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ドキュメント内 著者 村串 仁三郎 (ページ 44-47)

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第二に、賃金の上昇傾向は、飯場制度のもとでも鉱夫の消費的生活を、明治時代のミゼラブルな段階と較べて、幾分とも改善させてきている、ということである。特に賃金所得格差を反映して、低賃金Ⅱ生活極困窮鉱夫の存在は、もちろん確認できるが、逆に、高賃金所得で生活にゆとりのある鉱夫の出現もまた否定できないところであ この点の実証的分析は、さしあたり以下で行われるが、より多面的には、次稿によって果したい。三上は、二、(1) (2) 一二ケ月にわたって鉱夫の「生活状態の調査」を行い、興味深い鉱夫の家計調査結果を残している。’一一上はその悶査事情について、「官憲や街社の御威光でやるのでなし、丁生の外に知合の者二三人が、顔馴染の坑夫四五十人について、それとはなしに聞き合せたのだから、仲々骨が折れた代りに、収入が多くて余るやうに云ったら、賃金をざけ低下られはしまいかとか、生計が困ると云ったら、怠惰者と叱られはしまいだろうかと一云うような、つまらぬ心配(J) なしに正直に語ったのを聞かれたと思った」と述べている。しかも「収入は稼賃以外に無いのだし支出は供給所の(1) 通帳と証明西不とを見るとわかるので」、この調査結果は、官庁統計のように資本側から行うのとちがって、きわめて信懸性のあるものとして注目されなければならない。そのうえ三上自身の調査態度も冷静かつ客観的で、自ら「丁生の調べた此の生計状態は、坑夫の賃金はよいし、必需品は安いから、彼等の生活は余裕があるということを吹聴しやうとか、坑夫の生活はいかにも悲惨なものだと初めから独断して、之を誇大に示さうというような、或種

無ろぽ砿ん鑓(5) の一旦伝のためではないのだから、成るべく各坑夫様々の生活状態を、一般的に有りの催に一赤したつもりである」と 不可能にしたからである。それ故、熟練鉱夫の賃金は、不熟練鉱夫より高く、多就業鉱夫の賃金所得も増大してきている。

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第2表福島炭砿鉱夫の家計費調査表 「+TF7耀頃)

225常磐地方における飯場制度の展開過程

第3表福島炭砿における個別賃金

(半月額)

さてこの家計調査からまず賃金の実態をふてふよう。一般的にいって鉱夫の賃金実態を握むのは非常に難しい。 その理由は、しばしば賃金についての資料が、日賃金についてしか明らかにしていない場合が多いからである。と くに出来高賃金の場合は、稼働日数によって月額賃金が大分かわってくるのであり、しかも坑内夫の月の労働日 数はきわめて多様であり、日賃金を染ただけでは、賃金実態を把握しにくい。

(6)

官庁統計にふられる鉱夫賃金は、ほとんど日給賃金の最高、最低、平均が一示されているだけで、従って、鉱夫の 実質的な賃金水準(月額でみた所得水準)は全く把握しかねる。その欠陥を補うものは、家計調査による月額賃金

(7)

であるが、わが国の統計では、大正一四年にはじめて行われた調査をまとめたものが最初のもので、みるべきもの はない。そうした事情にかんが象、一一一上の家計調査はサンプルこそ少ないが、大正中期の半月額賃金の実態を示し

て注目すべきものがある。

三上の行なった家計調査のサンプルは一一一九ケースであるが、そのうち世帯主鉱夫の個別賃金(半月分)を示して

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職工

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ドキュメント内 著者 村串 仁三郎 (ページ 44-47)

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