第 9 章 時系列解析 Time Series 173
10.2 同時方程式の行列表現
π10= α1β0−α0β1
α1−β1 π11 = −α2β1
α1−β1 π12 = α1β2
α1−β1
π20= −α0+β0
α1−β1
π21 = −α2
α1−β1
π22 = β2
α1−β1
u1t = −ut1+u2t
α1−β1
u2t = α1u2t−β1u1t
α1−β1
構造型方程式 誘導方程式
Qt =α0+α1Pt+α2Yt+u1t Qt =π10+π11Yt+π12Tt+u1t
Qt =β0+β1Pt+β2Tt+u2t Pt =π20+π21Yt+π22Tt+u2t
内生変数と外生変数の区分は微妙であって判然とした区分は存在しない。モデルの 中の変数が「自立的に、そしてモデル内の他の変数とは独立に変動すると期待でき るかどうか」*2を一応の目安として、行列表現で右の項に記述する外生変数と先決 内生変数を先決変数とする。内生変数は左欄の推計対象の変数である。
218 第10章 同時方程式の行列による解法 [
Qt Pt
] [ 1 1
−α1 −β1
]
=[
1 Yt Tt
] [ α0 β0
α2 0 0 β2
]
+(u1+u2)t
行列の成分を表すと
Q1 P1
Q2 P2
... ...
Qn Pn
[ 1 1
−α1 −β1
]
=
1 Y1 T1
1 Y2 T2
... ... ...
1 Yn Tn
[ α0 β0
α2 0 0 β2
]
+(u1+u2)t
構造型を記号で表現すると Y B=ZΓ +E
誘導型の行列表現
行列表現では、誘導型は逆行列を用いて簡潔に表せる。
Y =ZΓB−1+EB−1
これは、方程式体系の同時決定部分を解いたものである。誤差項を除くと次のよう になる。
Y =ZΓB−1
Jの高度な配列計算機能を用いると簡単に計算できる。
Bのパラメータは、BとΓの作成の時に定義式や明示的に移項した項の場合は数式 通りとする。Γの定義式は数式通りとする。それ以外のOLSのパラメータは成り 行きとする。
[ Qt Pt
] [ 1 1
−α1 −β1
] [
1 Yt Tt
] [ α0 β0
α2 0 0 β2
]
b=. shira_sub2 DN100 1 0.282913
1 _0.68098
]g=. shira_sub3 DN100 _5.16659 3.00044 0 _28.6958 0 4.77707
■経過と説明 最初にOLSで構造型のパラメータを求め、行列に組み込む。
OLS で 構 造 型 の パ ラ メ ー タ を 求 める
shira_sub0 DN100
_5.16659 _0.282913 3.00044 _28.6958 0.68098 4.77707
Q=−5.16659−0.282913P+3.00044Y Q=−28.6958+0.68098P+4.77707T
各変数の単独のOLS
[B
1 −α1
1 −β1
] ]b=. shira_sub2 DN100 1 0.282913
1 _0.68098
B−1
Bの逆行列 %. shira_sub2 DN100 0.706489 0.293511
1.03746 _1.03746
1の部分にもウエイトがか かる。
Γ[ α0 α2 0 β0 0 β2
] ]g=. shira_sub3 DN100 _5.16659 3.00044 0 _28.6958 0 4.77707
外生変数と先決内生変数Z の パ ラ メ ー タ ー 部 分 で あ る。
行の数はZ の変数の数で、
列の数はモデルの式の数で 決まる。
220 第10章 同時方程式の行列による解法
10.2.1
モデルの同時方程式を解く
外生変数がマトリクスの場合 Y = B−1Γは Γ
B であるがマトリクスの列のサイズ(#y)が異なる場合は%.で行列除 算をすることが出来ない。従ってB−1の右からΓを掛け合わせ内積を求める。
Y =B−1Γ
システムの回帰式 (誘導型)
fx= (%. b) +/ . * g _12.0727 2.11978 1.40212
24.4106 3.11283 _4.95602 Qˆ =−12.0727+2.11978Y+1.40212T Pˆ =24.4106+3.11283Y−4.95602T
ZΓをBで割ればYの推計値( ˆY)を求められるがマトリクスのサイズが異なる場合 にはZΓ%.Bは直接計算できないので逆行列%. Bを求めて左からZΓと内積演算 を行う。
