率は、経常利益を売上高で除して算出される。よって、売上に対して企業の営業 活動および財務活動の成果を反映した経常利益がどれだけ生み出されているかを見る比率 である。この比率が高いほど良好であり、利幅が高い企業であると判断される。

キリンホールディングスは、ここ5年間で右肩上がりに伸びている。

一方、アサヒビールは、2004年には猛暑の影響で販売数量が増加したことによってキリ ンホールディングスを追い越したものの、2004年以降は減少している。しかし、業界平均

売上高経常利益率

0.00%

1.00%

2.00%

3.00%

4.00%

5.00%

6.00%

7.00%

8.00%

業界平均 4.16% 4.94% 6.13% 6.06%

キリンホールディングス 5.33% 5.93% 6.44% 7.03% 7.26%

アサヒビール 4.18% 5.03% 6.60% 6.40% 6.20%

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

は上回っているので決して衰えているわけではない。

両社を比較してみると、キリンホールディングスは比率も高く年々利益も増加させてい るので、財務活動を含めた事業全体の利益を生み出すのがうまく、利幅が高い企業である と言える。アサヒビールは、キリンホールディングスには劣るが業界平均は上回っている ため、財務活動を含めた事業全体の利益を生み出せている。

利幅を表す売上高経常利益率を見たところで、次に効率を表す総資本回転率を見ていく。

【図表4-19】

【図表4-19】は、過去5年間の総資本回転率の推移をまとめたものである。総資本回転 率は、企業が調達した資本がどれだけ売上高に結びついているかを示すものであり、資本 の運用が効率よく行われているかをみる比率である。少ない資本で多くの利益をあげるこ とができれば効率がよいと判断される。

アサヒビールはキリンホールディングスと業界平均を大幅に上回っている。総資本回転 率が高いアサヒビールは、調達してきた資本を効率よく活用して売上高を伸ばしているの である。

キリンホールディングスは、酒類事業以外にも飲料や医薬などの事業を展開している。

一方、アサヒビールは酒類事業を中心に行っている。このように一点に集中することによ って利益率は低いが、少ない資本で売上高を伸ばすことができるのである。

売上高経常利益率と総資本回転率の推移をひとつのグラフにまとめたSPMでは、両社が どのような戦略をとっているのかを見ていく。

総 資 本 回 転 率

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4

(回)

業界平均 0.93 0.94 0.98 0.95

キリンホールディングス 0.91 0.89 0.91 0.84 0.85

アサヒビール 1.06 1.13 1.15 1.17 1.12

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

【図表4-20】

【図表4-20】のSPMでは、縦軸に売上高経常利益率をとり、横軸に総資本回転率をと ることで各企業の点は総資本回転率と売上高経常利益率の積を示す。図中の点線は、業界 傾向線であり、各企業の業界平均を回帰分析によって導き出されたものである。この線を 境に、グラフの左上に傾向線が行くほど利幅が高いので高付加価値型戦略をとり、利幅を 重視した企業であると判断し、右下に傾向線が行くほど回転率が高いので高効率型戦略を とり、効率を重視した企業であると判断できる。さらに、図中の右上に位置すれば、利幅、

効率ともに良くバランスの取れた戦略をとり、総合的な業績が良好であると判断される。

キリンホールディングスは左上に位置している。年々、売上高経常利益率を上げている ものの、総資本回転率の改善はできていない。つまり利幅に重点をおいた高付加価値型の 戦略をとっている。一方、アサヒビールは右下に位置し効率を重視した高効率型の戦略を とっている。しかし、売上高経常利益率に関しても年々増加しているので業界傾向線に接 近している。また、売上高経常利益率、総資本回転率共に業界平均を上回っており、アサ ヒビールは効率を重視した戦略をとりながら利幅も追求し、バランスのとれた企業である といえる。

以上を踏まえた結果、キリンホールディングスは利幅重視であり、アサヒビールは効率 を重視し、利幅も追及しているので総合的な業績の面ではアサヒビールの方が良好である。

SPMでは全体の収益力を見てきた。次に、各社の収益力の強みや問題点について分析し ていく。まず、利幅を示す売上高経常利益率をさらに分解し、その変動要因について分析 する。売上高営業利益率、売上高総利益率、売上高販管費率の順で見ていく。はじめに売 上高営業利益率を見る。

SP M

3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50

0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2

総 資 本 回 転 率 ( 回 )

売上高経常利益率(%)

キリンホール ディングス アサヒビール

線形 (業界 傾向線)

ドキュメント内 ビール業界 (ページ 35-89)

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