第 6 章 結論
付録 2 吹付けコンクリートモデルの破壊断面に関する検討
4.2.4で説明した吹付けコンクリートモデルの破壊断面に関して,厚みの影響により破壊 の要因が特定しにくいため,厚みを変更して実験を行った.
2.1 吹付けコンクリートモデルを厚くした場合の載荷実験
本論での吹付けコンクリートモデルの厚さは3mmであったが,解析結果との比較より破 壊断面の要因が断定しにくいため,厚さを 3 倍にして載荷実験を行う.また,厚みを厚く したため従来の側圧係数0.5では破壊しない可能性が考えられることから,側圧係数を0に した.変更点は吹付けコンクリートモデルの厚みと側圧係数であり,その他の条件は本論 の載荷実験と同様である.以下に実験概要を示す.
2.1.1 実験概要
実験は,図 2-1に示すように縦横600mm,高さ125mmの矩形実験層を用いて,中心に写 真 2-1のように直径10cm,厚さ9mmの吹付けコンクリートモデルを設置する.地山には,
ガラスビーズを使用する.地山の作成は一層を高さ 25mm とし,ガラスビーズの密度から 一層ごとに入れるガラスビーズの重量を管理した.吹付けコンクリートモデルには 4.1 で 作製した木質粘土に糠を一定割合で混合したものを使用する.なお実験層の底面と上面に はテフロンシートを貼り,地山との摩擦をなるべく小さくするように工夫した.載荷は実 験槽側面にあるプレッシャーバックに空気を供給し載荷した.載荷は側圧係数 0 としてト ンネルモデルが破壊するまで行う.載荷中,トンネル内空変位を計測し,実験を行う.
図 2-1 実験槽の模式図
120
写真 2-1 厚みを 3 倍にした吹付けコンクリートモデル
2.1.2 実験手順
実験は以下の手順で行う。
1. 吹付けコンクリートモデルの作成 2. 実験槽の準備をする
3. テフロンシートを敷く
4. 吹付けコンクリートモデルを置く 5. 地山材料を詰める
6. 地山上面の整形 7. テフロンシートを敷く 8. 上蓋を設置する
9. ポテンショメータの設置 10. 載荷および計測を行う
121 2.1.3 実験結果
実験結果の載荷圧力とトンネル内空変位の関係を示す.図 2-2 には縦軸方向の載荷圧力 と③におけるトンネル内空変位の関係を示す.
図 2-2 ③の荷重-内空変位図
実験結果より,載荷圧が上昇してもほとんど変位が進行しなかった.吹付けコンクリー トモデルの厚みを9mm にしたことで,曲げ剛性が 27 倍になったことによるものであると 考えられる.破壊しなかったため,破壊断面を確認することができなかった.破壊に至ら せるために,糠を混ぜる量を増加させることで強度を低下させること,厚みを6mmにして 行うことなどの改善が必要であると考えられる.
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 50 100 150 200 250 300 350
変 位 ( mm )
載荷圧(kPa)
122