B 逆行列 B−1
1 −α1
1 −β1
b
1 0.282913 1 _0.68098
1 α1−β1
−β1 α1
−1 1
%.b
0.706489 0.293511 1.03746 _1.03746
内積計算では右パラメーターは (自動で)転置され、列が (同じ サイズの)左パラメーターに掛 け合わされる。
誘導型のパラメーターを推計し ている。
1 α1−β1
−β1 +α1
−1 +1
,
α0 β0
α2 0 0 β2
最終的にはこの形でB−1とΓが行×行で掛け合わされる。
(−β1, +α1) ×(α0, β0) =−α0β1+α1β0 =π10
(−β1, +α1) ×(α2,0) =−α2β1 =π11
(−β1, +α1) ×(0, β2) =α1β2 =π12
(−1, +1) ×(α0, β0) =−α0+β0 =π20
(−1, +1) ×(α2, 0) =−α2 =π21
(−1, +1) ×(0, β2) =β2 =π22
( 1 α1−β1
の記述をを省略した。)
誘導型の行列表現で誘導型のパラメータが計算されている。
10.2.2
誘導型モデル
行列を用いると誘導型のモデルが容易に作成できる。誘導型モデルは 1. バイアスを含んでいる。
2. 誘導型は識別の問題は生じない
3. 簡易モデルとして十分な精度を持っている。
222 第10章 同時方程式の行列による解法 Qˆ
推計値
先決変数に回帰式をかける (1,.2 3 {"1 DN100) 1 28 7
1 29 4.1 1 32 7.2 1 33 5.4 1 35 5.8 1 36 6.7 1 36 5 1 38 6.3
(1,.2 3 {"1 DN100) +/ . * |: fx 57.096 76.8778
55.1496 94.363 65.8555 88.3379 65.4514 100.372 70.2518 104.615 73.6335 103.267 71.2499 111.692 77.3122 111.475
Y =B−1Γ
誘導型を直接適用
一 行 で モ デ ル の 計 算 が で きる。これは全体テストで ある
構造型Y B=ZΓから誘導型Y =ZΓB−1に変換する. このとき、Bの逆行列B−1即 ち内生変数に移ったOLSのパラメーターの逆行列が先決変数に残った OLSのパ ラメーターに作用して同時方程式システムのパラメーターを決定する。
この白砂モデルは適正識別である。BとΓのサイズの差は1でこれはΓのOLSの 定数項部分である。
’key Q P hQ hP’ plot ;("2) ,. |: L:0 shirasago_model DN100 pd ’eps /temp/shira_0.eps’
Y B=ZΓ→Y =ZB−1Γ
この一行で同時方程式は計算できる。
shirasago_model DN100
Y Yˆ
0 1 2 3 4 5 6 7 50
60 70 80 90 100
110 Q
P hQ hP
図10.2 Q P
shirasago_model DN100 +---+---+
|57 78| 57.096 76.8778|
|55 96|55.1496 94.363|
|66 87|65.8555 88.3379|
|65 98|65.4514 100.372|
|71 104|70.2518 104.615|
|74 105|73.6335 103.267|
|71 110|71.2499 111.692|
|77 113|77.3122 111.475|
+---+---+
誘導型の回帰テスト。後に2段階最少自乗法を用いた場合と比較する。
(shira_reg DN100) exam_simal 1 0 1 0 divenex DN100
+---+---+---+
|f |_12.0727 2.11978 1.40212|24.4106 3.11283 _4.95602|
+---+---+---+
|corr |99.7418 |97.9522 |
+---+---+---+
|AIC |_9.79884 |13.2994 |
+---+---+---+
|t value|_6.35087 42.0734 8.39618|3.0314 14.5851 _7.0059 | +---+---+---+
224 第10章 同時方程式の行列による解法